« 『もえない』 森博嗣 | トップページ | 『塩の街』 有川浩 »

2008/04/26

『ソロモンの犬』 道尾秀介

ソロモンの犬 Book ソロモンの犬

著者:道尾 秀介
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

幼き友人を喪った夏

恋よりも友情よりも何よりも

俺はその死の真相を知りたいと思った

奇しくも似たようなテイストの作品が続くことに。友人の死の真相を解き明かすべく学生たる主人公が立ち上がる…って森博嗣『もえない』と設定同じじゃないですかっ!?でも、個人的にはこちらの『ソロモンの犬』の方が好みです。いや、突っ込みポイントはいっぱいあるんですけれどね。

まずは、ノックスの十戒に抵触気味の(というか抵触している)犯人ね。ノックスの十戒とはミステリを書く上でのお約束事のことなんですが(お知りになりたい方はググってみてください)とりあえず登場していれば良いってもんじゃないでしょ?と。読了後直ぐに二階堂黎人『猪苗代マジック』を思い出しました。お読みになられた方は察してくだされば…(って、ものすごい勢いでネタ割ってるけど!)

まぁ、友人の中に犯人が居てもアレだったんですけれどね。というか、本作に犯人なんて存在するのか?死の真相を知りたいという主題を描いた作品は得てして、犯人という存在をチラつかせ読者を期待させておいて終焉を迎えたりしますから。あれ?書いてるうちに『もえない』も『ソロモンの犬』も善し悪しそう変わらないような気がしてきました(毒)

バベルの神話はなかなか良かったと思うのですが。最後にあんな駄洒落に利用されなければね。あの最後の展開は本作を陥れていると思う。大団円で終わらせたかったのやもしれませんが、なんか無理矢理臭が漂うというか。この手の作品は盛り上げるのは容易だけれども、落とすのが酷なのでしょうね。最近読んだ作品(上記2冊に石持浅海『セリヌンティウスの舟』も追加できますわね)は、どれもこれもオチに難有りです。

過去と喫茶店のシーンが交互に挿入され、続きが気になるように仕向けられていたのはとても良かったと思います。あぁ、やっと褒めることができた。道尾氏の真備庄介シリーズが読みたい。それが例え鬼門の民俗学とミステリの融合モノであっても。

|

« 『もえない』 森博嗣 | トップページ | 『塩の街』 有川浩 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/38084/20505863

この記事へのトラックバック一覧です: 『ソロモンの犬』 道尾秀介:

« 『もえない』 森博嗣 | トップページ | 『塩の街』 有川浩 »