『交換殺人には向かない夜』 東川篤哉
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交換殺人には向かない夜 (カッパノベルス) 著者:東川 篤哉 |
烏賊川市に事務所を構えるいかがわしい探偵・鵜飼杜夫
今日もいかがわしい依頼をいかがわしく調査
その先にあったいかがしい真実とは?
この作品、ミステリ的にはかなり優秀だと思うのですが、その優秀さが伝わってこないのは作品に流れるいかがわしい雰囲気の所為なのでしょうか?ユーモアミステリとして独自の路線を貫く東川篤哉氏の『交換殺人には向かない夜』が本日のメニューです。
タイトルからも丸解り、本作の主題は“交換殺人”でございます。交換殺人モノの描き方といえば、①犯人側による“いかにして交換殺人を成立させるか”か、②捜査側による“いかにして交換殺人を立証するか”のどちらかなのですが、本作の優秀なところはメイントリックがそのどちらでも無いことなんですよね。
本作で描かれる死体は3つ。探偵役を努める鵜飼杜夫が遭遇した白骨死体、探偵弟子を努める戸村流平が遭遇したスコップ殴打死体、そしてへっぽこ刑事が遭遇した女性刺殺死体。烏賊川市を見舞った歴史的大雪の夜、現れた3つの死体が見事にリンクするんですが…侮れませんよ、本作は。
ただ、その侮れなさは東川氏によるユーモア(ジョーク?駄洒落?スベリっぱなしの漫才?)の嵐によってかなり薄まります。何度読んでも慣れないこの感じ。ユーモアミステリは決して嫌いではないのですが、ここまで畳み掛けんでも…といつ読んでも思う。もっと小出し小出しに、エッセンス的に披露できんのか、と。もう、地の文すべてがユーモアなんですよ。苦手な方はとことん駄目、途中で読めなくなるのでは無いかと心配してしまうほどの量でございます。
それでも、本作はラストに優秀などんでん返しが待っておりますので、最後まで挫折せずに読んでいただきたい、と。私はこの作品好きです。いつものように「探偵・鵜飼杜夫は必要なのか?」という議論は横に置いておいて。今回はちょっと素敵な女性が登場したりするので(和泉刑事、好きです)さらに影が薄くなってるなんて、本当のことは置いておいて。
ミステリスキーな方なら、ユーモアの先に待つ結末にきっと膝を叩いてくださると思っております。是非、召し上がれ。
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