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2008/09/16

『賢者の贈り物』 石持浅海

賢者の贈り物 Book 賢者の贈り物

著者:石持 浅海
販売元:PHP研究所
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一度は耳にしたことのある古典文学

十の名作をモチーフに

石持浅海が理論で味付けを

本年もハイペースで執筆を続ける石持浅海氏の“日常の謎”系短編集。その共通点は古今東西の名作がモチーフに据えられていること、そして磯風という美女が登場すること。それにしてもPHPから出版されてるってのが凄いですね。PHPって歴史文庫のイメージしかない。

とりあえず挨拶代わりの「金の携帯銀の携帯」で読者にパンチを一発。ロジックロジックロジック理詰め理詰め理詰め。嘘偽りなく「ひゅう」と口笛吹いちゃいました(変態♥)これはミステリスキーにしか通用しない本だわ。ミステリスキーであっても「もう良いから5万貰えよ!」って云ってやりたくなる。

そんな短気な私のお気に入り作品は表題作「賢者の贈り物」。妻から謎の贈り物、妻の真意はどこに?という定番中の定番作品でして、登場人物2人のディスカッションによって謎は解かれるのですが…導き方が素晴らしい。私も登場人物と全く同じところで謎が解けました=その時点で全てのヒントが提示された=本格ミステリ“読者への挑戦状”!?飛躍し過ぎなのは自分でも解っています。

「泡となって消える前に」と「最後のひと目盛り」も好きです。どちらも恋愛を扱った作品ですが、どちらもラストの一文(本当に最終行)が素敵。

一転、どうも納得いかないのが「玉手箱」。

ミステリなのに解決されないってどういう?

「全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」ことは重々承知だから!だからどんなに理不尽でも結末は用意して欲しい。それがミステリスキー心の叫び。別に私が読み切れなかったわけじゃないですよね?描かれてないですよね解決?最近どうも脳の退化著しく、作品の意図を掴みきれないことが多いものですから。

というわけで、「玉手箱」だけがどうも納得ゆかない。もし☆をつけるなら、このマイナス部分だけで2個は☆を減らせる。残念です。

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