『山魔の如き嗤うもの』 三津田信三
![]() |
![]() |
山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ) 著者:三津田 信三 |
忌み山に足を踏み入れたこと
それが全ての誤りで
全ての始まり
家本として読み始め、間に「ペルソ○4」を挟んだので…読了までに3週間。このままではアカン!と“汗だく合宿(読了するまでお風呂から出られない地獄の合宿)”を敢行して読み終えた本作。決して面白くなかったわけではありません。
てっきり『首無の如き祟るもの』で行き先変更したときに遭遇した事件=さすが刀城言耶!しっかり怪奇に巻き込まれてくださる!!とか褒めようと思ってたのに。阿武隈川先輩を漸く拝めると思っていたのに。
怪異の舞台は忌み山・乎山。遅い成人参りの最中、乎山に迷い込んでしまったが運の尽き。山魔に追われ辿り着いた先で出遭った怪しい家族と、その消失事件。乎山に隠された徳川埋蔵金の利権を巡り争う旧家。そして…邑に伝わる民謡になぞらえて惨殺され消えゆく人々。お一人ずつ消えて残ったのは?
なんかもう、古き良きミステリのにほいがプンプンしますね。鳥肌。もちろん刀城言耶シリーズ恒例の“怒涛の謎列挙(箇条書き)”も健在です。その量、約2枚半。
しかも、読者サービス=解決の二転三転までもが健在。そのどれもが捨てるには惜しい名解答だったりするんだから美味しい。あの少ない残頁でここまでやってくれるとは正直思っておりませんでした。残頁を確認し、「大丈夫?ちゃんと終われる?もしかしてバカミス的解決?」とか疑っちゃってすみませんでした。
登場人物の名前が似ている(旧家の一族モノでよく起こる現象)ので、私のようなトリアタマかつ読了まで3週間みたいな人間は、最後まで「えっ?それ長男?次男?甥っ子??」とかやる羽目になりましたが…まぁご愛嬌ということで。
シリーズが進むにつれ面白くなってゆく本作。一家消失の解答は秀逸でございました。次も読む、絶対。
| 固定リンク
コメント