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2013/01/26

『彼女が追ってくる』 石持浅海


『扉は閉ざされたまま』『君の望む死に方』に続く碓氷優佳シリーズ、第三弾です。

犯人視点で描かれた本作。追ってくる「彼女」とはもちろん優佳…かと思いきや、追い掛けてくるのは被害者である「彼女」です。ダイイングメッセージ、死者が握るカフスボタン、なぜ「彼女」は犯人を示さないそのカフスボタンを握ったのか。その謎が物語の主軸になります。

が、もちろん優佳の推理のとっかかりはそんなところにはありません。『君の望む死に方』のレビューにも似たようなことを書きましたが、優佳の推理は「思い込み」が強くて強引なんですよね。確かに犯人の供述にはおかしな点があったかもしれない。でも、その発言があった瞬間に犯人を特定してしまえるほどの情報だったかと言えば「?」です。ネタバレになりますが、全ての女性が丁寧にスキンケアして寝るとは限らないからね!

まぁ、そんな強引さが推理…もしくは探偵役には求められているのかもしれません。探偵役など一生務めることのないだろう私にはわからないことですけれど。

そうそう、殺人の動機ですが(本作も)全く共感できないものでした。これについては優佳も「興味ない」的なことを言っていたのでまるっと同意しておきます。そもそも、感情なんてものは千差万別、十人十色、誰とも同じにはなれないし誰ともわかり合えないものですから、共感なんてものは不要なのでしょう。

ところで。表紙中央の彼女(おそらく犯人)が黒木メイサにそっくりだと思うのですがどうでしょう?黒木メイサと言えば何年か前に『扉は閉ざされたまま』が映像化されたときに優佳を演じてましたよね。あれ、観てみたいなあ。

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