『サクリファイス』 近藤史恵
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サクリファイス 著者:近藤 史恵 |
「引きます。ついてきてください」
これが僕の役目
エースが勝ってくれれば、それで良い
おんもしろかった!!
このミス5位、本屋大賞2位は伊達じゃないです。読了後、1時間半の間いっしょに駆け抜けた満足感でいっぱいになれました。そんな素敵作品『サクリファイス』が本日のメニュー。
舞台は自転車ロードレースの世界。アシストとしてエースを助け勝利に導くことを喜びとする男の物語。脚光を浴びることは無いけれど、エースが勝利を得たときの充足感を求めて男は自転車を漕ぐ。
そんな男の耳にある日囁かれたエースの黒い噂。それは“後輩潰し”。自分を越えようとする後輩を許さない、事故に見せかけて選手生命を絶たれた者も。エースたる彼は、エースたる自分の役割やアシストされる重みを知っていると思っていたのに。信じていたのに。憧れていたのに。
生贄や犠牲という意味を持つサクリファイス。この『サクリファイス』というタイトルがまさにぴったりの一作です。もちろんそれは、自分を犠牲にしてエースと勝利に導くアシストのことだけでなく。エースに纏わる“黒い噂”の真実を、その想いが明かされたラストにはちょっぴり感動してしまいました。エースを陰で支えたアシストたる男(主人公)だからこそ、知ることのできた真実。これはもう、ネタバレなし、とにかく読んでもらいたい一作です。
ロードレースの世界にもすんなり…どころかグングン入ってゆけます。近藤氏はデビュー当時からロードレース作家ですか?ってなくらい、しっくり。帯の「気付けば新聞のテレビ欄をめくり、ロードレースの中継を捜していました」という紹介文なんて、まさに頷き。ロードレース、見たくなりますよね。その世界にちょっとだけでも、片足だけでも踏み入れたくなりますよね。
そんな心を熱くさせる一作。このミス5位、本屋大賞2位は伊達じゃない。
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