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2008/05/16

『ゾラ・一撃・さようなら』 森博嗣

ゾラ・一撃・さようなら Book ゾラ・一撃・さようなら

著者:森 博嗣
販売元:集英社
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「探していただきたいものは、古い美術品です」

突如現れた美女からのオファー

これを受けなきゃ…ハードボイルドじゃない

是非ともシリーズ化していただきたい一作

デイヴィッド・ハンドラーのホーギーシリーズを読んでいるかのような錯覚に陥ったハードボイルドな一作。森博嗣のこんな作品が読みたかったの!という夢が叶った一作。シリーズ化は無理だってわかっていても(森先生、長編はあと15作しか書かないって断言してるし)願わずにいられない一作。それが本作『ゾラ・一撃・さようなら』でございます。

主人公は頚城悦夫、その職業は探偵。薄暗いBarで怪しげな美女と待ち合わせ。そして美女が求めるは…“天使の演習”

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

エンジェル・マヌーヴァですよ、エンジェル・マヌーヴァ。“天使の演習”という文字を眼が捉えた瞬間、いろんな可能性が頭の中を過ぎる過ぎる。まずは主人公の頚城悦夫=愛しの保呂草さん♥を疑ったね。そして時代考証へ。「『魔剣天翔』から『捩れ屋敷の利鈍』の間か?」とか「もしや保呂草さんってば『捩れ屋敷』の後、さんざん堪能して売り飛ばした?」とか「まさか『魔剣天翔』の前ってことは無いよね!?」とか。煩悩煩悩。

とにかく“天使の演習”と聞いて、ピクっとしてしまう方にお読みいただきたい一作。そして、ハードボイルドがお好きな方も。正直申し上げると結末に目新しいものはなく、先は読めちゃいます。でも、結末以外が素晴らしい。まさに森節炸裂。

そうそう、『夏のレプリカ』に登場したあのお方もさりげなーく登場しておりましたね。あの衝撃のラストの後、彼がどんな生活を送っていたのか。それを少しだけ窺い知ることができるかと。きっと、この物語の後も同じような先に引き取られ、同じような生活を送っているのでしょう。書き取ってくれる人が居ないから、すべては彼の中で風化して。

物語が閉じられた後、保呂草さん並みに女ったらしな主人公(えっ?)の隣に座るのは誰なのか。女が切れないから良い男なのか、良い男だから女が切れないのか。誰にも打ち明けられない秘密を持った男に惹かれてしまうのが女の性ってやつですか?でも、女だって「A secret makes a woman woman」ですのよ(by 名探偵コナン)

私は「内容が無いのがハードボイルドの証明」だと考えている節があるので、この“全く内容について触れないレビュー”こそ私がこの作品をハードボイルドだと思った証拠かと(すみません、言い訳です)でも、最近読んだ森作品(講談社ノベルスまで含めて)の中で最も好みな一作でした。

ところで、講談社ノベルス『カクレカラクリ』のあとはXシリーズでなくGシリーズなんですよね?『目薬αで殺菌して』って、一体どんな作品?

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コメント

今Gシリーズ読書中で毎日サクサク読んでます もうS&Mシリーズのような興奮はなくとも久々読むと楽しいです ゾラっって勝手にzokuの続きと思い込んでたと....

投稿: きりり | 2008/05/17 11:37

☆きりりさん☆
私も『ZOKU』シリーズの第3弾だと思ってました(笑)でもって、只今『ZOKU』『ZOKUDAM』の再読中です。シリーズ第3弾だと思い込んでいたので、調達済だったという…。
Gシリーズどうですか?なんかもうC大三人衆が不憫で不憫で。次の『目薬αで殺菌して』で彼らが活躍してくれることをただただ願う。

投稿: まじょ→きりりさん | 2008/05/19 21:28

『ゾラ~』は発売日に一気に読んだのですが。確かに、最後は全然なんですよね。先がよめる。そして、いかにもつづく!的な終わりな感じがしました(笑)
まじょ。さんのレビューを読むともう一度ちゃんと読まなきゃいけないと思いました・・・目をぎらぎらにして再読します(笑)うきうき。
そして、次はまたGシリーズなんですね。楽しみ!『カクレカラクリ』は未だに読み進められず、一章くらいで本棚に入ったまま・・・ひどい。

投稿: もとか | 2008/05/21 08:58

☆もとかちゃん☆
ラストの予定調和のことは忘れましょう。最近、森先生の意味なし作品(ジョーク)の難易度と回数が増えたもんだから、周回遅れ気味だったんだけれども。『ゾラ』程度の意味なしであればまだまだ付いてゆける、先頭集団で走れる、と思いました。
続編出て欲しいわぁ。是非書いて欲しいわぁ。森的ハードボイルドは森先生で無いと書けませんから!作家はお金を手に入れる手段で良いから、まだまだ書き続けて欲しいものです~

投稿: まじょ→もとかちゃん | 2008/05/24 15:31

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