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2009/04/03

『荒野』 桜庭一樹

荒野 Book 荒野

著者:桜庭 一樹
販売元:文藝春秋
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世界とは?

人間とは?

青春とは?

青年は荒野に旅立つ

『赤朽葉家の伝説』と『私の男』を読み残している私。桜庭氏の表面だけを攫っている感が否めませんが、狂気を孕む物語って苦手なので。でも、本作『荒野』はなかなか。装丁も素敵。

本作は山野内荒野が少女から女性へと…違うな、子どもから少女へと成長を遂げる物語。そこには恋があって、友情があって、家族があって。少しだけ複雑な恋、少しだけ複雑な友情、少しだけ複雑な家族。でも、全ては微妙なバランスで成り立っていて。

微妙なバランスを軽快に痛快に描く桜庭氏の筆力はさすが。これまで読んできたどの桜庭作品よりも爽快。けれど、どうしても外せない奥底に潜む狂気。異性を愛したり、友人を愛したり、家族を愛したり。それって当たり前のことで、誰しもが現在進行形で経験していることだけれど…そこにこんな狂気はあるのかい?当たり前すぎて、体に馴染みきっていて、気付いていないだけ?それを桜庭氏は真っ向勝負で切り捨てるから、私たちはそこに痛みを感じるの?畏れを感じるの?

個人的には荒野と悠也の吊り橋効果が気に入っていて。悠也がきちんと想いを秘めたまま帰ってきたのは意外で。荒野に教えてあげたい「変わらないものなど無い」ことを。荒野だってこんなに変わったのに。

普段からミステリを愛好している私は、物語にオチとかまとめとか総括を求めてしまう癖があって。基本的にオチのない(なかったですよね?)本作をどう評価したら良いのかわかりません。最後の1頁までどんなどんでん返し(オチ)が来るのか!?と構えながら。この癖、直した方が良いですね純文学方面に弱くなる。

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