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2008/10/29

『タルト・タタンの夢』 近藤史恵

タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ) Book タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ)

著者:近藤 史恵
販売元:東京創元社
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下町の片隅にあるフレンチレストラン

そこには絶品料理と極上のミステリが

さぁ、ご堪能あれ

パ・マルでフレンチをいただきたい!!

物語の中の料理に涎を垂らしたのは久しぶりでございます。どれもこれも美味しそう堪能したいごっくん。近藤史恵氏のことは『サクリファイス』までノーマークで、殆ど存じ上げていなかったのですが(申し訳ない)こんなに上質な作品を送り出してくれていたとはっ!勿体無い読書人生。

本作の舞台はフレンチレストラン“パ・マル”。店名に“悪くない”なんて名前を付けるなんて、なんと挑戦的なシェフだこと。もちろんその人物像も偏屈で“パ・マル”悪くない。カウンター7席、テーブル5つのそんなに大きくないお店に舞い込んで来るお客とミステリと。

個人的に最も好みだったのは「オッソ・イラティをめぐる不和」でしょうか。理由も告げずに実家へ帰ってしまった妻。「なにが契機だったのか?」を探るのは簡単。けれど、サムライの子孫・シェフ三舟が解き明かすは「そもそもの原因はなんだったのか」。ひとつの出来事が契機となって、これまでずっと我慢できていたことが我慢できなくなる。愛想を尽かす、とは少し違うまるでダムが崩壊するかの如く。

「ぬけがらのカスレ」も美しいですよね。女子なら思わずキュンとなる恋愛物語。

本作が巧いのは必ず料理とミステリが絡み合っているということ。ただレストランでミステリが起こるというだけじゃない。このレストランで、この料理と、このミステリが合わさることで謎が解かれる。うん、美味しい。

本作には続編が出ている模様。『ヴァン・ショーをあなたに』なるべく早く読みます!!

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