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2009/04/25

『書物迷宮』 赤城毅

書物迷宮 (講談社ノベルス) Book 書物迷宮 (講談社ノベルス)

著者:赤城 毅
販売元:講談社
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世には出せない書物

世に出してはならない書物

貴方はそれを読んでみたいと思いませんか?

『書物狩人』に続くル・シャスールシリーズ第2弾です。第1弾はあくまでも依頼を受けて、SILABの“仕事人”としてのル・シャスールを描いておりましたが、今回はあくまでも個人として、蒐集家としてのル・シャスールを描いております。もちろん、第1弾同様の人間模様は健在ですが。

体系や顔立ちに特質すべき点はなく、どこにでもいそうな東洋人でしかないのに。それでも彼は人の眼を引く。それは…ポオの物語やマリー・アントワネットの如き白髪の所為。なぜ彼は白髪を染めることなく、書物を追い続けるのか狩り続けるのか。それが最大の謎。今回も彼の秘密は一切語られることはありませんでいしたが。いつか…きっと。

今回登場する稀覯本は4冊。幻の詩集に鉄道の時刻表、旧家の家系図にナチスの細菌研究書。歴史を揺るがすような…とは云えない書物ばかりだけれど、人ひとりの人生を揺るがすには充分な書物たち。スケールが小さくなったように感じられますが、ル・シャスールの推理のスケールはでっかいです。

個人的には「愛された娘」が好きです。ラストの娘の決断が良い。「美意識で行動される方は好きです」なんて台詞、美しい。今回はどの作品もラストが良いです。「長い長い眠り」の黒さにもうっとり。

KGBやCIAなんていう単語が並び、歴史とロマンに溢れる、もっと派手な作品を読みたいと少しだけ思ってしまいましたが。今回はル・シャスールの人となりを少しだけ垣間見れたので。まだまだこのシリーズ続くようなので(積読状態の「メフィスト 2009年4月号」には「書物法廷」が!)愉しみは取っておきます。

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2009/04/23

この日を待っていた

ライアーゲーム

シーズン2&映画化

待ってましたぁぁぁ

もうライアーゲームのことしか考えられない
公式サイトはこちら

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『カーニバル 四輪の牛』 清涼院流水

カーニバル・デイ―新人類の記念日 (講談社ノベルス) Book カーニバル・デイ―新人類の記念日 (講談社ノベルス)

著者:清涼院 流水
販売元:講談社
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九十九十九、暗殺

衝撃のニュースを夜叉の視点で振り返りつつ

犯罪オリンピックは新たな展開を見せる

地味に続いてたんですよ、未だ。

こんな本、もう読みたくない

重量級文庫本片手に、何度こう思ったことか。だって、

おもしろくない

ごめんなさい。本当のこと云ってしまってごめんなさい。前半の夜叉視点はそうでもないんですよ。もともと『カーニバル 四輪の牛』はノベルス版『カーニバル・デイ』冒頭に該当するので、読者のための「これまでのお話はこんな話でしたよ、覚えてますか?」的役割を果たしてくれるのですが。そこが一番おもしろいって…。

『四輪の牛』後半には第27週から第39週までの事件(犯罪オリンピック)が収録されているのですが、これまでのような「読者を愉しませよう」という感覚が欠落しているような。これまでは事件現場の探偵視点で、時には犯人視点で、ひとつひとつの事件をSHOWとして愉しく読ませてくれていたように思うのだが…『四輪の牛』は「こういうことがあったんですよ~」と3週まとめて披露とか普通ですから。しかも、舞台に関する薀蓄の方が頁数多いし。

では、その他の部分、たとえばRISE内部について明るいのかと云うと…決してそうでは無く。中途半端に(しかも断片的に)情報が開示されるので、全然おもしろくないんですよ。ミステリ読みは「これこれこうだから→こうなった」という過程(ロジックと云い換えても良い)を愉しむ人種だと思うので。いきなり「犯人はこの人です。じゃ、これで事件解決ですね。推理の過程は省略します、犯人わかればそれで良いでしょう?」って云われたら(書かれたら)きっと私はその本、投げつけるね。でも、本作もその状態に近いです。

とりあえず、RISE幹部は九十九十九を除く6人のS探偵…と思わせといて、もの凄いレベルダウンを見せましたね。そんな普通の人たちがRISE幹部だって云われても貴方。そうそう、

ブラック・ルークは龍宮のクローンなんですって

あとね、龍宮の祖先は桃太郎だそうです。あっ、RISEのトップ(総統)は

アドルフ・ヒ○ラーさんだそうですよ

本当はそっくりさんですけれど。血縁関係はお有りになるようです。もうなんか…絶句?

これが最終巻『五輪の書』で大団円、「うわぁ名作!これまですみませんでした」状態になってくれれば良いのですけれど。そうなった覚えはなく。絶賛レビューを書きたいところなんですがね。

そうそう、RISEは「本を斜め読みして大事なことを残らず読み落とし、的外れな批判をする人種」を抹殺するために活動しているそうですよ。私か?次の大量被害者のひとりは私か?

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2009/04/20

『制服捜査』 佐々木譲

制服捜査 (新潮文庫) Book 制服捜査 (新潮文庫)

著者:佐々木 譲
販売元:新潮社
発売日:2008/12/20
Amazon.co.jpで詳細を確認する

不祥事をめぐる玉突き人事のあおりで

駐在勤務に押し込まれた川久保

そこには、連綿と続く腐敗臭が漂っていて

道警シリーズ番外編とも云える本作『制服捜査』。佐々木氏との出会いは最近なので(遅)この名作の呼び声高い『制服捜査』も未読でした。やっぱり「このミス」2位は伊達じゃないですね。

強行班係から畑違いとも云える駐在所勤務へと人事発令された川久保。駐在に求められている役割は「町から被害者を出さないこと」ではなく「町から犯罪者を出さないこと」。犯罪者として囃し立てられ書き立てられることがなければ、人々は「この町は安全だ」と思ってくれる。思い込まされてしまう。けれど、そこにあるのは詐称でしょう?だって、犯罪者は出なくとも、被害者は間違いなく出ているのだから。

というわけで、川久保が暴く罪は5つ。これまでの“駐在さん”ならきっと見逃したような(それが故意なのか過失なのかは別として)事件ばかり。町から便利屋としての“駐在さん”が消えたことに戸惑い苛立ち皮肉を浴びせる人々に、新しくやってきた“警察官”としての川久保を慕い助けてくれる人々。複雑な人間関係のなかで、自分の仕事をしっかりやってみせる川久保。うん、職業人です。

個人的には「割れガラス」が好きです。「町が荒れるのは、最初は窓ガラス一枚からだ」という有力者。けれど、なにが窓ガラスなのかについては意見の相違があって。町に前科者が現れたことが窓ガラス?川久保には、窓ガラスはとうの昔に(川久保が赴任してくる前から)割られているように見えるのに。傷ついたひとりの少年すら守れないのに、町の平和を守ろうなんて笑わせる。そんな川久保の想いが透けて見えるかのような、ラストの意趣返し。

ラストの「仮装祭」で町の悪習を暴いて見せた川久保は、これからどんな駐在生活を送るのか。また読みたい気もするし、川久保が迎合していたら…なんて思うと読みたくない気もするし。名作でした。

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2009/04/19

「名探偵の掟 #1」感想

名探偵の掟 (講談社文庫) Book 名探偵の掟 (講談社文庫)

著者:東野 圭吾
販売元:講談社
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期待しかしていない新ドラマ「名探偵の掟」。原作が好きで好きで大好きで、松田翔太くんも好きな私が期待しないわけがなく。しかも「TRICK」枠だし。

あれ?ちょっとコメディ色弱い??

逆にミステリ色が濃いわけでもなく。なんか中途半端に混ぜ合わせてみました感たっぷり。いや、まだ#1だしね見極めには早い。私がこの『名探偵の掟』に期待するのは「9割コメディ1割ミステリ」なのです。

ミステリをとことん、馬鹿にして欲しい(笑)

えっ?ミステリって未だこんな馬鹿みたいなこと本気でやってんの?みたいな。ドSだな、自分。

とりあえず、順々にツッコミ入れておきましょうか。

えっ?なにあの謎の部屋

大河原警部(キム兄)曰く「楽屋」とのことですが。天下一と警部のシークレット・トークをどう表現するのか、『名探偵の掟』の見所はここにあると云っても過言ではないシーンですが、これをああいう形で部屋化しましたか。#1は最初ですからね、若干説明が長かったように思いますが…

「密室はトリックの王様」って(笑)

腹痛い。現実世界でこんなこと云っている人(推理作家と読者以外で)居たらお目にかかりたい。しかし、その密室トリックを解決に導く契機があの親子と見紛うカップルってどうなの?「雪(の愛)は重たいんだよ」って(笑)ちなみに、あの心張り棒の置き方おかしくないっすかね?体当たりであの心張り棒が外れたならば階段(?)に登っちゃうわけないと思うんですが。まぁ、密室トリックを気にしている視聴者なんて居ないだろうし良いや。

あと、#1の見せ場は「名探偵、皆を集めて「さて」と云い」の

まさかの二択!ただの二択!!

実際のところ、バンバン死者が出たがために最終的に二択、という場面はミステリ界に往々にして存在するんですけれども。やっぱりモチベーションさがってるんですね名探偵。しかもその二択が美女(未亡人)と醜女だったりすると、その確立は最早50/50ではございません。最初にブッキングできなかった醜女はどうやって連れてきたんでしょうか?(あっ!醜女の正体がバレる)

とりあえず、今回は松田翔太くんの可愛さに免じて赦しますが(なにをだ)もっとコメディ色強めてください。うーん、見せ方の問題だと思うんですよね。もっと「うわぁ、こんな馬鹿みたいな(密室)宣言やりたくねぇ」ってゴネてください。そのゴネの中にミステリへの風刺を込めてください。って、難しい注文ですね。だって、視聴者にある程度の知識がないと風刺が風刺になりませんので。

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『迷える羊に愛の手を』 若木未生


術者にも日々の生活があって

その一面を垣間見ることのできる

オーラバ短編集

最中ではありますが1時間の気分転換オーラバ。気分転換は大切。大切ですよ。

本短編集には4つの作品が収録されていて。うち、術者が術者らしく妖の者と対峙するのは2作品。やはりこちらの2作品の方が好きで…オーラバは珍しくキャラ読みでなく筋読みなのか?そういえば、本短編集に亮介が亮介として登場した箇所はございませんでしたね。いつも誰かの想いとして登場…もう、亮介ってばみんなに愛されちゃってるんだから。

まずは、昔取った杵柄、優等生(っぽい)諒が堪能できる表題作「迷える羊に愛の手を」。舞台は秀才ばかりが集まる男子校…なんて美味しそうな。先生とは気が合いそうだ同じ性癖を持っているような気がします。羨ましい。先生は男子高生を食べたくて食べたくて妖の者に憑かれてしまったのでしょうか?欲望って怖いね。しかし、先生に迫られた諒のかわしっぷりったら…なかなか。

そして、作者自ら「里見十九郎くんの優雅な私生活」と云ってのける「アニバーサリー」。再読で十九郎の良さを再認識した私としては、なかなか。腐女子が狂喜乱舞しそうな設定。だって、成績優秀(平家物語に対する教師の解釈に違和感を覚えて図書館へ文献を当たりにゆく)、ピアノを弾きこなし、引退してなお生徒会に多大な影響力を持ち、バイクを乗り回す財閥後継者候補…居ねぇよ(笑)そんな十九郎に対する希沙良の想いは黙殺させていただきます。BL要素には興味ない。いや、これ本当に。

そして、やっぱり亜衣ちゃんは元ヤンでしたか。しかし、「入学式の時に理想のカタマリを発見」って(笑)亮介ちゃん、本当にみんなから愛されてるんだから。

って、本当にこれってキャラ読みしてないって云い切れるんだろうか。

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2009/04/18

『警官の紋章』 佐々木譲

警官の紋章 Book 警官の紋章

著者:佐々木 譲
販売元:角川春樹事務所
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道警最悪の1週間から2年

サミットを控えた道警に忍び寄る

その存在を揺るがしかねない疑惑とは?

最中ではありますが『笑う警官』『警察庁から来た男』に続く道警シリーズ第3弾です。JDCシリーズとは異なり(笑)もう読みたくて読みたくて仕方なかったんですよ!

第3弾は洞爺湖サミットを間近に控えた道警が舞台。実際、洞爺湖サミットあたりの札幌市内は、それはそれは仰々しい雰囲気に包まれておったものです。おじいちゃんと孫が交差点に立って「今日は道警以外のパトカー、何台見れるかな?」とか、警察署100mのところでひったくりが起きて、朝礼(?)中だった捜査員100人が「肩慣らしだ!」とばかりに署を飛び出したとか、笑い話ばかりが耳に聞こえてきましたが(笑)要人が居住していると思われるマンションの立ち番をしている警官の方にいつも「お疲れ様です」と思っておりました。

って、『警官の紋章』のお話。今回も佐伯サイド、津久井サイド、百合サイドという3つの視点で物語が形成されます。2年前に取り上げられた密輸業者摘発事件を再度追いかけることに決めた佐伯と、拳銃を所持したまま失踪した若手警官を追う津久井、ストーカー逮捕で評価を上げ、要人警護の応援に駆り出された百合。3人の視点はラストまで交わらないけれど、3人が(運命的に)その場に揃うことで、自然とはかられる意思疎通。それは2年前、最悪の1週間を乗り切った仲間たちだから。

正直、物足りない感じもしたのですが。今回は(『警察庁から来た男』もそうだったから“も”かな?)山場といいますが、このままではこの捜査を続けられないぜ!どうする俺?みたいな展開がなかったので。坦々と進む物語。蓄積された緊張がラストの場面で爆発する…ということもなく。失踪した若手警官を優しく迎える面々。

でも、その優しさには厳しさが内包されていて。佐伯をストーキングして(笑)咄嗟の場面で飛び出してきた新宮。怯える同僚を尻目に、片膝をつき両手で拳銃を構える津久井。その向こうには、新調した黒いスーツで同じく拳銃を構えた百合が。

うわぁ、佐伯班最高!

佐伯班なんて存在しないけれど。けれどあの場面、間違いなく彼等は佐伯班でした。2年前のリプレイ。

佐伯の用意した公判がどうなるかはわからないけれど。百合のリベンジが果たされなかった今回、第4弾ももちろんあるんですよね?もう、もの凄く愉しみです。映画も観る。

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2009/04/15

『カーニバル 三輪の層』 清涼院流水

カーニバル―人類最後の事件 (講談社ノベルス) Book カーニバル―人類最後の事件 (講談社ノベルス)

著者:清涼院 流水
販売元:講談社
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犯罪オリンピック開催中

貴方もいますぐ参加しましょう

ちなみに「犯人側」「探偵側」「被害者側」のご用意がございます

どの立場でご参加されますか?えっ?読者側?

とりあえず折り返し地点に立てた(はず)『カーニバル 三輪の層』レビュ。明らかに読書スピード落ちてますが…今月中には終わらせたいね、この企画(弱気)

この『三輪の層』は犯罪オリンピック第14週から第26週までが収められておりますが…もともと(ノベルス時は)時系列がバラバラだったためか、記述があっちこっちに飛んでおりまして非常に読み辛い仕様となっております。とりあえず、私は九十九音夢の失踪を読み飛ばしました。乙姫といっしょに神聖城(サンクチュアリ)に居て驚愕。

驚愕と云えば、もっと凄い発表があったんですけれど。

総代と漂馬が異母兄弟だったなんて!!

そんな設定すっかり忘れておりました。『三輪の層』では漂馬の過去が明らかになるのですが…まさかの展開です。四大悲劇に数えられる(けれども詳細は明らかとなっていなかった)鴉城家殺人事件が漂馬を契機に起こっていたなんて。っていうか、総代のパパってば悪ね。あと、その解決(真相)も悪ですね。

奇しくも468頁、架空山菅家の口から出たこんな台詞。

「超常現象にしても謎物語にしても、やっぱりミステリは現実的に解決せんと」

そうですよね!私もそう思います

この大阪城天守閣が消えたり、イースター島にスペースシャトルが着陸したり、ナスカの鳥っぽい地上絵の目に該当する部分にミステリーサークルが登場したり、赤道に血液の帯が現れたりした謎を現実的に解決してくれるんですねさすが清涼院氏ありがとうございます少しでも疑った私を赦してください。

そうそう、この『三輪の層』にも「まえがき」が挿入されていて。「まえがき」によると人気事件は第16週「イースター島のモアイ」、第20週「ギザの三大ピラミッド」、第24週「コスタリカの巨大石球」らしいのですが。第16週と第20週はともにクリスマス・水野関係ですね…ごめんなさいキャラ読みなのでクリスマスがそんなに得意ではない私は愉しめませんでした。龍宮系キャラ読み代表としては第17週「ナスカの地上絵」は外せません。

ブラック龍宮は好みではないのですが

まさに「彼になにがあったのか」ですよ。星野多恵(あえての本名)のみを側に置き、(笑)を捨ててしまった龍宮。そんな星野さんも不遇の死を遂げてしまったわけですが。いやいや、私は新JDCビルの前で星野さんに殴る蹴るの暴行を加えてなどいませんよ?えっ?眼なんて泳いでいませんよ?とにかく、死んだと思っていた(思われていた)人物が復活しまくる『カーニバル』ですが、星野さんは復活しなかったように記憶しているので、やはり「普通の」お嬢さんだったようです。婚約は当方で勝手に破棄させていただきましたお粗末さまです。

あとはなにに触れておけば良いのでしょう。「RISEの要職はS探偵メンバ」ってやつ?それとも「各国首脳はすべてRISEの配下」なので、犯罪オリンピックは国家(世界)ぐるみの犯行ってやつかしら?あっ、「宮本武蔵が記した『五輪書』に、真理は宿る」ってやつに違いないわ(笑)

とにかく無茶設定のオンパレード。暇で暇で仕方がなく、壮大な冗談が赦せる方は是非お読みくださいまし。

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2009/04/13

『カーニバル 二輪の草』 清涼院流水

カーニバル―人類最後の事件 (講談社ノベルス) Book カーニバル―人類最後の事件 (講談社ノベルス)

著者:清涼院 流水
販売元:講談社
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毎週土曜日午後1時

世界のどこかで起こる超常現象的殺人事件

探偵たちは…ただ見ているしかない

なぜか文庫版アフィリが表示されない(報酬対象外な)罠。この『二輪の草』と『三輪の層』で『カーニバル(無印)』が形成されますので、とりあえずこのアフィリで。この週末はプレイ時間50時間オーバにも関わらず未だ11月の「ペル○ナ3」にうっかり手を出してしまったので、このレビュ進まず。申し訳。

JDC本部ビル爆破で開幕した「犯罪オリンピック」。第1週から第13週までがこの『二輪の草』には収められております。エッフェル塔、ストーン・ヘンジ、カッパドギア…世界の名勝・観光地で次々と起こる不可思議殺人事件。これらは『二輪の草』『三輪の層』では解決しませんので…余興としてお愉しみいただけたら。いや、『四輪の牛』『五輪の書』を読んだって解決するとは限らないんですけれども。

とりあえず、ビリオン・キラーの手による大事件は置いといて。ときどき挿入される小さな事件にスポットを当てることに致しましょうか。清涼院氏の手により「まえがき」では第9週「シベリア鉄道」、第2週「アンパイアステートビル」、第12週「アマゾン麻薬工場」、第13週「ボロブドゥール寺院」が人気とのことですが…私も第2週、第9週、第13週が好きですね。皆さんと意見が一致して良かったむしろ皆さんもそこしか愉しめなかったのでしょうか?

第2週はエラリィ・クイーンのW隠し子(笑)ロンリー・クイーンがディープ・カット事件(喉元をスッパリ斬られ男性器を押し込まれるというセクハラシリアルキラー)を解決するというもの。「ある言葉」を口にすることで、あんなに大人しかった犬がまるで別犬になったかのように喉元に襲い掛かる…けれど、犬の牙に血は付いておらず。被害者が死に際に残したメッセージ?その真相とは?というミステリ。なかなか優秀。

そして、第9週。JDC第1班班長たる刃仙人が、なんと少年を誘拐し逃亡。その逃亡劇の最中に出遭った密室殺人事件。走るシベリア鉄道、鍵の掛かったコンパートメント。犯人と被害者の首はどこに?第9週はミステリとしても優秀ですが、天人少年(仙人の死した弟)の件が素晴らしいんですよね。仙人を殺してくれと頼まれた犯人、けれど仙人と同行している天野少年はロシア語を操ることはできず。仙人の殺害を依頼したのは一体誰?

『二輪の草』ラスト第13週は愛しの龍宮が登場。ベチャ(ガイド)のエルフィ・ゲッペンと龍宮の「賭け」。それは相手の質問にすべてウソで答えること。もちろんホントを混ぜてもよいが、それを相手に悟られてはいけない。ゲッペンがこの「賭け」を受けた時点で、すべては龍宮の思惑通り。いつの間にか、自分も知らないはずの忘れたはずの忘れたかったはずの「ドット」としての過去を思い出してゆくゲッペン。けれど…この龍宮って本当にあの龍宮?

冒頭で挑まれた「読者への挑戦状」はニセモノ名探偵探し。どうやらニセモノ名探偵は霧華舞衣→実は浮悠香澄水、とのことですが。殆ど登場しない浮悠香澄水がなぜ霧華舞衣を名乗っているのか。その意図は?その秘密は?

とりあえず『三輪の層』を早めに読了したく。『二輪』『三輪』が事件篇なら、『四輪』『五輪』が解決篇。解決篇に着手する前に、何冊か読んでしまいたい本があるんですよ…って一気読みレビュ中に堂々の浮気宣言!?

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2009/04/09

『カーニバル 一輪の花』 清涼院流水

カーニバル・イヴ―人類最大の事件 (講談社ノベルス) Book カーニバル・イヴ―人類最大の事件 (講談社ノベルス)

著者:清涼院 流水
販売元:講談社
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犯罪オリンピック

ネットの波、まことしやかに囁かれる噂

8.10(オーガスト・テンス)すべては始まった

巻を増す毎に厚さも増してゆく『カーニバル』。『五輪』とかもう見るだけで卒倒しそうだ。しかし、なぜ文庫版のアフィリが出ない。

とりあえずこの『一輪の花』は1冊284頁を使った序章に過ぎず、最後の二文にしか価値はなく。『コズミック』から2年、幾人かを失い、幾人かを得たJDCの変革を愉しめるのは重度のJDCファンだけでしょう。

とりあえず各キャラの立ち居地を確認しておきましょうか。特筆すべき事件が起こらずレビュ書くことないときの最終手段。前回は愛しの♥龍宮様と九十九十九について書きましたので、今回は他の主要メンバを。

JDCの上位団体(?)DOLLにレンタル移籍の決まった氷姫宮幽弥…フラウ・Dから貞操を守ってください。九十九十九への恋心を封印し、新しい恋、新しい自分、新しい謎に向かい始めた霧華舞衣…なんとなく違和感、本気ですか?運命の女に逃げられ、相棒に裏切られ、それでも総代の居るJDCから離れられない天城漂馬…漂馬の本気を見てみたい。雨霧冬香の名を捨て、新しい男と涙の刺青を得た浮悠香澄水…漂馬との復縁は無理ですか?全ては流れる血の所為なのか、精神を病み休養中の刃仙人…少年を庇った真意は弟?

既出キャラはこんなところでしょうか?次は新キャラを紹介しようと思うのですが…以前も書きましたが新キャラあまり好きじゃないんですよ。サムダーリン雨恋ちゃん、もうお願いだから龍宮にまとわり付かないでください。クリスマス・水野は再読してみたら意外と可愛かったのですが…でも、龍宮や香澄水が惹かれるような人物には思えないんだ。あと、御戸村正さんってのも居ましたね特にコメントは無いです。

新キャラを受け入れられないのはなんでだろう?と考察をしてみる。『コズミック』『ジョーカー』既出キャラたちはバックグラウンドが感じられるんですよね。キャラに深みがあるというか。もちろん充分トンデモ奇人変人なんですが…新キャラはその上に位置できない。軽い浅い。あるいは私が古い硬い懐古主義。もうニューウエーブを受け入れられないんですよ。

ただ、『コズミック』『ジョーカー』から参加していたからといって諸手を挙げて「好き」ってわけじゃないんですけれど。あっ、もちろん星野多恵さんのことなんですが。だって、彼女、普通でしょ?持ち込みでJDC4班スタート?JDCも随分門戸下げたんですねぇ。普通な彼女に嫌悪感を感じるのは、きっと自分が普通だからなんでしょうが。あと、

龍宮は誰にも渡しません

とりあえず、最後の二文と2年という月日を埋めるための序章『一輪の花』。ミステリもあったような気もするけれど…まぁ、いいや。犯罪オリンピックが始まったら嫌って云うほど(本当に嫌になるほど)読めますので。

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2009/04/08

『コズミック 水』 清涼院流水

コズミック 水  /清涼院流水/〔著〕 [本] コズミック 水 /清涼院流水/〔著〕 [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
セブンアンドワイ ヤフー店で詳細を確認する

すべての殺人は密室殺人である

中には何を閉じ込める?

憎い相手?それとも自分自身?

もうストックがなくなった。『コズミック 水』を読了したのが2分前。次のレビュはいつお送りできるだろう(遠い眼)とりあえず、

超ド級バカミス、ここに見参(笑)

何度読んでも凄いな。そういえば『コズミック』ってメフィスト賞受賞作でしたねすっかり忘れてた。 リストも更新できますねなんか得した気分です。

さて、バカミスの王様『コズミック』のレビュですよ。「1200個の密室で、1200人が殺される」との予告通り全国各地津々浦々繰り返される密室殺人。犯人(と目される)密室卿を追うJDCメンバのもとに届いた、とある小説が事件を急展開へと導く。タイトルは『1200年密室伝説』、作者は濁暑院溜水!?『コズミック』の舞台は『ジョーカー』のおよそ2ヵ月後…死者からの手紙?

さらに、『1200年密室伝説』は内容がこれまた問題で…密室卿による大量殺人は平安時代、江戸時代にも確認されているだなんて。平安時代は早良親王の祟りとして記録され、江戸時代には幕府隠密として松尾芭蕉が探偵役を務め、密室卿を追う旅をカモフラージュするために書かれたのが『奥の細道』…

これ、本当に書いてあることですからね!

危ない危ない、精神異常実験体としてER3に送られるところだった。というわけで、いろんなことを愉しく赦せる方のみ本作をお読みください。でも、大森望氏の文庫版解説は面白い。まさに「あぁ、これ私もやったわ」のオンパレード。鮎哲賞受賞パーティの2次会で有栖川、綾辻、法月、二階堂に混じって私も『コズミック』を語りたかったものです(笑)

そうそう、せっかく清涼IN流水読みをしたので、それらしいレビュも残しておきましょうか。とりあえず、『ジョーカー』(=幻影城殺人事件)は

全員共謀ということでよろしいでしょうか?

なんせ全員、密室教。濁暑院さんなんて中枢も中枢じゃないですか。あれですよね?『コズミック』のリハーサルかなんかだったんですよね?だってそうじゃなきゃ小杉少年が犯人だなんて無理があるもの。実行犯は彼だったやもしれませんが、それを全員でサポートさせていただいたという。もしかしたら次の幹部候補でしたか?それが罪の意識に苛まれるようになって20番目の被害者とさせていただいた?って、候補は最後のフロッピィにきちんとまとめられていたんだっけか妄想妄想。

この幻影城関係の記述って、初版『コズミック』から加筆修正されてます?いきなり『コズミック』を読んだ方は「は?」ってなもんですよね。とりあえず清涼院氏の言う、清涼IN流水の順で読むと「とある仕掛けが浮かび上がります」っていうのはこれのことだともう○年も思っていたのですが…

違ってたら恥ずかしいですね!!

でも、違ってたら違ってたでまた「眼から鱗」を体験できるのか、それは嬉しいかも。

そういえば、38番目の被害者は森博嗣氏でしたね(笑)

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2009/04/07

『ジョーカー 涼』 清涼院流水

ジョーカー 涼  /清涼院流水/〔著〕 [本] ジョーカー 涼 /清涼院流水/〔著〕 [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
セブンアンドワイ ヤフー店で詳細を確認する

八つの生贄は出揃い

読者の前に全てのヒントは提示された

さぁ、謎を解くのは…誰?

頑張って読んでますJDCシリーズレビュ第3弾。清涼院氏の言葉遊びにお付き合いするのには精力と胆力が要るんだ。

とりあえず、前回レビュで宣言しました冒頭シャウト

若様、カムバックプリーズ!!!

老いた螽斯さんならまだしも(おいっ)若様の命まで奪ってしまわれるなんて…憎き芸術家。もうね、若様の最期はまともには読めない。「死の瞬間。蒼也は、父を越える神々しい推理力を手に入れた」って越えなくて良いから生きててくださいよ若様!どんだけ『Xの悲劇』なんですか!!って、超ネタ割ってますが、このレビュ誰も読まないだろうから良いや(おい、清涼院氏に失礼だ)。今日は思う存分ネタバレレビュ。だって(一応)『ジョーカー』解決編ですし完結編ですし。

とりあえず、

犯人は誰でもないってどういうことね?

スミレさんかと思わせといて小杉少年かと思わせといて誰でもないって。しかも、「その正体なんて、誰でもいい」って貴方、ここまで読んできた読者にその仕打ちは…まぁ、これも『コズミック』への伏線なんですが。伏線なんですよね?私これまで○年の間、ずっとそう認識してきたんですが違ったらどうしようそれこそ「生涯で未体験の刺激」だわ恐るべし清涼IN流水。

とにかく意外な犯人を追及しようとダミーの犯人がごろごろ登場します。虹川氏の推理で3人(かわいそうなD氏)、その場で龍宮が2人追加し、改めて龍宮が意気揚々と誤爆、傾界の美貌・九十九十九が2人。あっ、誰でもないんだっけか3人か?とりあえず9人ダミー…覚えていないだけでもっと多いと思われます。登場人物表に記載されている約30%が該当って素人探偵(読者)の競馬的犯人予想じゃないんだから。

しかし、虹川氏の推理を霧華嬢が退けたときの台詞には参った。「虹川さんの推理では論理とは呼べませんわ。露骨に言えば『こじつけ』です」って

えっ?それを貴女が云うの???

龍宮の「きりきり舞い」を聞いて驚嘆の声を上げていたような気がするんですけれど(笑)そもそも龍宮の推理なんて殆どがこじつけ、龍宮どころか十九の推理(特に『源氏物語』の件)だってこじつけやん!!興奮のあまり似非関西弁が出てしまいました。危ない危ない。とにかく、物理的に犯行が可能か否かよりも、現場に残されたサイン(要するに言葉遊び)を拾うことで犯人を特定するという

ミステリにあるまじき行為が罷り通る物語

まさに、JDCシリーズは読者を選ぶ。私は大好きですけれども(愛しているが故の酷評)受け入れられない方は徹底的に受け入れられないと思います。なんせ

ほったらかしの密室もありますし

名探偵揃って「あの密室は解く必要のない密室、解けない密室なのです」「奇跡が起こったか、トンネル効果で首が甲冑を通過してしまった」って本気ですか?もしかしてどこかで(他作品で)この謎解かれているのかもしれませんが、寡聞にして存じません。まぁ、私の読み込みは相当甘いんですけれど。なんせキャラ読み。

というわけで、キャラ小説として若様の復活を願わずにはおれません。無理な話なんですけれども。とりあえず『コズミック 水』で漂馬に癒されてこようと思います。

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2009/04/06

『ジョーカー 清』 清涼院流水

ジョーカー 清  /清涼院流水/〔著〕 [本] ジョーカー 清 /清涼院流水/〔著〕 [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
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聖なる眠りにつく前に、我は八つの生贄を求める

すべては、(華麗なる没落のために)

芸術家

レビュ第2弾。清涼IN流水で読むと宣言しましたので、『コズミック』ではなく本日のレビュは『ジョーカー』。『ジョーカー』は私の中で「JDCシリーズ」ベストですので、必然的に読む手に力が入ります。

ベストと宣言する理由は
龍宮の活躍が多いからなんですけど!

江戸川乱歩と同じ名を持つ男・平井太郎が主人を務める幻影城。その幻影城で行われていたミステリ作家「関西本格の会」合宿。虹川良、風紋寺光世、氷龍祥子といった第一線で活躍する作家が顔を揃える中、濁暑院溜水から提示された「推理小説の構成要素三十項」。「十戒」「二十則」を上回る制約、その先にある究極のエンタテイメント!しかし、その「三十項」が芸術家(アーティスト)と名乗る凶悪殺人犯に悪用され、幻影城を舞台とする連続殺人事件に発展するとは誰が予想したものか…という物語。

この『ジョーカー』で探偵役を務めるのは龍宮城之介、霧華舞衣、螽斯太郎といったJDCを代表する錚々たる面々。けれど、このメンツをもってしても芸術家の凶行は止められず。上巻である『清』が終わるまでに(華と麗の双子を含めて)9つの命が奪われております…ってあれ?芸術家が欲しているのは「八つの生贄」なので、既にオーバ?芸術家の真意が読めませんねぇ。まぁ、ダリアの花びらに錐で穴を開けて「きりきり舞い」とか云っちゃう犯人だからな(龍宮の独りよがりという可能性ももちろん捨てきれないが。なんせ駄洒落王)。

でも、龍宮vs霧華の形で展開される推理対決は嬉しい。若様、音夢、螽斯が揃って口にする「JDC第1班と第2班の見えない壁」。無残な殺人現場に遭遇したときにどこまで冷静さを保っていられるか、どこまで観察することができるか、その観察を以ってどこまで推理を飛躍させることができるか。圧倒的な差、現状では追いつけない速度、見えない壁。まぁ、第1の殺人「シャンデリア圧殺事件」くらいは解けないとお話にならないのでしょうが。若様の仰る「なんか幼稚なトリックだな。今時、推理小説でも使われないような…」とか伏線張られまくりでゾクゾクします。

とにかく『ジョーカー 清』は伏線のオンパレード。人間を書くために(?)書かれている意味無さそうな描写も全て伏線でございますので、皆様ご注意を。

そうそう、いつも読んでいて違和感を感じるのが龍宮が「スラリとした長身」だという事実。童顔=低身長=龍宮可愛い♥イメージの私としては意外すぎて脳内からいつも抹殺。脳内映像化するときは若様の方がいつも龍宮を見下ろしております。あれ?漫画版はどうなってたかしら?そのあたり原作に忠実?いま確認してきました、若様の方が背が高い。やっぱりね!私の脳内映像化はこの漫画の影響をかなり受けております。今度この漫画版のレビュもおまけと称してやってしまおうそうしよう。なんてったってオリジナル結末だし。

私はもう『ジョーカー』を幾度と無く読んでいるので、下巻である『涼』で誰が殺されて誰が犯人として指摘されどんなトリックを清涼院氏が仕掛けてくるかを把握しているのですが…次回の冒頭シャウトはもう決まっているんだ。次回のレビューは某様いっぱいでお送りする予定。

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2009/04/05

『コズミック 流』 清涼院流水

コズミック 流  /清涼院流水/〔著〕 [本] コズミック 流 /清涼院流水/〔著〕 [本]
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犯罪予告状

今年、1200個の密室で、1200人が殺される

誰にも止めることはできない

密室卿

開幕でございます。

私が「JDCシリーズ」に手を染めたのが高校生の時。後に改題されましたが『カーニバル・イヴ』を読んだのが大学受験後だったのを鮮明に記憶しているので…かれこれ○年前。○は1桁と2桁の狭間、時が移ろうのは早い。

本作『コズミック』は文庫化の際に『コズミック 流』と『コズミック 水』に2分割され、間に『ジョーカー 清』『ジョーカー 涼』を挟むという清涼IN流水の形を取っております。この形で2作を読むと「生涯で未体験の刺激」を得れるという眉唾モノ…『ジョーカー』を「JDCシリーズ」ベストとする私は、『ジョーカー』単体での再読は幾度と無く繰り返しておりますが、この形で通して読んだことはなく。今回は清涼IN流水で読み、レビューもその順とさせていただきます。

というわけで『コズミック 流』。マスコミ各社、警察庁、日本探偵倶楽部(JDC)に一斉送信された犯罪予告状。「今年、1200個の密室で、1200人が殺される」という犯罪史上類を見ない荒唐無稽さ。1年365日、1日あたり3人強が密室で殺されるなんて…ジョークにもならない。けれど、発信者にして犯人“密室卿”はそれをやり遂げるべく、総代・鴉城蒼司率いるJDCをそれを食い止めるべく、頭脳と頭脳の戦いは始まる…といった内容でしょうか(笑)つい自然と(笑)が入っちゃうのはご容赦ください。

とりあえず『コズミック 流』で披露される密室は19。基本的に19の密室が完成される様が描かれているだけであり、JDCの面々は殆ど登場しないのでレビュすることは多くありません。ので、今回は

私のJDC愛を語らせていただこうかと(笑)

これまで「JDCシリーズ」のレビュはしてこなかったのに、当ブロ愚内に幾度となくお名前が登場しております龍宮城之介がマイ・フェイバリット・JDC探偵です。黒服に黒ズボン、黒ブーツ、黒マント、黒フェルト帽、黒手袋と真夜中に女性の後を歩いたもんなら一発アウトな彼ですが、中身も相当キテます。とりあえず駄洒落(?)オンパレード。『カーニバル』の大事なところで駄洒落オチかましたことは未だに忘れられません。それが場を和ます彼の才能だったとしても!!どうも九十九十九を登場させるまでのピエロ的役割しか与えられていないような気のする龍宮が不憫で大好きです。

そして九十九十九。世界に7人しか存在しないDOLL(国際立法探偵機構)のS探偵にして、絶世の美人。警察庁からサングラスの着用を義務付けられているのは、あまりの美しさで(通りすがりの)人々を失神させないように。どんだけ(笑)そんな十九は、推理に必要な手掛かりが全てそろうと、一瞬にして真相を悟ってしまう、という「神通理気」の使い手なので登場はいつも最後です。というか、ある程度事件が進まないと(手掛かりが得られないと)犯人指摘できないので…あれ?名探偵なの?

そして、この2人をサポートする(えっ?)JDCの面々。基本的に私は霧華舞衣、若様を代表する幻影城出張組が好きなので、『カーニバル』以降に登場するサムダーリン雨恋ちゃんやクリスマス・水野は苦手。クリスマスについては漂馬の件と無関係とは云い切れませんが。でも、私がJDCメンバの中で唯一「嫌い」と表現するのは星野多恵だけなのです。それだって、龍宮の件が無関係とは決して云えないんだけれども。

というわけで、奇人変人オンパレード、特殊ルビオンパレードの「JDCシリーズ」。読む人を選ぶシリーズだと思いますが、西尾維新に多大な影響を与えた本シリーズ、西尾作品スキーならきっと大丈夫(小声)是非、挑戦くださいませ。

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100000HIT御礼レビュ

昨日ひっそりこっそり100000HIT越えたみたいです。今日まで気が付かなかった駄目な仔。

ご来場くださった全ての皆様、
どうもありがとうございます!!

とりあえず100000HIT気分一新テンプレ変更して(当ブロ愚初めての空テンプレ。どんどんシンプルになっている…良い傾向だなんせ読み易い)特別レビュのスタートです。右サイドバー掲示板で企画案募集したりと色々考えたのですが、今回は

JDCシリーズ~コズミックから彩紋家まで~

でゆこうかな、と。「天才龍之介シリーズ」をリクエストしてくださったソキウスさん、すみません。「龍之介シリーズ」を採用できなかった理由はただひとつです。

手元に全巻揃っていない

JDC読み終わったころには「龍之介シリーズ」揃えられると思うので、御礼第2弾として一気読みさせていただきますのでご容赦ください(土下座)

というわけで、しばらくは をお愉しみくださいませ。

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2009/04/04

『思考機械の事件簿Ⅰ』 ジャック・フットレル


2プラス2は4だよ、ハッチ君

それもときどきではなくて、

いつ、いかなるときにもだ

ときどき自分の脳内連想ゲームはどうなっているのか疑問に思うことがあって。『推理作家になりたくて 謎』に収録された泡坂妻夫氏「DL2号機事件」からの連想がフットレルの「十三号独房の問題」で。この「十三号独房の問題」、名作の呼び声高く読みたくて読みたくて仕方が無いのですが出遭いがなく。そもそも『思考機械の事件簿』自体が既に絶版、古書店で買い求めるしかなく未だ出遭えず、今日は図書館様にお世話になったのです。

というわけで、ホームズのライヴァルとの呼び声高いオーガスタス・S・F・X・ヴァン・ドゥーゼンが本シリーズの名探偵役。哲学博士、法学博士、王立学会会員、医学博士などなど多数肩書きを所有し、素人にも関わらずチェスの世界チャンピオンを15手で詰み、「思考機械」という称号(?)を得た奇人です。冒頭でホームズよろしく、後の相棒であるハッチ記者のバックボーンを当ててみせた思考機械。まぁ、この手の推理は作者の思うまま…あわあわあわシャーロキアンに襲われる。

『事件簿Ⅰ』に収録されている作品のなかでは「情報漏れ」が好きかも。密室から漏れ出た機密情報。この情報を入手できるのは本人(依頼人)とタイプライターを打つ秘書だけ。指示が遂行されるまで本人も秘書も部屋からの外出は赦されず、絶対に情報が漏れるわけがないのに。2+2=4なので(なぜ1+1=2ではないのかずっと気になっておりました)本人が情報を無意識下でも漏らしていないなら…当然秘書が怪しいわけで。では、秘書はどうやって情報を外部に伝えたのか?

思考機械の取り組む謎(解)はシンプルなものが多くって。派手な捕り物劇はなく、そこにあるのはロジックだけ。ロジック最強。最近の犯人たちは自分の力(知能)を誇示し過ぎですね、「実際に偉大な犯罪者は、絶対に発見されぬものです。なぜかというと、偉大な犯罪そのものが-つまり、彼らの犯行が-明るみに出ることがないからです」

「いま、この部屋で、あなたを殺すこともできます」
「そしてそれを知る者は一人もありません。疑われることもないのです。なぜでしょうか?ぼくはミスをおかさないからです」

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2009/04/03

『荒野』 桜庭一樹

荒野 Book 荒野

著者:桜庭 一樹
販売元:文藝春秋
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世界とは?

人間とは?

青春とは?

青年は荒野に旅立つ

『赤朽葉家の伝説』と『私の男』を読み残している私。桜庭氏の表面だけを攫っている感が否めませんが、狂気を孕む物語って苦手なので。でも、本作『荒野』はなかなか。装丁も素敵。

本作は山野内荒野が少女から女性へと…違うな、子どもから少女へと成長を遂げる物語。そこには恋があって、友情があって、家族があって。少しだけ複雑な恋、少しだけ複雑な友情、少しだけ複雑な家族。でも、全ては微妙なバランスで成り立っていて。

微妙なバランスを軽快に痛快に描く桜庭氏の筆力はさすが。これまで読んできたどの桜庭作品よりも爽快。けれど、どうしても外せない奥底に潜む狂気。異性を愛したり、友人を愛したり、家族を愛したり。それって当たり前のことで、誰しもが現在進行形で経験していることだけれど…そこにこんな狂気はあるのかい?当たり前すぎて、体に馴染みきっていて、気付いていないだけ?それを桜庭氏は真っ向勝負で切り捨てるから、私たちはそこに痛みを感じるの?畏れを感じるの?

個人的には荒野と悠也の吊り橋効果が気に入っていて。悠也がきちんと想いを秘めたまま帰ってきたのは意外で。荒野に教えてあげたい「変わらないものなど無い」ことを。荒野だってこんなに変わったのに。

普段からミステリを愛好している私は、物語にオチとかまとめとか総括を求めてしまう癖があって。基本的にオチのない(なかったですよね?)本作をどう評価したら良いのかわかりません。最後の1頁までどんなどんでん返し(オチ)が来るのか!?と構えながら。この癖、直した方が良いですね純文学方面に弱くなる。

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2009/04/02

『推理作家になりたくて 謎』

推理作家になりたくて〈第6巻〉謎―マイベストミステリー Book 推理作家になりたくて〈第6巻〉謎―マイベストミステリー

販売元:文藝春秋
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推理作家になりたくて

推理小説を貪り読んだあの頃

自薦短編と大好きな短編を推理作家がご紹介

泡坂妻夫氏の訃報を聞いて、「DL2号機事件」が読みたくなって。『亜愛一郎の狼狽』も所有してはいるのだけれど…せっかくなら有栖川有栖氏や法月綸太郎氏の作品も読める本短編集で、と。

とりあえず冒頭、有栖川有栖氏の「望月周平の秘かな旅」から。タイトルから丸判りですが、学生アリスシリーズ望月周平スピンオフ(?)作品でございます。学生アリスシリーズの短編はこのトリアタマが記憶しているだけでも4編になるので…そろそろ短編集が出てもよろしいのではないかと思うのですが如何でしょう有栖川氏?とにかく、少しセンチで少しミステリな本作。ミステリ部分については江神さんが早々に解かれたようですが(というか誰でも解かる…しかし正解はない)それに沿ってモチさんがとった行動が。いつもの元気なモチさんとは少し違ったセンチな1作。

そして登場順、次に惹き込まれた作品が小杉健治氏の「原島弁護士の処置」。小杉氏、地味に読んだこと無くてそれでも逆転裁判が大好きな私としては、法廷モノミステリも良いな、と。法廷モノってどうしても映像作品の印象が強い。読者を法廷内で驚かそうとすると、どうしてもアンフェアな書き方になるんじゃないだろうか、とも思うし。でも、論理を築き上げるという意味では最高の場所、シチュエーションだよな…と妄想すると新ジャンル開拓できたようで嬉しい。法廷ミステリ、読みます。

そして、泡坂妻夫氏「DL2号機事件」。“日本のチェスタトン”の異名を取った泡坂氏の訃報。ブラウン神父よりも亜愛一郎を手に取ったのが早かった私としては、逆説といえば泡坂氏なんです。って、本作が逆説バリバリか?と問われるとそうでもないんですが。でも、久しぶりの亜愛一郎は至福でした。泡坂氏のご冥福をお祈りいたします。

ところで、「DL2号機事件」からもれなく「DL6号事件」を連想してしまう私はどんだけ逆転裁判スキー?

あと、泡坂氏を推薦(?)した加納朋子氏の「最上階のアリス」も愉しませていただきました。さすが貫井徳郎氏の嫁(笑)

そういえば本短編集には江戸川乱歩の「挿絵と旅する男」も収録されていて。坂木司氏の『先生と僕』を読んだときに、「挿絵と旅する男」を再読したいな…と思ったのが脳内に残っていて。それが本短編集を選んだ最大の契機だったかもしれないですね。

って、法月綸太郎氏「ロスマク」レビューしてない!!っていうか、今日はレビューというより思い出話ばっかりだ。でも、この『推理作家になりたくて』は第6巻が最も素晴らしいと思います。いろんなミステリが読みたいわ、という方にお薦め。本当にいろんなジャンルのミステリが詰まってます。ナビ本としてどうぞ。

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2009/04/01

『十字架の少女』 若木未生

十字架の少女 ハイスクール・オーラバスター  /若木未生/著 [本] 十字架の少女 ハイスクール・オーラバスター /若木未生/著 [本]
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少女の背負った十字架は

罪の証?それとも赦し?

諒の過去が明らかになるオーラバ第3弾

1時間の気分転換オーラバ再読中。アフィリの表示非表示はどんなルールなんでしょうか?古いとか絶版とか関係ないような気がしてきた…在庫の有無?ならば1990年発行の本作を在庫として持っているセブンアンドワイは凄いな。って、どうも良いことから始めるのはミステリスキーとして悔しいからです。

本作は諒の過去を主題に。優等生な諒ってあまりイメージ湧かないんですが…苦しみをストレスを発散できずに妖の者に憑かれた過去の諒、そして家族の死。唯一の生存者、唯一の希望、妹の彩ちゃんが今回のゲスト(?)キャラ。どうやら彩ちゃんも術者のようですが…私が読んだことある巻までに彩ちゃんが術者として活躍した巻は無かったように思いますが。その後バリバリ活躍してくれてるのでしょうか?でも「静」の術者なのか…っていうより諒と和解してもらわないと(それが一番難しいから)。

って、牙ですよ。このレビューは紹介というより個人的備忘録なので(懐かしい久しぶりに読んでみようかなオーラバ、と思っていただけると至極だけれど)予告なしにネタバレしてます。って、伽羅王の遣いである牙ですよ。またもや新たな力を自陣に引き込んだ伽羅王ですが…

「犠牲は免れぬでしょう…彼らの内には」
「やむを得ぬ」

って!そうまでして妖の者…っていうか九那妃に一矢報いなくてはなりませんか。本当にこの夫婦にはどんな因縁があるんだか。再読&途中からはじめましてが俄然愉しみです。

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