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2008/05/06

『レヴォリューション NO.3』 金城一紀

レヴォリューション No.3 Book レヴォリューション No.3

著者:金城 一紀
販売元:角川書店
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脳死寸前の偏差値を持つオチコボレ男子校

でも、世界を変えるため=偏差値の高い可愛い女の子と出逢うため

今日もゾンビーズは死闘に挑む

ギョーザ大好き!!

あぁ、もう大好きだゾンビーズ。青春時代にこの作品に出逢えていたら、もっと違う時を過ごせたんじゃないかって、後悔と羨望にいつも苛まれる一作。私のオールタイムベスト10『レヴォリューション NO.3』が本日のレビュー作です。

岡田○一×堤○一×金城一紀のSPトリオで映画化された「フライ、ダディ、フライ」を御覧になったことのある方も多かろうと思いますが、本作はその「フライ、ダディ、フライ」でワイワイ騒いでいた男の子たちが主人公の青春小説です。彼等の通う男子校は脳死と判断される程の偏差値しかない上に、殺しても死にそうにないメンバが揃っているから…とゾンビと呼ばれ周囲に眼を逸らされるような存在。けれど、彼等は決してめげない。優秀な(偏差値の高い)者と優秀な者が結ばれ子供を産み、その優秀な子供たちが優秀な世界を造るのを喰い止めようと精一杯もがく彼等。だって、彼等は残念ながら偏差値が高くなるような遺伝子を持ち合わせていなかったから。産まれたときからハンデを背負っている自分たちが、そんな世界で勝てるわけ無い。だから、勝てる世界を造ろうよ!という物語。

というのは建前で(笑)単に女の子と愉しい・気持ち良いことをしたいだけなんですが。そんな彼等が近隣の超お嬢様学校の学園祭に乗り込むまでを描いたのが表題作でもある「レヴォリューション NO.3」です。超厳戒態勢のお嬢様学校に乗り込むべく、ああでもないこうでもない云いながら作戦を立てる彼等。その作戦の阿呆らしさったら青春です。でも、今年はなかなか良い作戦が思い浮かばない。なぜなら、彼等のリーダーたるヒロシが居ないから。ヒロシとの友情を背に、上へ上へと階段を駆け上るシーンでは思わず涙が。数頁前では「ギョーザ大好き!!」なんて叫んでいた莫迦丸出しの彼等が、あっという間に感動の世界へ私たちを連れて行ってくれるんですから…素晴らしい。

そして、ヒロシの幻影から逃れるべく走って走って走るのが「ラン、ボーイズ、ラン」。ゾンビースシリーズお馴染みの史上最弱のヒキを持つ男・山下がやっぱり引いてきてくれたカツアゲ事件から物語は始まります。ヒロシに逢うべく沖縄へ飛ぶための軍資金120万円を見事にカツアゲされ、その犯人探し&再度の軍資金稼ぎに精を出すゾンビーズ。自殺を試みる山下をみんなで乱暴に励ます様や、就職が決まってようがもしかしたら警察に捕まることになろうが「おもしろい」ことに向かって全力で走る彼等が最高です。

「異教徒たちの踊り」は少しミステリテイストも織り交ぜて。ギョーザ大好きに勝るとも劣らない名言がここにも登場するのですが…

「グラサン外せやぁ!」

はもう何度読んだって爆笑で、いつも息が出来なくなります。あぁ、阿呆らしい青春だ最高だ。もうこの「グラサン外せやぁ!」だけでもうお腹一杯満足です。その上、ミステリとしてもなかなか上質。優秀な人間が廻す世界で土俵で、優秀な人間に彼等が一矢報いる夏休みが描かれた本作。彼等はいつだって異教徒のように踊るのを辞めない忘れない。

とにかく大好きな一作。もっともっとたくさん読みたい。彼等の一員になったような気分を味あわせて欲しい。ついでに、映画化も希望。「フライ、ダディ、フライ」のキャスティングがなかなかだったので、是非あのメンツで。特に山下がぴったり過ぎて、思い出すだけで笑えます。ゾンビーズ、大好き!!

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