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2008/05/05

『夢見る黄金地球儀』 海堂尊

夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38) Book 夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)

著者:海堂 尊
販売元:東京創元社
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8年ぶりに現れたチューリップハット

彼から発せられた「ジハード・ダイハード」

それは…僕らの冒険の合図

う~ん、微妙

微妙と云うか駄作?やっぱり海堂氏の本領は医療ミステリで発揮されるわけで。奇人変人役のガラスのジョーも白鳥ほどキャラ立ちしておらず。いろいろ微妙な『夢見る黄金地球儀』が本日のレビュー作。

ぼったくりフィリピンバーを8年前に潰して以来、消息を断っていたガラスのジョーが桜宮市に帰ってきたのがすべての契機。「ジュース飲まない?」くらいの軽い調子で発せられた「一億円欲しくない?」。作戦の骨子は桜宮水族館深海館に鎮座する黄金地球儀を戴くこと。けれど、ガラスのジョーが参加する作戦がスムースに進むわけがなく…。

ミステリというよりは単なるドタバタコメディ。あれ?これもミステリ・フロンティアから刊行されたんですよね?ミステリ・フロンティアについてそろそろ本気で考えるべきではないかと思っております、個人的に。

そのドタバタもテンポが無いんですよね。とにかく冗長。ラスト数ページでひっくり返そうとするのですが、そこまで至るのにもの凄くエネルギィ使うので、もうどうでも良かったり。ここまでズルズル付き合わせておいて、どんでん返しがなかったらむしろ驚くわ!ってなもんです。

この作品の愉しみ方は、田口&白鳥シリーズとのリンクを発見して喜ぶのが正しいのかも。『ナイチンゲールの沈黙』に登場した小夜ちゃんのその後とか、オープン初日をコンビナート火災によって水をさされたショッピングモール(『ジェネラル・ルージュの凱旋』参照)とか。さらに、これから起こるであろう出来事まで公開されておりまして。桜宮病院火災(『螺鈿迷宮』参照)の跡に立てられたガラスのお城が破壊されていたり、社会保険庁が解体されていたり(絶対、ロジカルモンスターが関係してると思うんだ)。

これからの海堂氏の活躍を愉しみに…ということで。たまにはこんな作品もあるでしょう。

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“ブラックペアン1988”に書かれていた… 「来春オープンする桜宮水族館の別館、『深海館』の目玉って、知ってる?」 花房は首を振る。世良は続ける。 「桜宮湾で発見されたボンクラボヤと、『黄金地球儀』なんだって」 それから25年、さてさて、、、 首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ1億円。その名も「ふるさと創生基金」。だがその金は黄金をはめ込んだ地球儀に姿を変え、今では寂れた水族館にひっそり置かれているだけとなった――はずだった。が、ある日を境にトラブル招聘体質の男・平... [続きを読む]

受信: 2008/05/06 21:55

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