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2008/04/11

『扉は閉ざされたまま』 石持浅海

扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Book 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)

著者:石持 浅海
販売元:祥伝社
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閑静な住宅街、豪華なペンション、完璧な密室

何故、彼はそれほど強固に扉を閉ざさねばならなかったのか?

その秘密が明かされたとき、彼女は扉を押し開ける

カレーを作りました。指をそれはそれは見事に切りました。今も尋常ならざる量の血が流れております。「テキトーキータッチマンセー!」を信条とする私にとって、左手人差し指がお釈迦なのは辛い。それでもレビューせずにはいられない。だって、今日の作品はまたもや名作『扉は閉ざされたまま』だから。

先日W○W○Wでドラマ化もされました本作。どこかに動画が落ちてないもんかと探しておるのですが、私の拙い検索手腕では見つけられませんで。中村○介坊ちゃんの伏見は見たい。私が“プチ石持浅海祭”を始めたのも、この中村○介の伏見が見たい欲求から始まったものではないかと思料してみたり。

なんかもう、レビューの必要有るのか?ってくらいあちこちのブログで素敵レビューが書かれている本作。倒叙のスタイルを取り、“犯人VS探偵”の形式をストイックなまでに追求した作品です。正直に申し上げると、犯人の動機には「?」と思わないでもなかったり。動機なんてものは十人十色、ある人にとっては殺人を犯すに充分な理由も、ある人にとっては取るに足らない事象であったりしますから。だから、動機の面から犯人を特定するタイプのミステリは好きでは無いのですが。まぁ、それは個人的趣向。たったいま語ったテーマと同じことが云えるわけで。

まぁ、動機なんてどうでも良くなっちゃうくらい“犯人VS探偵”の頭脳戦が素晴らしいわけで。探偵役の彼女については『君の望む死に方』レビューで散々毒を吐きましたので、今回は自粛しますが、この事件をネタに強請りをかけ男を捕まえておいて(笑)もう殺人なんて見たくないとかなんとかぬかす彼女は素晴らしい人間だと思います。なんかもう、「えっ?根拠ですか?そんなものありませんよ。だって、私が間違うわけないですもの」とか云いそうだ。彼女なら。

とにかく頭脳と頭脳のぶつかり合いを愉しんでもらいたい一作。いつ扉が開くのか、いつ扉を開けるべきか、を犯人である彼といっしょに手に汗しながら読んでもらいたい一作。扉が開かれた後の描写が一切無いのも、本作を名作たらしめている所以だと思います。扉が開いたとき、それは作品が終わるときというストイックさが素敵です。

『月の扉』『扉は閉ざされたまま』という石持氏名作コンボを決められて、すっかりノックダウン気味の私。でも、次回のレビューは問題作『セリヌンティウスの舟』ですから…毒が吐けます。毒を吐きます。

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