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2008/04/23

『ホテルジューシー』 坂木司

ホテルジューシー Book ホテルジューシー

著者:坂木 司
販売元:角川書店
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碧い海、広い空、輝く太陽

夏のバイトは沖縄のホテルに決まり!

だと思ったのに…なんなの?このホテル!

個人的に坂木司氏のベストだと思っている『シンデレラ・ティース』の双子作品が本作『ホテルジューシー』です。第一話は既に『Sweet Blue Age』で既読なんですが…通して読んでみると『Sweet Blue Age』で感じた残念感が払拭され、数段良くなってました。

主人公のヒロちゃんは、大家族の長女属性。そんなヒロちゃんが派遣された沖縄の“ホテルジューシー”は、昼夜二重人格のオーナー代理に、客のビキニを広げてきゃっきゃと騒ぐお掃除おばさんズ、さらに問題までいっしょに宿泊させる客…と、しっかり者には過酷なお宿。ヒロちゃんの血管が切れるのが早いか、諦め慣れてしまうのが早いか、それとも新しいなにかを見つけ成長するのが早いか、という物語です(笑)

もちろん坂木作品ですから、ちょっとしたミステリも添えて。個人的には「越境者」が好きです。人は見かけじゃない…なんて云っても、なかなか固定概念を崩せないのが人間というもの。そんな人間の浅さを描いた一編です。本作で探偵役(?)を務める“不眠症→昼は眠たいから阿呆→夜は男前”というオーナー代理が恰好良いと思った記念すべき作品でもありますし(って、結局そんな理由かよ!?)

「≠(同じじゃない)」のオーナー代理も恰好良かったですけれどね。っていうか、オーナー代理って何者なんですか?ラストまでに明かされるに違いないと思ってたのに…もしかして続編予定ありですか?だって、“不眠症→昼は眠たいから阿呆→夜は男前”っていかにも秘密の過去があります!って感じじゃないですか。そこに踏み込んでくれればもっと満足度上がってたのに。

あっ、あと「嵐の中の旅人たち」はちょっとディープでしたね。後味も悪いですし。

というわけで、悪くないけれども個人的ベスト『シンデレラ・ティース』にはやはり負けるかしら。そういえば、アライクリーニングはシリーズ化しないんですかね?段々ミステリテイストが薄くなってゆく坂木作品ですが、次回作にももちろん期待しておりますよ。

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