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2008/11/11

『パラダイス・クローズド』 汀こるもの

パラダイス・クローズド THANATOS (講談社ノベルス ミI- 1) Book パラダイス・クローズド THANATOS (講談社ノベルス ミI- 1)

著者:汀 こるもの
販売元:講談社
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本格に殴り込んで来た生意気な新人(by有栖川有栖)

美少年双子を引き連れて

第37回メフィスト賞受賞作

 消化すべく比較的新しいものから。有栖川有栖氏の紹介文を読んで期待でいっぱいだった本作。

メフィスト賞らしい一作でございました

ぶっ飛んでるキャラ設定やら、本格を愛していながらも斜に構えた態度とか。西尾維新以前か以後かって聞かれれば以後の作品だとは思いますが。

嵐の孤島、クローズドサークルで起こった密室殺人事件。これぞ本格!という舞台設定の中描かれているのは「彼は犯人ではないよ。だって使用人が犯人だなんて二十則違反だもの」みたいな、本格風刺。痺れます。そもそも、双子が探偵(&死神)だなんて、十戒に正面から喧嘩売ってるようなものではないですか(笑)

というわけで、「ノックスの十戒」「ヴァン・ダインの二十則」を一読した後に取り組むと楽しみが倍増するかもしれない本作。というか、本格ミステリを愛してきた人間なら絶対楽しめる一作。

作中の薀蓄に若干辟易しますが(当方ナナメ読み)まぁ、解決に全く無関係というわけでもないので、お好きな方はどうぞ。作者の汀こるもの氏の趣味を垣間見れます。コーラルをコラールと読み違えて、何度か千秋真一がタクトを振っている様が頭を過ぎったことは内緒。

個人的には探偵が○○拒否をしたときに、「このまま本当に作品終わったら面白いなぁ問題作」と思ってにやりとしました。国家一種、回収ご苦労。でも、犯人もまさか○○拒否されるとは思わなかっただろうなぁ。きっと自白がスムースに進むものと思われ。だって、本格ミステリの犯人は、自分が上位の存在であることを自慢したくて自慢したくて仕方が無いんだもの。ほら、本格風刺。

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» 299「パラダイス・クローズド Thanatos」汀こるもの〈図〉 [月の鼠]
以前図書館で借りた「活字倶楽部2008年春号」にて(これもよっぽどここに1冊として載せようかと思ったのですが)紹介されていたのですが、とにかくお名前が気になって気になって。 あんまり毎日のように気になるのでとうとう借りてきてしまいました。 私は結構好きですね..... [続きを読む]

受信: 2008/11/11 01:39

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