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2009/02/02

『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』 佐藤友哉

フリッカー式<鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫) Book フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫)

著者:佐藤 友哉
販売元:講談社
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佐奈が…妹が死んだ

自殺だなんて嘘、佐奈はあいつらに殺されたんだ

だから、復讐してやるのさ

こんな歪んだ感情、俺にはうってつけだろう?

消化すべく再読。実は佐藤友哉氏の作品は本作『フリッカー式』と『クリスマス・テロル』しか読んだことが無く、『クロスマス・テロル』のあまりのテロルっぷりに辟易して「さようなら」した経緯があります。なので、鏡家サーガと呼ばれる一連の壊れっぷりについては特筆できない今日のレビュー、先に謝っておきます申し訳。

久方ぶりに読んだ『フリッカー式』。以前よりは…愉しめたと思うむしろ続きを(鏡家サーガを)読みたいとさえ思った。本作はメフィスト賞受賞作なのですが、ミステリではなくエンタメ作品ですよね?如何にして人間は壊れるか、如何にして壊れた人間は創られるか、壊れた人間の思考は如何にして繋がるか、そんな物語。

再読前に覚えていたのは「スパイクとビシャスみたいね」という台詞が存在するということだけ。佐藤氏はアニメやゲームが相当お好きみたいですね、半分くらいネタ元不明でした。

読んでいて感じたのは、「メフィスト受賞作だ!ひゃっほい」と思ってよむ読者に優しくない作品だよな、ということ。2009年に生きる私はこの作品に続きがあること(鏡家サーガの序章であること)を知っているけれど。けれど、この作品だけを発売日に手にした人は怒濤の「?」に襲われるわけで。しかもこのあと続編が出るのかどうかわからず、伏線が回収されるのかわからずに。まるで物語のなりかけを、作者の脳内を覗かされたような、創作ノートをうっかり拾ってしまったかのような、そんな感覚に陥らせる作品。一見の読者に優しくない作品。

だからの「絶筆宣言」だったのだと思うのですが。それにしても佐藤友哉氏の復活は見事でしたよね。佐藤氏が世に出てくるのが早過ぎたのか、佐藤氏が世に順応したのか。復活以降の作品を読んでいないので判断つかないのですが。

とりあえず、2月には『青酸クリームソーダ』 が発売になるのもなにかの縁。鏡家サーガ、読んでみます。

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