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2008/12/28

『QED~flumen~ 九段坂の春』 高田崇史

QED flumen 九段坂の春 (講談社ノベルス) Book QED flumen 九段坂の春 (講談社ノベルス)

著者:高田 崇史
販売元:講談社
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誰にでも過去はあり、誰にでも恋はある

QEDメンバの恋を一本の糸で繋いだとき

その先に待つその人物とは一体?

「メフィスト 2009年1月号」で中島晴美って誰ね!?と思って再読してみました『QED~flumen~ 九段坂の春』。この作品の凄いところは、

タタルの初恋が主題

ってところなのですが、どのあたりに需要あるんでしょうかね?でも、初恋だけじゃ読者呼び込めないと判断したのか、ミステリ度はいつもより高いような気がします。そして薀蓄度合も低めで。あれ?これってQED?

そもそも、奈々ちゃんとろくな関係を築けないタタルに初恋なんて出来るわけない!と思っていたのですが、

そうでもないから驚きなのだよ

大人の女性の色香に惑わされたといった感が否めませんが。きっとあの日あの空白の時間にやっちゃってるね(っておい!?)というか、あれをタタルが初恋だと認識できたことが驚きです。そういう感覚…あったんだ(過去形)

それに比べて奈々ちゃん&熊は健全な感じで。奈々ちゃんの「夏」は去年、鎌倉旅行に行ったときのことを思い出しながら読みました。鎌倉宮も荏柄天神社も明月院も行ったよ!なので、土牢のゾクッとする感覚が凄く解る。逆に、浅草寺にも行ったことあるはずなのに全然理解できなかったのが熊の「秋」。忍者の末裔という仰々しい血筋の割りに鴨志田くん無知すぎるのでは?と思ったり思わなかったり。後付け?

そして「冬」。毒草師が日本人とイギリス人のハーフだということを初めて知りました。再読のはずなのに毒草師が出てくる作品何作も読んでるのにどんだけ興味ないんだ毒草師に。とにかく、「春」の事件が「冬」で解決されたときには「こんなとこまで引っ張ってこなくて良いのに」と正直思いました。というか、「春」のあの描写だけで充分だったじゃないですか。親切設計というか蛇足というか。

とりあえず、QEDのコアなファン以外は楽しめないだろう一作。まさかQEDでキャラ萌え小説出すとは驚きです。高校生奈々ちゃんの可愛さにクラクラしたい方にはお薦め。あとの3名については…昔っから性格曲がってたんですねぇ(正確には性格曲がってたのは2名かあとの1名は特異体質)

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2008/12/27

『メフィスト 2009年1月号』

メフィスト 2009年 01月号 [雑誌] Book メフィスト 2009年 01月号 [雑誌]

販売元:講談社
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久しぶりにメフィスト買いました。西尾維新氏の『きみとぼくの壊れた世界』もんだい編が掲載された号を買ったのが最後かと思いますので…何年ぶりでしょうか少なくとも5年は経ってますね月日の流れるスピードが異常だ歳ですか?では、そんな浅いお付き合いしかしていないメフィストを今回購入した契機ですが、

40代のタタル&熊を拝みたかったからに相違ありません

でも、それだけじゃない。今回のメフィストは私のスキスキ作家さんが多くてにんまり。以下、連載以外で私が読了した作品(しかも読んだ順)のレビューです。

「QED~flumen~ 出雲大遷宮」 高田崇史
残念ながらタタルの嫁情報は入手できませんでしたが、それでもいろいろと無視できない情報が散りばめられておりました本作。まず、タタルたちが“あの事件”と呼ぶ9年前の事件。どうやらこの事件がQEDの終焉となる模様ですが…舞台は出雲ですか(出雲に足を踏み入れることはないようですが)なんか、ついに本丸に攻め込んだ感じですね。そして、その事件の鍵を握る(らしい)中島晴美…正直「誰それ?」状態だったのですが、『QED~flumen~ 九段坂の春』に登場した奈々の同級生だそうで。全く覚えておりませんでしたてっきりモブかと。そう思って『九段坂の春』再読中なのですが、やっぱりモブでしたし。そして、なによりもなによりも見逃せない情報が。熊、子連れ女性と結婚したんですか!?なんか熊っぽい選択ですね違和感なく受け止められました。子どもの名は「大地くん」だそうで。きっと終焉までには「大地くんの母親」も登場してくれると思うので(まさか既出ってことはないよね!?)その辺りにも注目しつつ残り3作のQEDを追いかけてゆきたいと思います。しかし、タタルってば狐憑きからは卒業したようで大人になりましたね。

「薬剤師とヤクザ医師の長い夜」 椹野道流
QEDトリビュートとして登場した本作。椹野道流氏と聞いてもピンとこなかったのですが、ミチルンと聞いて「あぁ!」高田崇史氏のエッセイでお馴染みのミチルンじゃないですか。さて、そんなミチルンの「伊月崇」と本家QEDの「桑原崇」というW崇でお送りする「薬剤師とヤクザ医師の長い夜」。タタルが若干別人ですが、トリビュートだし挿絵のタタルが異常に男前だったので成績は「優」。あの環境下で出雲大社あたりの薀蓄を語り出したら本物のタタルだったんですけれど(笑)でも、本作ではお目にかかれない漢方薬局勤務のタタルが垣間見れてやっぱり満足でした。これを契機にミチルンの作品にも手を伸ばしてみようと思います。ティーンズからだけでなく、講談社ノベルスからも「鬼籍通覧(伊月崇)シリーズ」が出ているようですし。そういえば、「薬剤師」と「ヤクザ医師」が「やくざいし」でかかってますね。いま変換してみて始めて気がつきました(駄目な仔)。

「零崎人識の人間関係 無桐伊織との関係」 西尾維新
零崎シリーズラストを飾る『零崎人識の人間関係』。ノベルス化したときに一気に読むべきか…と一瞬だけ悩みましたがそれも一瞬。読んで良かった崩子ちゃん可愛いよハァハァ。勝手に『人間関係』は長編だと思っていたのですが、『零崎曲識の人間人間』と同様に短篇をいくつかまとめる形式なんですね。wikiによると「匂宮出夢との関係」「無桐伊織との関係」「零崎双識との関係」「戯言遣いとの関係」とのこと。これでふたつ目が発表されたことになるのですね。俄然「零崎双識」と「戯言遣い」が気になるところですが…どっちか書き下ろしにしないと販売戦略上マイナスでしょうから、ってそんなこと私が気にするところじゃないかそれよりもなによりも崩子ちゃん可愛いよハァハァ。「無桐伊織との関係」とは言いつつも主役は戯言遣いの抱き枕=闇口崩子ちゃんと、その存在自体が主役=哀川潤の両者かと。死神の最期の願いを叶えるべく闇口衆の拠点たる大厄島に乗り込んだ4人。4人の前に立ち塞がるは生涯無敗結晶皇帝(凄いネーミング)。「かけっこ」であり「鬼ごっこ」でもある大厄ゲームの詳細は省きますが、崩子ちゃんと伊織ちゃんの戦いは良かったですねキュンキュンします。やっぱり戯言シリーズは女の子が可愛い。女の子が涙流しながら頑張っている様を読むのは嬉しい…って私はどんな変態だ。人識の人間関係については4篇で1作だと思いますので、それはノベルス化したときにたっぷりじっくり語りたいと思います。戯言シリーズの後日談とも言える本作、はやく全部通して読みたい!

「密室殺人ゲーム2.0 Q5 三つの閂」 歌野晶午
『密室殺人ゲーム大手飛車取り』の第2弾である本作。その5問目です。前作をべた褒めしました私ですが、本作もその遊び心はそのままに出題レベルもそのままに、とにかく嬉しいはやくノベルス化して欲しいこれまでの4問も読みたい!今回のお題は雪密室。雪密室に対する登場人物たちのツッコミ(「積雪の条件が整うまで、ひたすら何年も待ちますか?中略。だったら雪の密室トリックなぞ使わず、別の方法でさっさと殺しますよ」)とか互いへの罵倒とか…あぁ、気持ち良い。殺人現場の情景も美しいですよね。処女雪に聳え立つ透明ボックス…まさに非日常的非現実的ファンタジーですよ。ボックスが自作ってところがミステリ的には残念ですが、その頑張りには涙です。前作はラストに蛇足感ありましたが、本作はどんなラストでもってゲームを終わらせるのでしょうか。それも楽しみです。

「隙魔の如き覗くもの」 三津田信三
長篇だけかと思っていたら短篇でも美味しくいただけるんですね刀城言耶シリーズ。今回の怪異は隙間から現在過去未来、心の隙間に付け入る幻を見せる隙魔。隙魔が隙間に見せるは小学校校長が鬼に追われる幻…けれど、その校長が虐殺されたと知っては?刀城言耶シリーズらしいアリバイ崩しは健在。納得のゆく結末に思わずにんまり。動機を蔑ろにし(頁数の関係やもしれませんが)殺害機会の点だけで犯人指摘するその美しさにうっとりです。

「答えのない絵本」 麻耶雄嵩
メル久しぶり!というか麻耶雄嵩氏久しぶり!新刊というものをここ数年拝見しておりませんが…久しぶりの新作がこんなバカミスだなんて(笑)ロジックではこうなるのかもしれませんが、こんなのが認められるわけないじゃないですか!?衝撃のラストへあなたを誘うって本当だよ!是非読んでください。ラスト直前まではバッキバキの本格です。可能ならばラスト直前で自分なりの犯人を見付け、そこでメフィストを閉じていただけたら。

「嘘つき紳士」 北山猛邦
ミステリというよりはセンチメンタル…かと思いきやなんとも後味の悪い感じ=私の好み作品きました。ハートウォーミングな結末が待っているに違いないと思っていただけに、この裏切られた感が堪らないですね。『キョーコ』はどんな気持ちであんなピュアなメールを打っていたのだろうその心の闇を覗きたい。でも、TOKYOにそんな力があるかどうかは…疑問。

「トーキョー語り」 辻村深月
新刊2冊放置してメフィスト短篇から読ませていただきましたが…やっぱり高校生くらいの女の子の心情を描くのが巧いですなぁ。なにか劇的な出来事が起こるでもなく、劇的な出来事を起こすでもなく。私たちの身にも起こりそうな起こっていたような日常を切り取っているはずなのに、なんとなくキラキラ。本作には一美というキャラクタが登場するのですが、まぁ居ますねこういう悪い女。少なくとも私の中には居る。そして、そんな一美(私)にしてみたら主人公のさくらは鼻につきますよ。篤志の「イライラする」件はまさに。だけど、そこはトーキョーじゃないから知らないふりは出来ないから、だからいっしょに過ごすしかないの。そして、せっかくいっしょの時を過ごすなら、楽しいほうが良いに決まってるじゃない。そんな当たり前のことを当たり前に描いた作品だと思う。だから、特に特質すべき点はありませんの。

「Aカップの男たち」 倉知淳
倉知淳氏久しぶり!と思ったらそんなバカ作品とは(笑)最近男性用ブラジャーが話題になってますが、倉知淳氏がさっそく作品に取り入れてきました。作品は一応ミステリ風味ですが、それよりもブラジャーの件が印象強くって特に感慨はございません。それよりもゴ○ゴサイドから叱られませんか?スナイパーがブラジャーって(笑)

だんだんレビューが短くなくなるテキトーになるのはご愛嬌ということで。この他にも法月綸太郎氏のグリフィンシリーズの連載も始まったのですが…連載もの読んじゃうと次のメフィストも欲しくなるなるからなぁどうしようか悩み中。でもグリフィンシリーズはなかなか面白かったので、絶対読みたくなるんだと思います。
  

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2008/12/25

『双樹に赤 鴉の暗』 高里椎奈

双樹に赤鴉の暗―薬屋探偵妖綺談 (講談社文庫 た 95-9) (講談社文庫) Book 双樹に赤鴉の暗―薬屋探偵妖綺談 (講談社文庫 た 95-9) (講談社文庫)

著者:高里 椎奈
販売元:講談社
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ビルの谷間に占い師、そしてアリス

アリスが導いたかのような子鬼との出遭い

ねぇ、正義ってなぁに?

ちゃくちゃくと再読を進めております薬屋シリーズ第9弾。

また雰囲気作品が来ました

この雰囲気作品の良さがわからないのは私の学が無いからなのでしょうか?妖怪三人衆の過去とか関係とかとっても気になるんですが、私は巧く拾い集められません。もし最終巻も雰囲気作品ならば、私は全てを回収できる自信がないです。

一応ミステリ的な(○○トリックを用いた)箇所があったように思いますが、それが仕掛けられていることは確信していた(というか、そのくらい仕掛けていてくれないと読んでいる意味ないと思っていた)ので、とくに感慨も無く。本作はどう読んだって高遠の作品ですよね。その意味では色の付かない異色作扱いでも良いのではないかと思うのですが…色を付けないその基準が良くわかりません。

それにしても高遠。ちょっと格好良く書きすぎではありませんか?惚れちまうやないかー(笑)能ある鷹タイプだとは思っておりましたが、ここまでの信念があるとは思っていなかったので。しかし、あの新人はクソ生意気ですね自分と似たタイプなだけに苛っとします。

って、ここでレビュー終わっちゃいますが大丈夫でしょうか?駄目サラリーマンの心情が妙にリアルで、ちょっと憂鬱になったことは内緒。

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2008/12/24

『極限推理コロシアム』 矢野龍王

極限推理コロシアム (講談社文庫) Book 極限推理コロシアム (講談社文庫)

著者:矢野 龍王
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眼が覚めるとそこは、見たことのない部屋

夏と冬、二つの館で繰り広げられる殺人劇

命が欲しくば…このゲームに勝利せよ

消化すべく再読したのですが、最近文庫化されたようでタイムリー?

まさに鳴り物入り、出版と同時にテレビドラマ化まで決まっていた本作ですが(綾瀬は○かちゃん出演ですよ!ローカルだったので未だ見たこと無いのですが)その後、類似作品(米澤穂信氏『インシテミル』とか関田涙氏『晩餐は「檻」のなかで』とか)を見かける機会が増えたことを考えると、ミステリ界に与えた影響はなかなか大きかったのではないかと思うのですが…文庫化するのは随分遅かったですね謎。

その設定は至ってシンプル。夏と冬、二つの館に集められた14人の男女。1日1人と消えてゆく仲間たち。では、二つの館で殺人を繰り返している犯人は誰なのでしょう?というストーリー。もちろん、こんな大掛かりなゲームには主催者が居て、主催者なりの思惑ってものがあるのでしょうが、そんなもの野暮野暮。あくまでも目先の犯人探しに注力して欲しいものです。

本作ではこの二つの館同士を争わせて、夏の館で行われる殺人、冬の館で行われる殺人、どちらの犯人をも指摘しなくてはならないという条件付。もちろん、先に正解を導き出したほうが勝者であり、敗者には死が。夏と冬、互いにどの程度の情報を開示するのか、どうやって情報を引き出すのか。そんな頭脳戦(?)をも楽しめる仕様です。

まぁ、頭脳戦があったかどうかは別のお話ですが。この手の作品のお約束として、最後のその一瞬まで犯人(主催者)に踊らされる登場人物たち。これまたお約束の「腕力で解決しようとする奴」「人の意見に反対しかしない奴」「明らかに怪しい奴」「早々と殺されてしまう雑魚」とまぁ勢揃いです。個人的には「明らかに怪しい奴」が萌えキャラ(得てして腐女子向き)だったりするので、比重かけて読んでたり。

って違う頭脳戦の話だ。本作は残念ながら頭脳戦と呼べる箇所が少なく、唯一の頭脳戦がなぞなぞ(笑)でも、そのなぞなぞも読み返してみたら悪くなかったです。ただ、犯人特定は「ここまで人数減ったらある意味消去法だな、加賀(登場人物のひとり)といっしょじゃん」なのが残念ですが。もうちょっと犯人特定にいたるロジックに力入れてくれたら…名作になったかも?

個人的には結構好きな一作。矢野龍王氏はその後もスタンスを変えることなく、この手の「サバイバルサスペンス(帯より)」を書き続けているので、その姿勢も好感が持てます。なんだかんだ言って全作読んでるのがその証かと。

極限推理コロシアム ディレクターズカット版 [DVD] DVD 極限推理コロシアム ディレクターズカット版 [DVD]

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2008/12/22

『蜜の森の凍える女神』 関田涙

蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス) Book 蜜の森の凍える女神 (講談社ノベルス)

著者:関田 涙
販売元:講談社
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雪の山荘、密室、ミッシングリンク…

ミステリてんこもりのメフィスト賞受賞作は

チャーミング(?)な女子高生探偵からの挑戦状付き

消化すべく再読。

『刹那の魔女の冒険』のあまりの酷さに(何度目だナウシカこの台詞)再読をも躊躇っておりましたヴィッキーシリーズ。でもね、『刹那の魔女の冒険』以外に罪はないし。むしろ『七人の迷える騎士』は結構好きだし。

この『蜜の森の凍える女神』はミステリとは関係ない箇所にワントリック潜んでおりまして、それがなかなか印象的だったものですから、そこから連想ゲーム的に内容覚えていてびっくり。私が犯人も密室トリックも覚えてたなんて奇跡に近い。これは過言ではない。でも、ワントリック系って1回読んだらお腹いっぱい→だから再読までの道程が遠くなるんですよね。まさにこの作品がそうだ。まぁ、それだけが原因では無いんだけれども(まだ言うのか自分)。

本格ミステリに真っ向から挑んだ作品かと思います。けれど、だからこそ、ヴィッキーからの挑戦状はいただけなかったような。「皆さんの論理的思考力を試すための挑戦状ではなくて、私とあなたの相性診断だと思ってくれていいの」って、

そんな本を買った覚えはない

ミステリに於いて動機なんてどうでも良いと思っている私にとって、「なんて可哀想な犯人!だから赦してあげましょう…よよよ」ってなんでやねんなめとんのかあぁん?状態。確かに、警察と万人が納得するような解決が示されていて、それで誰も哀しまないなら(犯人と思われる人物が事件の最中に自殺したケースですね)別に構わないのかもしれないけれど。だったら、真犯人の名は探偵の胸の中にしまっておきましょうよ。真犯人呼び出して「私は貴方が真犯人であることを知っているわ。だけど安心して。絶対に言わないから」って、それなんて脅迫?

とりあえずヴィッキーの意見で賛同できるのは以下の一文のみ。引用。

当を得ない間怠っこしい比喩、だらだらとした無意味な描写、間の抜けた観察眼、バレバレの伏線、面白みのない構成、おまけに中学生の作文のような文章、ってなわけだから、読み続けるのはとっても苦痛だったでしょう。

すごいね!自分のことよく解ってるね!!

どういう意図でこの一文を入れたんだろう…「そんなことないよ」って言ってもらいたかったのかしら?まさか…敢えての?

気がつけば毒舌レビューになってますね。そんなに嫌いじゃないと思ってたんだけど…ヴィッキーとの歳が離れすぎたが為に、その青さが鼻につくのかしら?それとも、ヴィッキーはモテモテ美少女!みたいな記述に嫉妬してるのかしら?これは『七人の迷える騎士』の再読も必要かしら。もしかしたら、『刹那の魔女の冒険』もいま読んだら…無いな、それだけは絶対に無い。

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2008/12/18

『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』 西尾維新

不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス) Book 不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)

著者:西尾 維新
販売元:講談社
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名前に一本筋を通す男、串中弔士

囲われきった彼の前に再び現れた病院坂迷路

世界が再び廻りだす

「DISSIDIA」が到着する前に読まないと!と焦って読んだら1時間くらいで読めちゃった世界シリーズ第4弾『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』一息では読み上げられない。そして、競うかの如く長いタイトルのCDが発売された中学時代を思い出させる…そんな学校という閉鎖空間で起こった連続殺人事件の物語。

まぁ、西尾維新の、しかも世界シリーズのことだから、真っ当なミステリなんて有り得ないんだけど。十戒に見事に抵触しておりますので、ミステリではないでしょう。というか、世界シリーズがミステリだったのはいつまでだろう。『不気味で素朴な囲われた世界』はミステリだったと思うたぶん。

この作品の楽しみどころはどこだろう?やっぱり成長した串中弔士なのだろうか。彼に対してびっくりするくらい興味ないんだよなぁ、私。全く魅力を感じない。ってまさか西尾維新の罠に嵌ってる!?だって、串中弔士=何者でもない人間ですらあってはならない孤高の存在、なんだもの。西尾維新はそのつもりで書いてるんだもの。あら、この発見は一寸驚き。

そうそう、ミステリの話だったのよ。とりあえ○○トリックの存在は確認、しかも2回も。ミスリードのつもりだったのだと思いますが…というかそのくらいやらないとミステリにならないからか?しかし、病院坂迷路はなんのために登場したのだろうか?迷路である意味はあったのだろうか?別の病院坂ではダメだった?うーん、バックアップであるとはいえ迷路である=○○トリックを成立させ易いという利点はありますよね、既読読者にとっては。

と、ここまで読んでくださった方はお判りかと思いますが、とても楽しい1時間を過ごすことが出来たわりに、なにも得られなかったという不思議な作品。このなんとも居心地の悪い感じが、不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界、に紛れ込んでしまった感覚なのでしょうか?それとも、そもそも読書からなにかを得ようとする方が無理な注文?

とりあえず、世界シリーズは次回の中学生黒猫さんで終焉を迎えるようで。黒猫さんの過去はなかなか興味ありますが…そうすると櫃内サマが登場しないことになってしますのですが。シスコンで女ったらしの櫃内サマは好きです。まぁ、病院坂一家とは何者ぞ!?という謎は明かされぬまま終わるんだと思います。もう覚悟はできている。

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2008/12/17

『まごころを、君に』 汀こるもの

まごころを、君に THANATOS (講談社ノベルス) Book まごころを、君に THANATOS (講談社ノベルス)

著者:汀 こるもの
販売元:講談社
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真夏に起こったグッピー凍死事件を契機に

生まれて初めてできたオトモダチ

死神は友の命を奪わずにおられるか

『パラダイス・クローズド』に続いて読んでみましたTHANATOSシリーズ。嫌いじゃない決して嫌いじゃない。むしろ最近のメフィスト賞にしては読み易くて好感が持てる。でも…ミステリ?メフィスト賞って確かになんでも有りが売りだったけれど…基本ミステリだったんじゃないの?

読書中、3回ほど「あれ?間違って『HOW TO アクアリスト』とか買っちゃった?」と思った本作。今回のアクアリスト育成講座はグッピーです。前作同様、確かに伏線にはなっている、伏線にはなっているんだけれど。作品の骨子(ミステリ)があって、それを活かすために薀蓄を…というよりは薀蓄を活かすためにミステリテイストの作品を書いてみましたという感じ。

そして、このブロ愚はミステリテイストの作品に対して語ることは多くなく。綺麗にまとまっていたと思います。綺麗過ぎるて薄っぺらい。

というか、真樹は「名探偵」なのでしょうか?なんとなく私の名探偵像と違う。真樹が推理を展開しているのを読んだことがない。死神が誘発した死を警察署や裁判所で証言するのが名探偵の役割ではないでしょう?もちろん、ミステリを風刺すべく「名探偵名探偵」書いてるんだろうな、とは思うのですが。すごい違和感を感じるんですよね。

でも、シェイクスピアの引用は良かった。プロスペローが観客に赦しを乞う終幕が好きなのですが、その『テンペスト』は一番いらない引用だった気がする(苦笑)『ハムレット』の引用はどれも巧かったですよね、作品にマッチしていたと思います。作品にというより死神に。

そんなわけで、キャラ小説方面にアクセルを踏んだTHANATOSシリーズ。高槻刑事の良い人度が増してます。そして、死神に対する耐性も。高槻刑事が死神の生贄をなる日はいつなのか、その日が来たときに真樹は哀しむことができるのか。そんなことを意識しながら読むのなら、なかなか悪くないシリーズではないかと思う。

でも、やっぱりミステリが読みたい。

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2008/12/16

『記憶の果て』 浦賀和宏

 

親父が死んだ

親父の書斎で俺は裕子に逢った

俺は…なぜ生まれてきてしまったんだ?

消化すべく再読してみました浦賀和宏…

やっぱ最高だ。

松浦純菜シリーズ」は全然良さがわからず、浦賀を読むことはもう無いかもなんて思っていたんだけれど。でもやっぱり好きだ浦賀。そういえば『彼女は存在しない』も大好きなんだった、ごめん浦賀好きだ。告白してみた。

というわけで、第5回メフィスト賞受賞作です。こんなに面白いのに不思議なことに本作『記憶の果て』しか文庫化しておらず、そしてその文庫も絶版ですか?(アフィリが表示されないので。というか、報酬なんていらないから表紙飾らしてくれ)非常に残念だ。

実際のところ、本作『記憶の果て』を読んだだけではなにも解決しないんですが(「何故なら、それは彼女の物語だからだ」を読んだときには卒倒しそうになった)、シリーズ第2作『時の鳥籠』を読むとまぁ、思い出しただけで身震いする。とりあえず読んでもらいたい作品、読んでもらいたいシリーズ、大好き。

そんな大好き作品なので、BGMにはしっかりとサティの「ジムノペティ」を。

って、『記憶の果て』について何にも書いておりませんが。うーん、『記憶の果て』だけ読んでもなぁ、『時の鳥籠』と併せて読んでなんぼの世界だからなぁ。まさに世界が。なので、『記憶の果て』を読んで「別におもしろくもなんともないわっ!」と思った方は、どうかお願いですので『時の鳥籠』まで読んでください。それでもおもしろくなかったら…浦賀が合わないんだと思います(なんという無責任そしてその可能性の方が高い)。

とか書きつつ、まだ『時の鳥籠』は再読しておりません(おいっ)。『時の鳥籠』は単品で頼んでもなかなか美味しくいただけるので、年イチで再読リストに入っておりまして結構読んでいるんだなこれが。でも、いまの積読本が解消されたら(きっと年明けだ)読みますよ。安藤直樹シリーズ再読強化週間でもやりましょうか。最後の『透明人間』が曲者なんですけどね殺人級厚さ。

あっ、最後の最後で申し訳ないのですが、

ミステリではないと思ってお読みになられた方が安全かつ適切かと。

あと、鬱々としているときには読まないほうが良いです。

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2008/12/15

『毒入りチョコレート事件』 アントニイ・バークリー

毒入りチョコレート事件 (創元推理文庫 123-1) Book 毒入りチョコレート事件 (創元推理文庫 123-1)

著者:アントニイ・バークリー
販売元:東京創元社
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一見、単純に見える毒入りチョコレートによる殺人事件

しかし、見る眼が変われば犯人すらも変わる!?

古典、名作!

約1ヶ月の放置期間、あの毒吐きレビューがトップページを飾っていたとはっ!?

ついフォントを大きくしてしまいました。今回はPSP失踪と申し上げるのが適当でしょうか。でも、「DISSIDIA」到着してからが本当のPSP失踪になりそうだしな…って早くも次回の失踪宣言ですか!?お久しぶりですまじょ。です。

この失踪中に愛しの本多孝好氏は新刊を発表し、辻村深月嬢に至っては2冊も上梓、さらに西尾維新氏まで!と出版ラッシュだったわけですが…全部買いましたがまだ1冊も読めてません。しかも「このミス」まで出てますね。ランキングだけチラ見しましたが、まぁ読んだことある作品少なかったです。いつものことですが。

そんなわけで、失踪前に読了しておりました『毒入りチョコレート事件』が復帰レビュー作。最初に読んだのは中学生のときなので…○年ぶり。もちろん○のなかの数字は二桁です。で、やっぱり中学生のころの私はこの作品の良さが判ってなかった!なんでもっと早く再読しておかなかったんだ!もっと早くにこの作品の良さに気付いていれば「3年に1回読み返す本リスト」に入れて4回は読めたというのに!!あっ、二桁の数字がバレる。

古典中の古典、名作中の名作ですので既読の方も多かろうと思いますが、今日はあまりネタバレしない方向で。復帰レビューですしね。

『毒チョコ』のあらすじをまじょ。的に書き出すならば「6名の犯罪研究家が独自の推理法、独自のアプローチを以ってして未解決事件に挑む。ただし、結末がひとつだとは限らないぜ☆」って感じでしょうか。ミステリといえば「唯一無二の名探偵が導き出した推理こそが正解マンセーマンセー」がお約束なのですが、この『毒チョコ』はそれに正面から喧嘩を売った作品(笑)

私は断トツでブラッドレーの推理が好きですね。しかも最初の方。繰り返しますか?

最初の方。

いやぁ、ユーモア利いてる。1929年の作品にこれをやられては脱帽です。

そして、このバカミス以降じりじりと真相に近づいてゆく様が圧巻ですね。毎晩毎晩新たな発見があり、毎晩毎晩グレードアップされた推理が展開される。そして、最後には最後に相応しい結末がしっかりと用意されて。個人的にはブラッドレーの推理が大好きなので、もうそれで良いんじゃない?(笑)と思ったりもしますが。つまりは読者の数だけ真相が違うってことなんですよね。最後に結末として用意された推理が気に入らないなら、それまでに発表されたものの中からでも、自分で考えついた推理でも、どれでも好きなものを結末にすれば良い。そんな遊び心に溢れた古典の名作。

『毒チョコ』って省略形が凄く可愛くて好きです。何度でも言いたくなる口に出したくなる『毒チョコ』。

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