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2008/05/19

『先生と僕』 坂木司

先生と僕 Book 先生と僕

著者:坂木 司
販売元:双葉社
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「よかったらバイトしない?時給の高さは保障するよ」

恐がり妄想家大学生とミステリ大好き中学生

そんなふたりの出逢いは…えっ?これってナンパ?

アフィリを表示させるべくタイトルである『先生と僕』を入力したら…卑猥なビデオのアフィリが山のように出てきました(汗)でも、決して卑猥な作品ではありません。坂木司らしいハートフルな日常の謎モノ、それが本作『先生と僕』でございます。

大学生と中学生。この組み合わせを「先生=大学生、僕=中学生」だと考えるのは純文学の世界だけ、本作で描かれる関係は「先生=中学生、僕=大学生」です(いや、こっちだって定石と云えば定石なんですが)。そして僕が教わるのはミステリ、(できれば)人の死なないミステリ。

最も好みだったのは表題作「先生と僕」でしょうか。書店に並ぶ雑誌に立てられた怪しげな付箋。付箋に書かれた電話番号にコールすると…えっ?古本屋??古本屋に対する嫌がらせに過ぎないのか。それとも、その付箋にはなにか重大な秘密が隠されているのか?この謎はなかなか面白い。そして、先生(探偵)たる隼人くんのロジカルな思考も素晴らしいです。

タイトルが秀逸なのは、文句なしで「額縁の裏」ですよね。ギャラリー詐欺の手法を暴く作品に付すタイトルとして、相当レベルが高い。中身は…怪しいでしょ明らかに。いつも冷静で大人びた先生が、ちょっとだけ見せる素顔がめんこい一作。

そして、作中で隼人くんが二葉さんに薦める(できれば)人の死なないミステリが秀逸ですね。古典作品ばかりなので、読み落としている作品も数点ありましたが…どれも名作です。「挿絵と旅する男」とかまた読みたい。この『先生と僕』に取り掛かる前にこの名作たちを読むのも一興かと。

坂木氏はもうシリーズを擁しないのでしょうか?ノン・シリーズの短編集も上質な作品ばかりで嬉しいのですけれど。あっ、坂木氏の長編っていうのも読んでみたいですね!!

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