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2008/12/17

『まごころを、君に』 汀こるもの

まごころを、君に THANATOS (講談社ノベルス) Book まごころを、君に THANATOS (講談社ノベルス)

著者:汀 こるもの
販売元:講談社
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真夏に起こったグッピー凍死事件を契機に

生まれて初めてできたオトモダチ

死神は友の命を奪わずにおられるか

『パラダイス・クローズド』に続いて読んでみましたTHANATOSシリーズ。嫌いじゃない決して嫌いじゃない。むしろ最近のメフィスト賞にしては読み易くて好感が持てる。でも…ミステリ?メフィスト賞って確かになんでも有りが売りだったけれど…基本ミステリだったんじゃないの?

読書中、3回ほど「あれ?間違って『HOW TO アクアリスト』とか買っちゃった?」と思った本作。今回のアクアリスト育成講座はグッピーです。前作同様、確かに伏線にはなっている、伏線にはなっているんだけれど。作品の骨子(ミステリ)があって、それを活かすために薀蓄を…というよりは薀蓄を活かすためにミステリテイストの作品を書いてみましたという感じ。

そして、このブロ愚はミステリテイストの作品に対して語ることは多くなく。綺麗にまとまっていたと思います。綺麗過ぎるて薄っぺらい。

というか、真樹は「名探偵」なのでしょうか?なんとなく私の名探偵像と違う。真樹が推理を展開しているのを読んだことがない。死神が誘発した死を警察署や裁判所で証言するのが名探偵の役割ではないでしょう?もちろん、ミステリを風刺すべく「名探偵名探偵」書いてるんだろうな、とは思うのですが。すごい違和感を感じるんですよね。

でも、シェイクスピアの引用は良かった。プロスペローが観客に赦しを乞う終幕が好きなのですが、その『テンペスト』は一番いらない引用だった気がする(苦笑)『ハムレット』の引用はどれも巧かったですよね、作品にマッチしていたと思います。作品にというより死神に。

そんなわけで、キャラ小説方面にアクセルを踏んだTHANATOSシリーズ。高槻刑事の良い人度が増してます。そして、死神に対する耐性も。高槻刑事が死神の生贄をなる日はいつなのか、その日が来たときに真樹は哀しむことができるのか。そんなことを意識しながら読むのなら、なかなか悪くないシリーズではないかと思う。

でも、やっぱりミステリが読みたい。

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