« 『まっすぐ進め』 石持浅海 | トップページ | 『あるキング』 伊坂幸太郎 »

2012/02/05

『難民探偵』 西尾維新

講談社創業100周年記念「書き下ろし100冊」として出版された本書。西尾維新がラノベから脱却…しようとしたのかどうかは判り兼ねますが、些か物足りなさを感じてしまう1冊でありました。

先ず、変人として描かれている叔父にして作家・窓居京樹が至って普通の人ですよね。語り口も普通、思考も嗜好も普通、寄付マニアを変人の証とするのは弱過ぎるかと。私はいつ叔父様が変人にジョブチェンジするのか楽しみにしておりましたが…最後まで裏切られた形となりました。

そう、最後まで。

私は叔父様が犯人だったら良いな、おもしろいなと思っておったのです。その根拠は証子が防犯カメラの映像に覚えた違和感の件。その前に、叔父様の赤い靴下が「こだわり」であるという記述がありましたからね。ああ、きっとこの事件は叔父様が犯人で…証子が再び職場(?)を失う物語なのだと思ったんですよね。それだと初志貫徹、物語に一本の筋が通るなと思ったのです。違ったけど。

「名探偵、皆を集めて『さて』と云い」のシーンも物足りないですよね。それがミステリに於いて一番重要なシーンなのに。物語の三分の一くらいそのシーンでも良いくらいです。それがあっさり後日談的なまとめられ方しちゃって…ミステリスキーとして肩すかしをくらった気分。とても物足りないです。

|

« 『まっすぐ進め』 石持浅海 | トップページ | 『あるキング』 伊坂幸太郎 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/38084/43994743

この記事へのトラックバック一覧です: 『難民探偵』 西尾維新:

« 『まっすぐ進め』 石持浅海 | トップページ | 『あるキング』 伊坂幸太郎 »