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2013/01/22

『貴族探偵』 麻耶雄嵩


貴族探偵というタイトルから「気障な金持ちぼっちゃまが道楽で探偵をするお話でしょ?」との推測を持って読み始めた本作。その推測はあながち間違いではなかったけれど、本作に登場するおぼっちゃまはさらにその上を行っておりました。

まさか召使に全部推理させるとは…!

さすが麻耶、その発想はなかった。本作には5つの殺人が収められているのだけれど、ミステリとしてはどれもこれもシンプル。大掛かりなトリックもなく、探偵(正確には召使だけれど)が脚で捜査し犯人を追い詰めるなんていう展開もなく、シンプルとしか言いようのない謎が並びます。

第3話、「こうもり」を除いては。

いや、「こうもり」だってそんなに仰々しいトリックを使っているわけではないのです。トリックとしてはありがちというかアンフェアというか。でも、「アンフェアだ!」と読者に言わせない工夫が作中に為されているんですよね。そして、それがすごい。どんな工夫なのかを書いてしまうと楽しみが半減どころか2/3はなくなってしまうので書きませんが、私はその工夫に気付いた瞬間「ええええええ!?」と声を上げてページを遡りましたとも。

最後まで御前様の素性がわからないのが残念ですが、それはきっと蛇足と言うものでしょう。

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