« 2011年10月 | トップページ | 2012年3月 »

2012/02/26

『オー!ファザー』 伊坂幸太郎

キャラクタの異なる4人の父親に育てられた青年がちょっとし…てないトラブルに巻き込まれるお話。実に伊坂らしい、伏線でぐるぐる手足を縛られているようなお話でした。

4人の父親が皆、自分の子どもを自分なりの愛し方で大切にしている様を素敵に思いました。常人には理解できないけれど。とても4人と1人と1人がうまく共存できるとは思えないけれど…それができるだけの魅力を母親が持っているのでしょう。なんてたって、あの葵さんがあれだけ惚れた女なのですから。

由紀夫が生まれたことは「不測の事態」ではなかったと葵さんが云うシーンが好きです。由紀夫が4人の父親に愛されているシーンもどれも好きだけど…それだとこの本の全てってことになりますね。

| | トラックバック (0)

2012/02/20

『キケン』 有川浩

大学生の時でも高校生の時でも良かったから、こういうノリで毎日を過ごしたかったと改めて思う一冊。金城一紀の「ゾンビーズ」もそうだけれど、男子のノリってのは女子からすると凄く憧れるもので、こういう無茶をやっている男の子たちが今も何処かに現在進行形でいるのだと思うと愉しくなります。そして、それを防弾ガラス越しに見てみたい…内側にはね、もうこの歳では行けませんよ。なにより、ガラスの向こうは女人禁制ですから。

しかし、有川女史の恋愛描写はやっぱり素敵ですね。尻切れ感は否めませんが、第2話には胸がキュンキュンしました。それにしてもアレはどう考えても誘ってるよねなんて可哀想…!

| | トラックバック (0)

2012/02/19

『零崎人識の人間関係』 西尾維新

 

出夢→伊織→双識→戯言の順で読みました。そして、読んだ順でおもしろかった。「戯言遣いとの関係」なんていーちゃん出て来てないじゃん!玖渚が可愛かったから許すけど、人識の存命が確認できたから許すけど、タイトル詐欺な気がするよ。

出夢と人識がいちゃいちゃしているのが好きなので、ふたりがああいう決別を選んでしまったのは哀しいものです。「双識との関係」で出夢のことを語るシーンがあって、そこが凄く好き。あと「伊織との関係」で零崎一族について語るシーンがあって、それが凄く好き。人識には家族もいたし、恋人もいたし、友だちも(たぶん)いたし…殺人鬼ではない殺人鬼としての生は苦しかっただろうけれど、愉しかったんだろうな、が勝つような気がします。

戯言だけどね!

| | トラックバック (0)

2012/02/06

『あるキング』 伊坂幸太郎

私にはよくわからなかった、が読了後の正直な感想。王として生まれ、王となることを約束され、紆余曲折しながらも王として生きた野球少年の物語。

伊坂氏はこれを「伝記」と呼んだが、果たして王は成功しただろうか?後世に残る記録を残しはしたかもしれないが、王はその記録を喜んだのであろうか?最後まで、野球をする王が野球を楽しんでいたように読めなかったことと、現れては消える登場人物の何人かが消えっぱなしなのが残念でした。

| | トラックバック (0)

2012/02/05

『難民探偵』 西尾維新

講談社創業100周年記念「書き下ろし100冊」として出版された本書。西尾維新がラノベから脱却…しようとしたのかどうかは判り兼ねますが、些か物足りなさを感じてしまう1冊でありました。

先ず、変人として描かれている叔父にして作家・窓居京樹が至って普通の人ですよね。語り口も普通、思考も嗜好も普通、寄付マニアを変人の証とするのは弱過ぎるかと。私はいつ叔父様が変人にジョブチェンジするのか楽しみにしておりましたが…最後まで裏切られた形となりました。

そう、最後まで。

私は叔父様が犯人だったら良いな、おもしろいなと思っておったのです。その根拠は証子が防犯カメラの映像に覚えた違和感の件。その前に、叔父様の赤い靴下が「こだわり」であるという記述がありましたからね。ああ、きっとこの事件は叔父様が犯人で…証子が再び職場(?)を失う物語なのだと思ったんですよね。それだと初志貫徹、物語に一本の筋が通るなと思ったのです。違ったけど。

「名探偵、皆を集めて『さて』と云い」のシーンも物足りないですよね。それがミステリに於いて一番重要なシーンなのに。物語の三分の一くらいそのシーンでも良いくらいです。それがあっさり後日談的なまとめられ方しちゃって…ミステリスキーとして肩すかしをくらった気分。とても物足りないです。

| | トラックバック (0)

2012/02/04

『まっすぐ進め』 石持浅海



石持氏らしい日常系ミステリかと思いきや、途中で背負ったリュックを掴まれてぶんぶん振り回される思いを味わいました。
描かれる謎の全てが「正解のわからない謎」であり、思考の飛躍があり過ぎるような気もしないではありませんが、だからこそ自由に、自分がまっすぐ進んでいるのだと信じられるのだと思います。

しかし、石持氏の描く恋愛模様は素敵ですよね。

| | トラックバック (0)

« 2011年10月 | トップページ | 2012年3月 »