『極限推理コロシアム』 矢野龍王
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極限推理コロシアム (講談社文庫) 著者:矢野 龍王 |
眼が覚めるとそこは、見たことのない部屋
夏と冬、二つの館で繰り広げられる殺人劇
命が欲しくば…このゲームに勝利せよ
消化すべく再読したのですが、最近文庫化されたようでタイムリー?
まさに鳴り物入り、出版と同時にテレビドラマ化まで決まっていた本作ですが(綾瀬は○かちゃん出演ですよ!ローカルだったので未だ見たこと無いのですが)その後、類似作品(米澤穂信氏『インシテミル』とか関田涙氏『晩餐は「檻」のなかで』とか)を見かける機会が増えたことを考えると、ミステリ界に与えた影響はなかなか大きかったのではないかと思うのですが…文庫化するのは随分遅かったですね謎。
その設定は至ってシンプル。夏と冬、二つの館に集められた14人の男女。1日1人と消えてゆく仲間たち。では、二つの館で殺人を繰り返している犯人は誰なのでしょう?というストーリー。もちろん、こんな大掛かりなゲームには主催者が居て、主催者なりの思惑ってものがあるのでしょうが、そんなもの野暮野暮。あくまでも目先の犯人探しに注力して欲しいものです。
本作ではこの二つの館同士を争わせて、夏の館で行われる殺人、冬の館で行われる殺人、どちらの犯人をも指摘しなくてはならないという条件付。もちろん、先に正解を導き出したほうが勝者であり、敗者には死が。夏と冬、互いにどの程度の情報を開示するのか、どうやって情報を引き出すのか。そんな頭脳戦(?)をも楽しめる仕様です。
まぁ、頭脳戦があったかどうかは別のお話ですが。この手の作品のお約束として、最後のその一瞬まで犯人(主催者)に踊らされる登場人物たち。これまたお約束の「腕力で解決しようとする奴」「人の意見に反対しかしない奴」「明らかに怪しい奴」「早々と殺されてしまう雑魚」とまぁ勢揃いです。個人的には「明らかに怪しい奴」が萌えキャラ(得てして腐女子向き)だったりするので、比重かけて読んでたり。
って違う頭脳戦の話だ。本作は残念ながら頭脳戦と呼べる箇所が少なく、唯一の頭脳戦がなぞなぞ(笑)でも、そのなぞなぞも読み返してみたら悪くなかったです。ただ、犯人特定は「ここまで人数減ったらある意味消去法だな、加賀(登場人物のひとり)といっしょじゃん」なのが残念ですが。もうちょっと犯人特定にいたるロジックに力入れてくれたら…名作になったかも?
個人的には結構好きな一作。矢野龍王氏はその後もスタンスを変えることなく、この手の「サバイバルサスペンス(帯より)」を書き続けているので、その姿勢も好感が持てます。なんだかんだ言って全作読んでるのがその証かと。
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