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2009/02/16

『そして名探偵は生まれた』 歌野晶午

そして名探偵は生まれた (祥伝社文庫 う 2-3) (祥伝社文庫 う 2-3) Book そして名探偵は生まれた (祥伝社文庫 う 2-3) (祥伝社文庫 う 2-3)

著者:歌野 晶午
販売元:祥伝社
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「雪の山荘」「孤島」「館」

ミステリファンなら垂涎モノの

密室トリックを召し上がれ

文庫化したばかりとは知らずに読んだ歌野晶午氏による密室トリック短編集。歌野晶午氏の代表作はもう『葉桜』で決まりかもしれませんが、『葉桜』よりももっともっと本格本格した作品の方が私は好きです。『葉桜』はもう、あのワントリックしか覚えておりませんの。

本作は「雪の山荘」「孤島」「館」というミステリのミステリによるミステリのための舞台に用意された3つの密室を主題に。個人的好みは圧倒的に「館」モノ=「館という名の楽園で」なんですが。この「館という名の楽園で」は良いですねミステリスキーの夢が詰まっております。ミステリ好きが高じて、ミステリに登場するような、ミステリにしか向かない生活に支障をきたすような「館」を造った冬木。探偵小説研究会のメンバを召集して、「館」にまつわる“いわく”を披露して、半ば無理矢理に推理ゲームに巻き込んで。もちろん提示される謎は美味。スケールが必然的にでっかくなるんですよね「館」モノって。堪らないです。

あとの2編は…普通?「生存者、一名」はミステリというよりサバイバルホラーかと存じます。表題作「そして名探偵は生まれた」は「えっ?いつ名探偵生まれた??」という出来でしょうか。名探偵風刺として読むのが宜しいかも。

歌野晶午作品はアグレッシブ過ぎて、どうもそのスタイルを掴みきれない。『葉桜』みたいな大作があったり、『密室殺人ゲーム王手飛車取り』みたいな性悪腹黒ミステリがあったり、本作のような本格があったり。でも「新本格ムーブメント」出身だもの、やっぱり本格本格ミステリミステリした作品に期待したい。

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コメント

あといきなり「女王様とわたし」みたいなのもありますよね〜 歌野氏
本作読んでないんですがタイトルもウマいですよね

投稿: きりり | 2009/02/17 04:08

☆きりりさん☆
『女王様と私』もありましたね!デブでオタクでニートでひきこもり、ついでにロリコンという最強男性が主人公のミステリ…どないやねん(笑)
歌野氏、恐るべし。

投稿: まじょ→きりりさん | 2009/02/18 22:14

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