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2013/01/28

『折れた竜骨』 米澤穂信

『折れた竜骨』、ようやく読むことが出来ました。このミス2012で第二位だったという前情報しかなかったため、登場人物表のカタカナ名前を見て吃驚。カタカナ名前を覚えるのが本当に苦手な私は、物語終盤まで誰が誰だかさっぱり状態。この点だけは個人的にマイナスかなあ。

けれど、本作は登場人物がカタカナ名前であること(西洋であること)に意味があるんですよね。なんてったって剣と魔法(魔術)のファンタジーミステリなのですから!ヨーロッパに位置するソロン諸島、その領主を襲った暗殺騎士の走狗(ミニオン)とは一体誰なのか?が本作の主題ですが、これの舞台を日本にすることは…出来なくはないけどかなりイメージ違ってきますよね。

というか、本作を読む為に必要なのはその世界観を受け止めること(ファンタジーをファンタジーとして楽しむこと)なんですよね。ラスト、領主殺しの犯人を消去法で告発するわけですが、このときに「これまで説明(描写)されてきた世界観」ってのが超重要になってくる上に、その描写の仕方が巧い。物語の中盤、ソロン諸島は呪われたデーン人に襲撃され戦闘行為が始まるのですが、キャラクタたちの活躍とともに重要なキィが明かされていくという憎い演出です。

そしてラスト、探偵役が犯人を告発する演出も憎い。堪りません。

このミス2位が納得の1冊でした。個人的にはひとつわからない点があって、エピローグで主人公が皆とお別れをするシーン、あるキャラクタが「そうでしょう、アミーナ・ローレントの娘?」と言うのですが、
言われた主人公=アミーナ・ローレントなので、そのまた「娘」ってのがピンと来ないのです。「お嬢さん」って意味かしら?それとも「・(中黒)」じゃなくて「、」が正しくて「そうでしょうアミーナ、ローレントの娘?」と読むのが正しいのかしら。この点だけは解決せず、すっきりしない幕引きだったかな。

東京創元社の『折れた竜骨』特設ページはこちら

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「しかし魔法の蛇は死体に魔法の痕跡を残すのです。……まあ、言ってみれば返り血のようなものですな。ただ返り血は殺人者が浴びるのに対し、魔法の痕跡は犠牲者が浴びることになるわけです」 『折れた竜骨...... [続きを読む]

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