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2009/03/31

『生首に聞いてみろ』 法月綸太郎

生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2) Book 生首に聞いてみろ (角川文庫 の 6-2)

著者:法月 綸太郎
販売元:角川書店
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切断された石膏像と、切断された生首

首の上、秘められたものとは?

2005年ミステリ界を風靡した法月綸太郎代表作

ワントリックもののミステリは風化してしまうけれど、ロジックに足を着けたミステリは風化しないのだな、と思った再読通勤本。一度読んだはずなのに、実に愉しませていただきました(トリアタマによる犯人忘却は秘密)。

本作、相当長く相当厚いのですが、無駄な箇所はそうそう無く。綸太郎のああでもないこうでもないは健在。でも、いきなりピコーンと閃いて「犯人は貴方だ!」とかやられるより、ひとつひとつ可能性を潰して、ときには犯人の掌の上で騙され欺かれながら、唯一といえる真相に辿り着く…その過程を愉しみたいときってのがあるんです。本作はまさにその過程を愉しむ1冊。綸太郎(登場人物の方)がやけに人間臭い、ときには(いつもか?)それが良いのです。

本作はもう各所でレビューされ尽くしていて、いまさら「やれトリックが~」とか「やれロジックが~」とかの検証は不要かと。というか、

読めば判る

ので。回収し損ねた伏線もないでしょうし。綸太郎と同じ過程で犯人まで辿り着けると思います読者も。親切な本格ミステリ。

なので、読書中に私が猛烈に気になったポイントを。それは妻の自殺に心を痛める各務に対して放たれた法月警視のこんな一言。

「私の家内も同じ死に方をしましたから」

えっ?初耳です。法月綸太郎シリーズはエラリー・クイーンへの強烈なオマージュなので、母親が居ないことを気に掛けたことも無かったのですが(まるでそれが当たり前のように)、そうですよね居ますよね母親。でも、その母親が病死でも事故死でもなく自殺って。綸太郎が母親に関して述べた作品(箇所)って他にありましたっけ?少なくとも私のトリアタマデータベースには残っておりません。だって、母親が居ないのなんて当たり前だと思っていたので…この件、いつか描かれますか?それとも本家と同様藪の中ですか?

しかし、綸太郎と警視(父親)の関係は作品によって随分違いますね(本家同様)。絶大な信頼を寄せてみたり、邪魔者扱いしたり。「今回のふたりはどんな関係かな?」と思いながら読むのが最近の愉しみ方だったりします。

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2009/03/30

『短劇』 坂木司

短劇 Book 短劇

著者:坂木 司
販売元:光文社
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ささやかな悪夢を、お目にかけましょう

…醒めないかもしれないけれど

坂木司が贈る、奇想短編集

「本が好き!」で連載された坂木司氏のショートショートをまとめた奇想短編集。収録されているのは26作品、恋愛あり、コメディあり、ホラーあり、悪夢あり。坂木氏の引き出しの多さを実感する1作。

個人的には冒頭「カフェラテのない日」と「雨やどり」が好きで。個人的坂木ベストが『シンデレラ・ティース』な私としては、もっと坂木流恋愛小説が読みたかったのだけれど…恋愛モノはこの2編だけでしたね残念。「カフェラテのない日」に登場するバリスタは格好良すぎで胡散臭さ抜群。「雨やどり」に秘められた想いとパイナップルは痛過ぎて。でも、出来れば長編に仕立てていただきたいものです「雨やどり」。

あとは基本的にホラーが多いような。後味の悪い気味の悪い気持ちの納まりの悪い作品が続きます。坂木氏らしくないと云えばらしくない。でも、人間誰しもこのくらいの“悪”は心に秘めているもので。ここまでの数を一気に披露されると若干うんざりしますが、連載として定期的にエッセンスとして読むならば、上質。でも、ホラー作品からタイトルを挙げてレビューを披露したいと思うような名作は見つけられませんでした残念。

あとがきで示された「この本の中で、なぜか繰り返し出てくるモチーフがあることを」。すぐには想起できなかったのだけれど、そのモチーフとは○ですか?人は○を見る度に、それを覗き込まずには、それに手を差し込まずには、その先にあるものを思わずにはいられない。そんな不思議な○に堕ちる日がやってきたとしたら?

って、書いてみましたが…坂木氏の狙いを○から拾い上げることはできませんでした。私ってばダメ読者。

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2009/03/29

『銀河不動産の超越』 森博嗣

銀河不動産の超越 Book 銀河不動産の超越

著者:森 博嗣
販売元:文藝春秋
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この銀河不動産という会社はどんなところですか?

うちの大学から行くようなところではない

悪いことは言わない、ここだけはやめておけ

森博嗣引退カウントダウンは15ですが、地味にまだ読めていない作品は15以上あって。そんな読めていなかった(というか、あまり話題にならなかったので出版されたこともよう知らなかった)1作が『銀河不動産の超越』です。

帯の「“省エネ青年”の運命がある日、一変!」を確認し、あら?小市民に続き古典部新作?と思ったのは内緒。でも、森博嗣版古典部は省エネをモットーとしておきながら厄介事についつい首を突っ込んでしまう…こともなく、本当に省エネでした。奇人変人を寄せ付ける力はお持ちのようですが。

個人的には「銀河不動産の忌避」のサブワーキングの件が好きです。議長選出とか素晴らしいセンス。森博嗣引退が急に寂しくなる瞬間。でも、やっぱり登美子さんと結婚とか子作りとか強引過ぎると思うんだ。あの部屋に奇人変人が一時的に集まるのはわかる、でも登美子さんの一件は次元が違うと思うんだ。

というわけで、森博嗣的素敵センテンスを愉しむ1冊で、内容を吟味して愉しむ1冊ではないでしょう。往年の森ファンならきっと愉しめる、でも本作から森博嗣に入る人には向かない「えっ?これってジョーク?」状態かも。

ミニチュアの件は…うん、そういうこともあるかもね。

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2009/03/28

『別冊 図書館戦争Ⅱ』 有川浩

別冊 図書館戦争〈2〉 Book 別冊 図書館戦争〈2〉

著者:有川 浩
販売元:アスキーメディアワークス
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図書館シリーズスピンアウト第Ⅱ弾

えっ?今度は手塚♥柴崎!?

これを読まずしてなにを読む

逃亡中に読んだので未レビューだった本作。昨夜、

ゲロ甘を寄越せぇ!!!!

と禁断症状が出て、そのまま朝4時まで…そうだった、第Ⅱ弾は決してゲロ甘とは云えないんだった。

収録された物語はざっくり3篇。第Ⅰ弾で堂上に土足でデスクに上がられた緒形副隊長の「もしもタイムマシンがあったら」と、堂上&小牧がとにかく可愛らしい「昔の話を聞かせて」、そしてとにかく痛い「背中合わせの二人」。とりあえず甘いところからレビューいきましょうか。

「もしもタイムマシンがあったら」はまさかの緒形副隊長。第Ⅱ弾は玄田♥折口がくると思っていただけに意外。でも、緒形副隊長素敵すぎるまさに漢。喧嘩屋中年がアレなだけに(笑)図書隊の渋いところを一手に引き受けている感のある緒形副隊長。ごめんなさい緒形副隊長が元・良化隊員だって知りませんでした本編でそんな記述ありましたっけ?本編は堂上♥郁のゲロ甘っぷりしか記憶にないもので(酷)そんな緒形副隊長が情けなくも傷つけてしまった女性を想う本作。「心が振れない」って表現が素敵。有川嬢の恋愛表現はいちいち素晴らしい。真似したい。でも、一番私の心を振ってくれたのは緒形副隊長と進藤一正の「あんたは図書隊に人間だ」なんですが。

そして「昔の話を聞かせて」。郁からすれば完璧人間な堂上&小牧にも若かりし頃はあるわけで。堂上を班長に据えて、小牧がそのサポートに回るという図式が確立した現在では信じられないチグハグなふたり。昔の堂上が郁のようだった、というのは何度も語られていて第Ⅰ弾で指揮権置忘れる件からも納得なんですが、小牧が意地になって時計と睨めっこなんて…想像できない。いや、鞠江ちゃん関係になると小牧別人になるからな今回も新人に「殺すよ?」とか云ってたしな。正論ドコイッタ?

でも、やっぱり私は小牧が好きなようで(石田ボイスが影響を与えていないと云ったら嘘になる)さっきDVD第3巻に収録された「恋ノ障害」を動画サイトで視聴してきちゃいました。あの名言「もう子供に見えないから困ってるよ」はもちろんですが、堂上班が駆け込む直前の小牧の独白と、鞠江ちゃんの姿を確認したときの爽やかすぎる笑顔に胸キュン♥

って、突然「恋ノ障害」の話なんかを始めたのには訳があって。それはもちろん「背中合わせの二人」がとんでもなく痛いから。手塚♥柴崎は勝手に大人の駆け引きラヴが来ると思っていたのでまさかの。「柴崎が美人なのは柴崎のせい」じゃないのに、図書館シリーズに登場した誰よりも痛い思いをしたに違いない柴崎。なまはげ(笑)の全身蜂の巣は物理的に痛いだけであって、精神面の痛さは量れないから。

だから、ラストで手塚と結ばれたときの柴崎はまるで別人で。極度の緊張と屈辱が柴崎を病ませたのだとは判っていても、どうしても別人のようで。大人ラヴを期待するような浅はかな私の妄想の斜め上を飛んでいった柴崎。まさか柴崎があんな風に子どものように泣き叫ぶなんて。そのくらい退化しないと心情を吐露できないところに自分を、柴崎麻子というブランドを造り上げてしまった弊害かもしれないのだけれど。とにかく、しあわせになってねと声をかけることしかできない、ゲロ甘どころかゲロ重だった(有川嬢の旦那様曰く「後味があまりにも気持ち悪くて」納得)「背中合わせの二人」。

一番ほんわかできたのはブーケを受け取った鞠江ちゃんの頑張りと、それを温かく見守る小牧。やっぱり小牧が好きなんだわ私。

これで図書館シリーズは本当に終焉なんですよね?本当に本当に寂しい勿体無い虚しい。また書きたくなったらいつでも戻ってきてください有川嬢。また動きたくなったらいつでも戻ってきてください図書隊の皆。素敵な作品をどうもありがとうございました。

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2009/03/27

『セイレーンの聖母』 若木未生

セイレーンの聖母 ハイスクール・オーラバスター  /若木未生/著 [本] セイレーンの聖母 ハイスクール・オーラバスター /若木未生/著 [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
セブンアンドワイ ヤフー店で詳細を確認する

セイレーンは美しい歌声で航行中の人を惑わす

それは幼い頃の記憶

覚えていないけれど、なぜか温かい子守唄

セブンアンドワイでいつもの形態とは違うとはいえアフィリが出るんです。ミステリのどんだけ過疎なことかよよよ。というわけで、ときどき混じるハイスクールオーラバスターレビュー。1時間少々で読めるので良い気分転換になります。

今回は希沙良&十九郎が主役で。あとがきで若木未生嬢自身が仰っているように「前回のと二冊あわせてようやくシリーズの序章」がまさに。空の者の寿命のこととか、空の者が妖の者を喰って生きているとか、九那妃に伽羅王に…うわぁキーワード満載。私も途中でリタイヤした口なので、全貌は知りえてないんですが…知った上で読むとどれだけ伏線張られてるんでしょうか!

女性キャラは断トツで冴子さんスキーなんですが、男性キャラは迷うところです。昔は希沙良が好きだったんですが…歳をとって好みが変わったのか今回は十九郎が好きかも。希沙良や諒にはまだ「子どもっぽさ」が残るから。それが成長の物語であるオーラバの醍醐味なのかもしれませんが…ツマラナイオトナになったようでなんだか哀しい。

って、今回は(も、か?)忍様最強!オチで。「伽羅王自らの手により封じられるに値する者とも思えん」ってどんだけS!!そういえば十九郎もSですよね。冴子もS…なんだ私の愛情は同族愛か?

とりあえず、作者自ら「シリーズの序章」と言い切っておりますので、トップ3が出てこようが序章は序章。もうすっかり忘れているので、これからの展開が愉しみ愉しみ。

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2009/03/26

『心霊探偵八雲4 守るべき想い』 神永学

心霊探偵八雲4  守るべき想い (角川文庫) Book 心霊探偵八雲4 守るべき想い (角川文庫)

著者:神永 学
販売元:角川グループパブリッシング
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教育実習で出逢った呪われた少年

その少年に八雲を重ねる晴香

晴香は少年を、八雲を救えるのか

一気読みも4巻にもなるとしんどい。展開が一辺倒なだけにしんどい。文庫になっているのが4巻までで良かった。しばらくは八雲は良いです、はい。

今回は呪われた少年を主題に。晴香は少年に八雲を重ね、八雲は少年に晴香を重ね。事件はいつもよりも手が込んでいて、入り組んでいたような。けれど、その糸を引いていたのはいつもの両目の赤い男=八雲の父親ではなく…

八雲の姉ってマジですか?

想定外想定外。悪はひとりで良いのではないかと思うのですが。

今回は八雲の悪態も活躍も薄かったですし。後手に後手に回った印象。晴香のピンチに颯爽と現れ…たようにも見えなかった。早くも八雲♥晴香のラヴ模様の方が気になるようになってしまった危ない危ない。

そういえば、一心さんはなにを言おうとしたんだろう。幽霊が見えてしまう八雲にとって一心の家に帰るのは辛い…けれど「今日はある人の命日なんだよ」、誰の?情報が小出し小出しで忘れそうです。備忘録と化しつつあるな、このレビュー。

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2009/03/25

『心霊探偵八雲3 闇の先にある光』 神永学

心霊探偵八雲3  闇の先にある光 (角川文庫) Book 心霊探偵八雲3 闇の先にある光 (角川文庫)

著者:神永 学
販売元:角川グループパブリッシング
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飛び降り続ける女性

彼女はなぜ死を迎えられないのか

彼女をこの世に縛り続けているものとは?

「心霊探偵八雲シリーズ」一気読み。先程4巻も読み終えたので、文庫化している分まで一気読みレビューできそうです…が、どんどん読むのがしんどくなる罠。なんだろう、こんなに読み易いのに…展開が一辺倒だからか?

今回は婦女暴行事件を主題に。このシリーズはホラーではなくあくまでもミステリなので、事件を起こすのも解決するのも人間。今回は強姦魔を陥れるべく一致団結した被害者(周辺人物)分けが鍵なのですが。

霊媒師って怪しすぎませんか?

しかもまさかの被害者サイド。読者をミスリードすべく登場させて、実は無関係だったんです引っ掛かりました?がミステリのお約束かと思いますが、今回は捻りなくストレートに読めば良かった様です。

そういえば今回は警察の事件握りつぶし…なんていう一面もあったんでしたっけ。忘れておりました。上司の井出内さんは実に嫌味なお人でしたので、いなくなっても特に寂しくはありませんが。4巻から登場の宮川さんは話わかりそうですし。八雲の過去にも関わっていそうですし…中学生八雲の遭遇した事件ってなんですか?どこで読めますか?

そうそう、今回の八雲♥晴香ですが、セクハラ?「服の上からでも充分にわかるよ」って八雲にそこまでの経験値はないと思うんですが!!このふたりの進展スピードをもう少し速めてくれると嬉しい。遅々として進まない恋愛関係は某QEDだけでたくさんです。八雲の外見描写を読む度に某タタルを思い出す。

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2009/03/24

『心霊探偵八雲2 魂をつなぐもの』 神永学

心霊探偵八雲2  魂をつなぐもの (角川文庫) Book 心霊探偵八雲2 魂をつなぐもの (角川文庫)

著者:神永 学
販売元:角川グループパブリッシング
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連続少女誘拐殺人事件発生

被害者の少女が発見された川辺で

聞こえる声、足を掴み引き擦り込む手

出先で3巻まで一気読みしましたので(3巻も読める時間があったなら、どうしてもっとたくさんの本か厚い本を持ち出さなかったのか阿呆)今日もレビューは「心霊探偵八雲シリーズ」です。

1巻と同様に短編が来るのかと思っていたらまさかの長編。なんとなく心霊探偵ってワントリックのイメージがあって、長編大丈夫?とか思っていたのですが…ごめんなさい全然いけました失礼致しました。そうはいっても、2章でこの事件は一旦終わりを迎えたんですよ。事件が続いて驚いたのは登場人物だけではない私も驚かせていただきました。短編だと思わせといて実は長編トリックってやつ?

探偵役・八雲は間違えたわけではない。確かに真相は掴んだし、犯人も指摘した…それが一部に過ぎなかっただけで。ただ、そこから真相までは一本道でしたよね、捻りは特に無く。あったのは…後味の悪さのみ。

娘を復活させるために生贄を川に沈める。冷静な頭で考えたら、生贄に娘の命が宿ったとして…再度娘が溺れてしまうことくらいわかりそうなものなのに。既に破綻した復活計画。それに気付かないのは…犯人がもう正常ではない証。そもそも死者が生き還ることなんて有り得ないのに。犯人は人よりも死に携わる機会が多かったはずなのに。どうして自分にだけ奇跡が起こるだなんて思ってしまったのだろう。

それを思わせたのが両目の赤い男=八雲の父親なのでしょうけれど。その目的は?単行本最新巻ではそのあたり明かされているのでしょうか?気になります。

ところで、晴香を助けた八雲はやっぱり格好良すぎると思う。罪。

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2009/03/23

『心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている』 神永学

心霊探偵八雲〈1〉赤い瞳は知っている (角川文庫) Book 心霊探偵八雲〈1〉赤い瞳は知っている (角川文庫)

著者:神永 学
販売元:角川書店
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呪われた赤い左目

この左目は死者を捉え

死者の声を聞く

外出先、従えていった本を読みきってしまうと途端に寂しくなるもので。今回も寂しさに負けて書店に飛び込み、前から気になっていた本シリーズを大人買い。ほくほくしながら一気に読了、あぁ面白かった。

以前、新相棒(笑)ミッチーでドラマ化した某八雲と混同せずにはおれない本シリーズ…奇人変人っぷりはどっこいでしょうか?こちらの(赤い瞳の)八雲もドラマ化するならミッチーが相応かと思います。寝癖さえ直せば男前なのでしょう…って、高田さんとこのタタルさんもそんな設定じゃなかったかしら。ってことは、タタルもミッチーが相応ってことに?

って、お約束のように脱線失礼しました。本作はシリーズ名からして明らかなように「心霊探偵」なのですが、某陰陽師や霊媒師のように「ぬぉぉぉぉぉぉぉ」と幽霊に真っ向勝負を挑んで除霊する…といった展開ではございません。本シリーズにおける幽霊とは死者の想いであって、死者が居るからにはその者を殺した生者が居るのであって。ご都合主義的に死者が「私を殺したのは○○で~」と明かしてくれることもなく、あくまでも死者の想いと状況から犯人を指摘してゆく歴としたミステリでございます。

シリーズ第1巻には3つの短篇が収録されていて。探偵役・八雲と八雲曰くトラブルメーカー・晴香との出逢いが描かれているのですが…このふたり良いですね。無関心を装い人との交わりを避けたがる八雲と、無関心を装えず人と交わることで安心を得ようとする晴香と。八雲の不意に出る優しさは反則だと思うんだ。天然スケコマシ?

そうそう、ミステリミステリ忘れてた。ミステリ部分は素直に読めば良い難易度低め設定です。どんでん返しもあるにはありますが、ミステリスキーにとっては想定の範囲内、むしろこのくらい返してくれないと読む意味なし?でも、解決が物象からなされるというその姿勢がお見事です。霊象から犯人特定なんてナンセンス!それはミステリではなくホラーです。

とりあえず第3巻までは読了済みなので、このまま一気にレビューする予定ですが…八雲と父親の怨念とか凄く気になります。このあたりの人間関係にも深みを持たせていて、侮れないわ心霊探偵八雲シリーズ。

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2009/03/22

『秋期限定栗きんとん事件』 米澤穂信

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫) Book 秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

著者:米澤 穂信
販売元:東京創元社
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小市民を貫くべく選択した別れ

小市民を貫くべく選択した彼女

小市民を貫くべく選択した…告発

ようやく上下巻出揃いましたので、意気揚々と読書。上下分冊での出版には大人の事情が透けて見える厚さですが…内容は栗きんとんの如くどっしり。高校2年の秋から高校3年の夏に亘り、連続放火魔を追いかけた物語。

当初『秋期限定モンブラン事件』だったはずが、いつの間にやら『秋期限定マロングラッセ事件』となり、結局は『秋期限定栗きんとん事件』に落ち着いた本作。もちろんマロングラッセと栗きんとんの違いはわかりません。でも、相変わらず小山内のチョイスするスイーツは美味しそうだ。

今回『上巻』は小鳩くんの新しい彼女をメインに据えて。「あたたかな冬」で演じた座席争奪戦については…私もよくやります地下鉄での座席奪い合いあぁ小市民たる証。あの局面を「こうした思考の過程を、仲丸さんはわかってくれるだろうか」「あ、ラッキー」と描く米澤氏は巧いと思いました。決定的な相違。

そして、その相違がさらに顕著な「とまどう春」。仲丸さんの兄貴宅に押し入った泥棒。この一件の顛末…素敵です。不動産屋から帰った兄貴を迎えたのが「泥棒」であった、という結末を言い当てることは小市民でも充分可能だと思うのですが(物語には山が必要ですからね)、泥棒が室内に侵入した理由を言い当てるのは…仲丸さんがひいてしまうようなことなのでしょうか?私だったら興奮してしまうだろうに。小市民代表ならここはひくべき?うーん、難しいな小市民。

そして『下巻』。一連の連続放火魔事件は「情報操作で片がつく」と云い切った小鳩くん。どんな柴崎麻子っぷりを披露してくれるのかと思いきや…地味!地味!!いや、もとより情報操作とは地味なもので、派手な情報操作は情報操作ではなく公開捜査なわけですが。大変だったろうに、五日市くん。

でも、そんな五日市くんが最後に寄せたコラムは印象的でした。「友達が大騒ぎするのが面白かった」というコメントは辛辣ですね悪意の塊だ寒気がします。小山内さんにもこてんぱんにやられたのに…不憫。しかし米澤氏巧いな、と思ったのは、「籠絡とか懐柔とかはぼくの専門じゃない。そういうのは…」と小鳩くんに言わせておいて、実際に小山内さんのその手際の良さを後に披露してくれること。瓜野くんクラスの小市民なら罠にかかるわ、そりゃ。

というわけで、なかなか愉しませていただきました『秋期限定栗きんとん事件』。やっぱり小山内さんは黒い。「恋とはどんなものかしら」なんてフィガロってる場合じゃないです、「他愛ない」なんて発する機会私には一度も巡ってこないだろうな…ははは。小鳩くんと小山内さんの関係がどう終幕するのか『冬期限定』が愉しみ。ところで冬のスイーツってなんでしょうね?炬燵でみかんでしょうか?

秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6) Book 秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)

著者:米澤 穂信
販売元:東京創元社
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2009/03/21

『1/2の騎士』 初野晴

1/2の騎士 harujion (講談社ノベルス) Book 1/2の騎士 harujion (講談社ノベルス)

著者:初野 晴
販売元:講談社
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戦う私の側には、いつもサファイアがいてくれた

サファイアがいてくれたから、私は頑張れた

だから、どうか、消えないで

『退出ゲーム』で新境地を拓いた感のある初野晴氏、講談社ノベルス進出作品です。本作は『退出ゲーム』ほど軽くなく、『水の時計』『漆黒の王子』ほど重くなく、でも、悪くない。

物語は、とあるマイノリティ代表のマドカとサファイアとの出逢いから始まる。サファイアに懐かれてしまったマドカが、生粋の正義感でドッグキラー、インベイジョン、ラフレシア、グレイマンから街を、仲間を、自分自身を守るために戦う…もちろん戦うと云っても本作はファンタジーであってもファイター(戦隊)モノではないので、その戦い方はミステリ。

個人的には序盤戦・ドッグキラーとの戦いが好きかも。大切な人を守るために沈黙を守る少女と、大切な人を守るために吸入器を握り締め走り続ける少女と。思うように走れない自分自身に戸惑いながら、サファイアとの関係にも戸惑いながら、試行錯誤で辿り着いたドッグキラーの言葉「言葉が通じないのは、お前ら多数派のほうなんだよ」

マジョリティとマイノリティ。人は誰しもマイノリティたる一面を持っていて、その部分だけを切り取れば誰しも独り。それを強烈に強固に強靭に強行してしまった狂人が本作の犯人たちで。

って、全く意味のわからないレビュー。この作品、表現するのが凄く難しい。ミステリなんだけれど、登場するのは猟奇殺人犯なんだけれど、主人公であるマドカは全能の探偵ではなく。サファイアをはじめとする仲間がいて、運を味方にすることができて、初めて真相に到達できる。マドカとサファイアと…登場人物全員の成長の物語。

だから、後半になればなるほど冗長に感じるのは残念。マドカの騎士としてのサファイア、その秘密が明らかとなったときに少しだけ感じた感動と絶望。マドカの戦いはこれからも続く。でも、きっと大丈夫だよね?

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2009/03/18

『千里眼の復讐』 松岡圭祐

千里眼の復讐 (角川文庫) Book 千里眼の復讐 (角川文庫)

著者:松岡 圭祐
販売元:角川グループパブリッシング
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地獄絵図

見たいとも思わなかったけれど

それはきっと…ここのことを指すのだろう

期待を裏切らない
お馬鹿エンタテイメント!!

褒めてます。これでも精一杯褒めてます。今回も凄い愉しませていただきましたありがとうございます。

岬美由紀の超人っぷりはいつものことですが、今回は設定も凄い。いや、これまでだって充分に凄かったんですが…今回は一般人を巻き込んで撒き込んで一体何人死んだの?というテロルっぷりです。いやぁ、凄い。

首都高山手トンネルで起こった爆発事故。事故というよりテロなんですが、とにかく崩落によりトンネルから出られなくなった人々。死傷者が折り重なる中…送り込まれたイリミネーター=殺戮者たち。イリミネーターはプロレタリアート・ブルジョワ・ジェントリの3階級に分かれており…当然、階級が増す毎に強くなる。階級が増す毎に必勝法が無くなる。階級が増す毎に死に近づく。

もちろん我らが岬美由紀が立ち向かうわけですが。これまで岬美由紀を助けてくれた蒲生や嵯峨はここには居ない…でも、ご都合主義的に(笑)いろんな特殊技能を持った人間が現れては美由紀を助け、ひとりひとりと散ってゆくのでご安心ください。

って、こんなおちゃらけたレビュー書いてますが、地味に感動して涙しそうになった箇所が。出産シーン、ジェントリからひとりの妊婦を助けるべく自然と出来上がった人垣、新しい命。ここは凄い、松岡氏ってジェントリから妊婦を守ったことあるんですか?ってくらいの臨場感。美由紀の頑張りは「彼女は超人だから」「彼女は英雄だから」で済ましてしまうのですが、平凡なモブでしかない人たちの頑張りには…心揺さぶられました。感動します、本気で。

それにしても…

14歳の少年とフォーリンラヴ

ってのはどうなんでしょうね?あらゆる学問に長けた心理学の専門家も、恋愛経験だけは中学生並みってことでしょうか?美由紀の唯一の弱点、それが恋。ごめんなさい、嗤うところじゃないんだけど可笑しくて。美由紀は嵯峨と恋仲になるんだと(勝手に)思っていただけに驚愕です。

ところで友里との決着は旧シリーズで完結するのでしょうか?新シリーズもこのネタですか?

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2009/03/17

『天使はうまく踊れない』 若木未生

天使はうまく踊れない―ハイスクール・オーラバスター (集英社文庫―コバルトシリーズ) Book 天使はうまく踊れない―ハイスクール・オーラバスター (集英社文庫―コバルトシリーズ)

著者:若木 未生
販売元:集英社
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未知との遭遇

未知との邂逅

未知なる力を発揮せよ

まさかアフィリが表示できるとはっ!?メフィスト賞受賞作でさえ軒並み非表示なのに…どんだけ人気無いんだミステリ。

というわけで、中学生に戻った気分で(まさかの二桁)再読してみましたハイスクールオーラバスター。契機は仙台旅行…もう歩けないしんどい、と弱音を吐いた我々の前にそびえ立った漫画喫茶。そこで杜真琴さんの漫画版を発見したものですから。しかし、漫画版は何度読んでも諒と希沙良の区別が付かない…合掌。

そんなわけで1時間ほどで読めてしまった『天使はうまく踊れない』が本日のレビュー。『天冥の剣』あたりで読むのを止めてしまったので、高河ゆん版は一度も読んだこと無い。そんな俄ファンですので、空の者vs妖の者がどうなったのかは知らず…というか完結していないんですよね?

とりあえず簡単に解説すると、空の者と妖の者が戦うティーンズ向けのファンタジー小説です。アフィリで丸判りだと思いますが。でも、設定や人物像がきちんとしていて深みもあって、侮れないと思うんです。ティーンズ小説だから、と切り捨ててしまうのは勿体無い。ライトノベルくらい許容されても良いのでは無いかと…十二国記だってもともとはティーンズ小説ですし!!コバルト・ノベル大賞の選考委員には北方謙三先生のお名前もありますし(笑)

って、いつものことですが全く本作のレビューになっておらず申し訳。本作は主人公たる亮介と術者一行との出逢い、そして世界観の説明に終始しておりますので、事件自体は重くなく。むしろ学ランからのぞく先輩の赤いTシャツに時代を感じました。1989年だもんなぁ。このシリーズは基本的に亮介の成長を描く物語ですが、実は亮介だけが足りないんじゃなくて、皆なんらかの傷を負っていて。それをベッタベタに寄り添いあって舐め合うのではなく、基本的には無関心を装いながら癒し合っていく様が好きです。亮介も知らないうちに諒の傷を治してあげたようですし。

よし、とりあえず出版されている分まで読んでみますかオーラバ!

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2009/03/16

『名探偵の掟』 東野圭吾

名探偵の掟 (講談社文庫) Book 名探偵の掟 (講談社文庫)

著者:東野 圭吾
販売元:講談社
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「犯人は貴方だ!」なんて宣言、

どうして皆を集めて云わなくちゃならないんでしょうかね?

名探偵も辛いんです

「ライアーゲーム」で私の心を鷲掴みにした松田翔太くんが、「TRICK」枠で、東野圭吾氏の名著『名探偵の掟』をドラマ化するって…

期待するなって云うほうが無理!!

もの凄い愉しみで愉しみで、思わず再々々々読しちゃいました。でも、何度読んでも面白い、風刺とエスプリが効いてます。

収録されているのは14の短篇(プロローグやらなんやらも含めて)。これってミステリ大好きな私にとっては、最早「お約束」との云えるトリックやネタばかりなのですが…普段ミステリを読まない方が読むと、どんな感想になるんでしょうか?風刺が風刺にならないのかしら?

そんな意味で「アンフェアの見本」はこれから初めてミステリの扉を叩こうという方にとっては鬼門。作中で天下一が申し上げている通り、

「今回のトリックは、一部の例外を除くと、たった一種類しかない。つまりこのトリックを使った記念すべき第一作以降の作品は、すべて盗作だという言い方だってできるのです」

という言葉通り。私はその「記念すべき第一作」をネタバレなしで読めたことをいまでも至福と考えていて、読書人生長いですがあの衝撃を超えた経験をしたことがない。だから、この「アンフェアの見本」で「へぇ、そういうトリックもあるんだ~」という余計な予備知識をミステリ入門希望の方に持っていただくのはしのびないのです。ミステリにどっぷり浸かる予定のない方には充分にお薦めできる内容となっておるのですが。

そんなわけで、個人的ベストを選ぶならば「トリックの正体」でしょうか(笑)「アンフェアの見本」といい、やっぱり私は叙述トリックが好きなんだなぁ。この「トリックの正体」は「明らかにお前…○だろっ!!」と犯人にツッコミを入れたくなる登場人物たちの葛藤が描かれた素敵作。これをドラマ化するときはどうするんでしょう?もの凄いおっさんを敢えてぶつけてきてくれたら本望です。

あとは密室アレルギーの天下一も素敵。「密室宣言」に現れる雪密室には秘密があって、『毒笑小説』に詳しいので、お好きな方は是非どうぞ。

あぁ、どんなドラマになるんだろう…もの凄い愉しみです。毎話毎話レビューしちゃおうかしら。ちなみの公式サイトはこちらです。

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2009/03/15

『野球の国のアリス』 北村薫

野球の国のアリス (ミステリーランド) Book 野球の国のアリス (ミステリーランド)

著者:北村 薫
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

不思議の国のアリスは知ってる

鏡の国のアリスも知ってる

じゃあ、野球の国のアリスは?

目指せミステリーランドコンプ!ということで、本日は北村薫氏の『野球の国のアリス』をレビュー。ミステリーランドと云いつつもミステリーじゃない作品も混ざっておりまして、本作はそんな非ミステリー作品の中でも1、2を争う個人的好みです。

アリスは野球の大好きな女の子。けれど、女の子が野球の世界で生きてゆけるのは…精々小学生のうち。中学生にもなれば体型だって力だって…悔しいけれど男の子には敵わない。そんなアリスの野球とのお別れをファンタジーで味付けして描いたのが本作。『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』を大胆にオマージュ、宇佐木を追って鏡の世界への迷い込んだアリス。そこは裏の世界、下手くそな野球を見世物にする世界。

もちろん野球少女・アリスが世間を「ぎゃふん」と云わせるサクセスストーリー。北村氏の筆力によるドキワクな試合展開も良し。そして、何よりも、アリスと共に戦う仲間たちの存在が素晴らしいんですよね。

アリスの女房役・兵頭くんはもちろん…

五堂くんが最高なのよ!

お姉さんキラーの中学生。ハ○カチ王子やハ○カミ王子に夢中になるオバサマの気持ちが少しだけ理解できました。五堂くんが「所詮、女のピッチャーなんて」的なことをのたまった相手チームに食って掛かるところに胸キュン。そして、帰りのバスの中…

「ほれろよ」っておいっ!この女ったらし!!

なぜアリスがこれだけ良い漢である五堂くんに惚れないのか謎。いや、惚れる日も近いと思いますけれども。

って、こんなしょーもない話をするのは是非読んでいただきたいから。大人向けの1冊とは云えませんが、童心に戻って読んでみてください。読了後、キャッチボールかバッティングセンターに行きたくなるはず。

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2009/03/14

『イノセント・ゲリラの祝祭』 海堂尊

イノセント・ゲリラの祝祭 Book イノセント・ゲリラの祝祭

著者:海堂 尊
販売元:宝島社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

今日もまた黒腹たぬきに呼び出され

向かった先は厚生労働省

グッチー、遂に本丸を攻める!?

グッチー&白鳥シリーズ第4弾でございますが…

グッチー&白鳥が活躍した場面ってありましたっけ?

これを正統な「シリーズ第4弾」とは呼べないような気がします。少なくとも私は呼びたくない。

グッチー&白鳥シリーズといえば、東城大学内の御家騒動に否応なく巻き込まれ不本意ながら黒腹たぬきの懐刀として本人の意思とは関係なく出世街道まっしぐら…がお約束だと思っていたのですが。今回の戦場は厚生労働省「診療関連死死因究明等の在り方に関する検討会」…やっぱり一息では読めなかった。しかも今回、

白鳥が真っ当な官僚に見えたんですけど!!

これは重症だ。今回「火喰い鳥」として戦場を焼き尽くすことなく、むしろ講和会議へのご案内までしてみせた白鳥…そんな白鳥が見たいわけじゃない。今回の戦場、白鳥が用意したかのように見えますが…違いますよね?白鳥、喰われた?

今回の主役は間違いなく彦根新吾。彦根の熱弁については…現状の医療について詳しい知識を持っているわけではないのでスルーさせていただきます悪しからず。けれど、まさしく過激派テロル。

『バチスタ』に続き『ジェネラル・ルージュ』も映画化され、海堂氏の知名度も鰻登り、著作も売れに売れまくっておりますが…海堂氏はずっとこれが書きたかったんだろうなぁ、と。実現可能な否かは横に置いて、警鐘を鳴らしたかったんだと思います。でも、私はあくまでも小説が読みたかった。痛快なエンタメ小説をグッチー&白鳥シリーズには求めていました。だから、残念。

そういえば、「このミス2008年」に掲載された短篇が間に挟まってましたね。

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2009/03/12

『カンナ 吉野の暗闇』 高田崇史

カンナ 吉野の暗闘 (講談社ノベルス) Book カンナ 吉野の暗闘 (講談社ノベルス)

著者:高田 崇史
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

失踪中の諒司を追いかけて

かもしぃ御一行が向かった先は

桜のない吉野

このたび帯には「痛快無比!!歴史アドベンチャーシリーズ」と…どの辺りが「痛快」で「無比」で「アドベンチャー」なのかどなたか教えてください。

というわけで、実は仙台で購入し北海道に持ち込んだ本作。北海道の書籍入荷は2日遅れるので、さらに道内のカンナシリーズ読者数はそんなに多くないと思われるので、対道民では指折りの速さで入手したんじゃないだろうか。読了に時間かけてたら意味ないですけど。

今回も

殺人事件発生

殺人事件とは全く関係無く、舞台へと赴く主人公一行

主人公一行薀蓄三昧

主人公、全く意図せず推理せず犯人自供のうちに事件解決

という高田氏のお家芸は健在。犯人が聞いてもいないことまで(父親殺害の件まで)ペラペラペラペラと喋り出したときにはどうしようかと思いました。しかも、今回は主人公一行のうち2名が早々と戦線離脱。貴方たち、なにしに吉野に行ったの?

本作の(というか高田作品の)売りは「歴史の影に光を当てる」だと思うのですが、今回主人公一行の頭を悩ませた謎については

流行らない民宿に置いてあった本&パンフレットが解決

っておいっ!!いや、現地(吉野)に行かなければ、そこで彼に会わなければ、そして彼の気前が良くなければ、届かなかった解なのかもしれませんが…なにか違う気がする。今回は寺社仏閣の類も殆ど登場しませんでしたし…高田作品片手に(エア・タタルを連れて)寺社仏閣を廻るとよしとする私にとっては、なんとも残念な結果に。

火遁の術についても、私の想像力が貧困だからなのか、さっぱり映像化できなかったし。なに?爆発するの?忍法雲隠れ?

どうして高田作品のレビューはこうも辛口になってしまうのでしょうか。早く「QED」の新刊を与えてくださいきっと潤い不足なんだ枯渇してるんだ。でも、次回作でもタタル♥奈々が進展しなかったらどうしよう…枯れるわきっと。

とりあえずご朱印帳欲しさにもう1冊は買います。でも、残り5作(全9作とのことなので)は買うかどうかわかりません。ちなみに、現在のマイご朱印帳は明治神宮のもので、とっても可愛らしい。ご朱印を貰うと挟めてくれる案内に「ご朱印は記念スタンプではありません」と書かれているのを読むと、いつも胸が苦しくなりますごめんなさい。

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2009/03/11

『ラブコメ今昔』 有川浩

ラブコメ今昔 Book ラブコメ今昔

著者:有川 浩
販売元:角川グループパブリッシング
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自衛隊とベタ甘ラヴをミックスすると

『ラブコメ今昔』が出来上がる

覚悟の上、お読みください

『クジラの彼』に続く自衛隊ベタ甘恋愛小説第2弾。入手するまでに時間がかかったためか、有川嬢の自衛隊モノ久々ひゃっほい!からか、勝手にハードル上げちゃって

もっとベタ甘ゲロ甘期待してたのにぃ

とか思ってしまった私、ごめんなさい。正直、『ラブコメ今昔』に収録されている作品のなかで気に入ったのは「ダンディ・ライオン」だけです。でも、その「ダンディ・ライオン」が最高なんだこれが。

表題作「ラブコメ今昔」のラストで「えっ、このふたりって出来てんの!?」とサプライズをくれた千尋&吉敷…まさかこんな胸キュンときどき涙目物語だったとは。私は有川嬢の書く男目線が好きなので(世の男性がこんな風に胸を切なくさせているとは限りませんが…是非そうあってもらいたいという願望の顕れ)吉敷一馬の場合258頁はもう悶絶。「命令なら従いますが」って、階級のある会社に身を置いたことのない私では(上司は掌で転がすもの)この台詞の本当の重さ辛さは理解できませんが、階級が全て=階級を無視すると有事の時の指揮系統がおかしくなるから、と叩き込まれた(であろう)千尋にとって凄い痛さだったんだろうなぁ。あぁ、本当に「ダンディ・ライオン」は泣ける。

あとは…どれも物足りなくて。「軍事とオタクと彼」の出逢いは素晴らしかったのですが(あの展開は惚れる)…もっと糖度高めでよろしいのですよ有川嬢。遠慮することなしに、さぁ!

装丁を担当されている徒花スクモさんは今回も素晴らしくって。装丁部門でもやっぱり「ダンディ・ライオン」が一番だとは思いますけれど。

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2009/03/10

『退出ゲーム』 初野晴

退出ゲーム Book 退出ゲーム

著者:初野 晴
販売元:角川グループパブリッシング
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高校生活には事件がいっぱい

だけど、わたしは逃げない投げ出さない

だって

ハルタはわたしの最大のライバルなのだから

評判があまりに良すぎてちょっと懐疑的だった初野晴氏『退出ゲーム』が本日のレビュー。初野氏といえば『水の時計』『漆黒の王子』両作に共通する「深く暗く黒い闇の中に一筋の“幸福”という名の光」というイメージだったのですが(もの凄く私的なイメージを詩的に表現してみました)本作は脱皮というか真逆な作風で驚き。分類するならば米澤穂信・坂木司ラインです。米澤穂信はもう“まんま”と表現しても良いでしょう。古典部を読んでいる感覚に何度陥ったことか。

作中では4つの事件(?)が描かれていて。個人的には表題作「退出ゲーム」が好きなんですけれども。退出ゲームやってみたいけれども…いちゃもんをつけるのは得意だけれどもアドリブの利かない私には難易度高いわ。とにかく予想外の展開でミステリスキーを愉しませてくれる「退出ゲーム」。「ガチャピンをはねた日」で電柱から巨体をはみ出させるムックも見たかったですけれども(笑)あれでサックス奏者をゲットするのはまず無理でしょう。

「エレファンツ・ブレス」に登場したマッド・サイエンティスト萩原兄弟も最高でした。どんだけレパートリーあるんですか土下座。

うーん、やっぱりミステリとしての評価よりもキャラ小説としての評価が先に立つような気がします。チカ&ハルタをはじめ、前述の萩原兄弟といい生徒会長の日野原とか…有象無象海千山千ですね。そして、チカとハルタの三角関係。冒頭で「すわ、恋愛小説か?」と思わせておいて殆ど回収していないところを見ると、このシリーズまだまだ続けるおつもりのようで。草薙先生が挫折した理由も明らかになっておりませんしね。

これまでの初野氏らしさは成りを潜めて。愉しい時間を頂戴しましたが、それが少し哀しい。このまま≒米澤穂信にはなって欲しくないです。だから、もう少し暗黒を、もう少し挫折を、そこから少しの希望を。初野氏のこれからに期待しています。

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2009/03/09

『ラッシュライフ』 伊坂幸太郎

ラッシュライフ (新潮文庫) Book ラッシュライフ (新潮文庫)

著者:伊坂 幸太郎
販売元:新潮社
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豊潤な人生を手に入れるため

人は自分に鞭打ち、せっかちに、

突進してゆくものさ

仙台に行ってきました

「1泊2日という強行軍」「死ぬまでに一度は行きたい」「歴史的名所は必須」という条件を唯一満たした(大抵の観光地は「1泊2日なんて勿体無い」という理由で棄却された)仙台に行ってきました。旅のお供は『ラッシュライフ』。川内キャンパスに潜入し、伊坂幸太郎の空気を吸ってきました。

空の見えない仙台駅、仙台駅前に新規オープンした珈琲店(PR○NTOか?)、拳銃の受け渡しに使われたコインロッカー(もちろんどのコインロッカーかなんてわかるわけない)など『ラッシュライフ』的名所を巡って。まだレビューしていない伊坂作品ということで本作をチョイスしたのですが…あまり仙台市内の描写がなかった残念。『ゴールデンスランバー』で投降の舞台となった匂当台公園なんかにも、もちろん行ってきましたけれども!

「仙台」の連想ゲームは「伊坂幸太郎」である私にとって、仙台に行くと伊坂の情報が溢れているものと期待していたのですが…「仙台」の連想ゲームはあくまで「伊達政宗」のようです。フリーペーパーを捲っても伊坂に関する情報は得られず残念。

というわけで、仙台で読み始め仙台で読了した『ラッシュライフ』。本作や『オーデュボンの祈り』のような緻密なプロットが活きた作品よりも、『死神の精度』『重力ピエロ』のような小気味の良い会話と雰囲気が好きな私。黒澤は好きですけどね、あのエスプリは会得したい。

淡々と物語が流れるために、もの凄い展開になっていることに気付けない罠。神をバラバラにしたり、拳銃を手に入れてみたり、それで人を打ってみたり、郵便局に強盗に入ってみたり。あら、殆ど豊田のことじゃないですか。とにかく、長い人生のうち自分が主役となれる1日があって…その1日にこんな破天荒なことが起こるなら主役になって抜擢されなくても良いかもしれない。私が主役の1日は、人生最期の日でお願いします。

仙台の描写を読み取ることに夢中で、あまり話の筋を追っていなかったことが丸判りの本日レビュー。でも、再読であっても「僕、伏線です」と自己主張する様子を確認できなかった。さすが、伊坂幸太郎。

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2009/03/07

『フォークの先、希望の後』 汀こるもの

フォークの先、希望の後 THANATOS (講談社ノベルス) Book フォークの先、希望の後 THANATOS (講談社ノベルス)

著者:汀 こるもの
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

日給5万円

ただし、死へのカウントダウンが始まる

THANATOSシリーズ第3弾

ミステリではない。うん、ミステリではない。最後の方に“名探偵”がなにか仰っていたような気もしますが…ミステリではない。でも、なかなか面白かったTHANATOSシリーズ第3弾『フォークの先、希望の後』が本日のメニューです。

正直「HOW TO アクアリスト」部分と国家一種の演説部分はナナメ読みも良いとこなので、本作のタイトル『フォークの先、希望の後』がどんな意味なのか、意味はあるのか、それすらも理解できておりません。本作の愉しみ方はミキちゃんの恋と高槻刑事の壊れっぷりにあると思います。

シリーズを重ねる毎に男前になっているような気のする高槻刑事。交番に発砲した精神異常者(?)を特殊警棒で倒し、彼方を優しくなだめる件は特に男前でございました。壊れっぷりは…正論は正しいとは限らないと思った箇所。正論は正論でしかなく、正論は時に人を縛り、人を傷つける。

そんな正論にオーバードーズで挑んだミキちゃん。それは恋の為せる技。真樹からオーバードーズの事実(=ミキちゃんの恋心)を告げられたときには度胆を抜かれました。アクアリストの恋心は総じて判り辛く偏るものなのか。少なくとも2/2だからな…彼方まで含めれば2/3なのか?彼方の恋心は真樹曰く「バレバレ」だそうなので。でも、恋心と下心はバレバレくらいの方が宜しいと思います。

ミキちゃんがかましたセクハラくらいね。なかなか難度高かったと思います。左手。

というわけで、『パラダイス・クローズド』を挟む込むような形で物語が進行した今回。彼方はレギュラメンバ入りしたのでしょうか?死へのカウントダウン開始。次回作が愉しみです。

でも、やっぱりミステリが読みたい。

あら、奇しくも前作『まごころを、君に』と同じ台詞で締めてしまいました。

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2009/03/06

『透明人間の納屋』 島田荘司

透明人間の納屋 (講談社ノベルス) Book 透明人間の納屋 (講談社ノベルス)

著者:島田 荘司
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

僕は真鍋さんが大好き

真鍋さんは僕にいろんなことを教えてくれる

星のこと、宇宙のこと、透明人間のこと

ミステリーランド再読中。本日も第一回配本から。そして、当ブロ愚4年目にして初めての島田荘司氏…あら意外。

舞台は昭和52年、題材は密室、透明人間なんて眉唾がタイトルに付されてますが、中身は本格。そして、裏主題まで。裏主題の方は重過ぎるので今日はスルーさせていただきます悪しからず。ここはミステリブロ愚なので悪しからず。

ホテル・エルシノア401号室で起こった女性消失事件。テーブルには食べかけの寿司とカラオケの歌本…そこに荒れた様子はなく、まるで彼女が自発的に部屋を去ったかの様。けれど、窓は嵌め殺し、唯一のドアの前には従業員の眼が4つ。そして証言する「誰も401号室から出てきてなどいない」。

わぉ、不思議ですね。魅力的ですね。ただ、素敵な謎に素敵な答えが用意されているとは限らないのですが…用意されていた答えは非常に現実的でした。いや、その現実性こそが島田荘司氏だし、その脱出劇を想像するだけでゾッとしますし、ここで本当に透明人間が登場しても興ざめなんですが。

それよりも僕と真鍋さんの触れ合いの方が素敵。ふたりの交差点はもう少しで交わるところだったのに…信号が狂ったばっかりに。真鍋さんが僕を凄く凄く大切にしていることがわかって、本の外に居る私にもわかるのに…どうして本の中の僕には伝わらないんだろう。悲しい虚しい切ない。

ミステリとしての難度も裏主題の難度も高めで、かつて子どもだったあなた向けの1冊だと思います。でも、やっぱり、島田荘司氏は面白い。

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2009/03/04

『千里眼 運命の暗示 完全版』 松岡圭祐

千里眼 運命の暗示 完全版―クラシックシリーズ〈3〉 (角川文庫) Book 千里眼 運命の暗示 完全版―クラシックシリーズ〈3〉 (角川文庫)

著者:松岡 圭祐
販売元:角川書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

CSS2ミサイルが日本にロックオンを続ける中、

敵国へと降り立った岬美由紀

頼れるは自分自身と、ふたりの仲間

お馬鹿エンタテイメント炸裂!!

思わずフォントを最大にしてしまいました。お馬鹿エンタテイメント(笑)の傑作『千里眼 運命の暗示 完全版』が本日のメニューです。前作『千里眼 ミドリの猿 完全版』(完全版の表記に蛇足感ありますが、旧作と完全版は別物とのことなので。ところで「きゅうさく」と入力して、最初に「久作」が出てくるマイパソ…ドグラ・マグラ)がまさかの「つづく」、岬美由紀ってばどうなっちゃうの!?ともどかしい思いを数日。ようやく読了。

もうね、凄いの。岬美由紀の超人ハルクっぷりはもちろんですが、スケールが超弩級。日本VS中国というWWⅢを前提に、岬美由紀は13億人に命狙われてます。そして、10年の月日をかけてこのWWⅢを演出したというメフィスト・コンサルティング…一切の証拠を残すことなく、歴史の表舞台に立つことなく、いかにして13億人の民意を開戦に向かわせたのか。

どんな策略、陰謀かと思ったら、やってることは結構地味です。対して、嵯峨敏也によるトランス解説は伏線となり、後々凄い方法で回収されるのでお楽しみに。日の丸いちゃもんも凄かった(笑)

いやもう、エンタテイメントとしか云えない。『千里眼』でも相当無理あるだろ…と思ったものですが、『ミドリの猿』と本作『運命の暗示』を読んでしまったら、『千里眼』なんて可愛いもんです。F15からジャンボジェットへの飛び移り?岬美由紀ならできるんじゃね?といまなら思えます。

嵯峨&蒲生のふたりが岬美由紀に守られっぱなしなのが気になりますが(笑)蒲生はまだしも嵯峨はもうちょっと活躍して欲しかった。だって、『ミドリの猿』ラストであんな格好良い台詞吐いてたじゃない!!そういえば、ミドリの猿設定も凄かったね(笑)

(笑)の頻度が多い気がします今日。でも、決して批難している訳ではないです。読者を愉しませる=エンタテイメント小説の役目ならば、その役目は十二分に果たしていただきました。いろんなところに眼をつぶれば、きっと愉しめるはず。本シリーズの立ち位置は究極のエンタテイメント小説だと思います、心底。

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2009/03/01

『くらのかみ』 小野不由美

くらのかみ (ミステリーランド) Book くらのかみ (ミステリーランド)

著者:小野 不由美
販売元:講談社
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子どもの育たない家

行者の祟り、座敷童子

夏休みの思い出

ミステリーランド再読中。本日は「ミステリーランドってなぁに?」状態のときに出逢った小野不由美女史『くらのかみ』。「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」というコンセプトだけ伝えられて既出作品のない中…小野不由美女史の試行錯誤が窺えます。

面白半分に始めた「四人ゲーム」が全ての契機。「四人ゲーム」とは部屋の四隅に4人が散らばり、ひとりずつ壁伝いに移動しぐるぐるぐるぐる…遭難時睡魔対策として有名なアレです(この説明だけで理解できた方は凄いわ)。当然このゲームは成立しないので、だからこその怪談なのですが、この物語でも成立しちゃったんですね、成立させてくれたのはくらのかみさま=座敷童子。増えてしまった子ども。居なかった子どもは誰?

この増えた子ども問題とは別に、田舎の旧家に起こる相続争い。御家を繁栄させるために、御家の存続のために、子どもを持つ親が相続権を持つ。けれど、一度当主になってしまったが最後…子どもには恵まれない運命が待ち受ける。だから御家は続かない、だから良くない噂が広まる。

内容はバキバキの本格ミステリ(アリバイ崩し?)なのですが、難易度は「かつて子どもだったあなたには普通、少年少女には難しめ」でしょうか。それもまぁ…ミステリを解こうと思えば、ですけれども。少なくとも私はそんな気持ちさっぱり起こりませんでした。なんででしょう、記述がもの凄くわかり辛いんですよね、登場人物多すぎる所為だと思うのですが。「最後に犯人の名が明かされれば誰であっても良い」と本気で思っていた。

まぁ、少しトリックも用意してあるのですが。子どもを持つ親が相続権を持つことは先程お伝えしました。では、その子どもを持つ親の命を狙うのは?ヒントはひとつ、ひとり座敷童子が化けた子どもが居るよ。

ミステリーランドにしては、ちょっとおどろおどろしい雰囲気あふれ過ぎかな?もうちょっとドキワクが欲しい…そんな1作でございました。

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