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2008/04/30

『塩の街』 有川浩

塩の街 Book 塩の街

著者:有川 浩
販売元:メディアワークス
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すべてが塩と化した世界で

常時なら出逢えなかったふたりが

愛する人が居る世界を救うために

立ち上がる

偶然にも新設された大学読書人大賞の候補作にも挙がっている本作。大学文芸部員が活字離れを止めるべく“大学生に読んでもらいたい本”を選ぶというコンセプトだそうで。うん、確かに読むに値する一作でございました。

すべてが塩化した世界で、いつ自分も塩となるかわからない世界で、それでも信じるべきものが有るとしたら…それは愛。自衛隊三部作の“陸”編でもある本作は、自衛隊出身の飛行機乗り秋庭と、秋庭に拾われた少女が織りなすラヴストーリーです。

秋庭の動機“世界の終焉なんて興味ない。ただ、自分の好きな女が塩になってしまうのを見たくない”は、あまりにストレート過ぎて、すとんと胸に落ち着きますよね。奇才(鬼才?)入江の動機“たかが塩の分際で人間様を滅ぼそうなんて生意気な”もエゴ丸出し過ぎて、これまたすとんと。登場人物全員が“世界の為に”なんて大義名分を振り翳さないところが非現実な世界に現実を見せてくれる。やっぱり有川氏、巧いです。

ただ、個人的にグッときたのは主人公カップル(秋庭♥真奈)よりも野坂夫妻なんですが!野坂旦那の「俺だって、お前を守るためならどんなずるいことでもする」には思わず胸キュンですよね♥単行本刊行時に追加された番外編でも、野坂夫妻の作品が一番好きです。話し掛ける契機をずーっと窺ってたって旦那!ずいぶん可愛いことしてくれるじゃねぇか!!カフェオレの嘘がバレたときに「ありがとう」って言葉が出てくるところが男前ですよ、旦那。こういう切り替えしができる男の人って素敵。現実世界で出逢ったことはないけれども。

また有川氏の自衛隊モノが読みたいです。もう書かないのかしら?とりあえず、小説新潮別冊の『Story Seller』を入手しなくてはっ!有川氏だけでなく、伊坂幸太郎氏、道尾秀介氏、米澤穂信氏…そして愛しの本多孝好氏が集い集まった雑誌って

もう読むしかないでしょ!?

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受信: 2008/05/01 06:32

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世界が終わる瞬間まで、人々は恋をしていた。 その中の一つの恋が世界を救った。 そのことを僕はこれから書こうと思う。 なくしかけて、初めてわかる愛ですなぁ… 第10回電撃大賞<大賞>受賞作にて有川浩のデビュー作。 塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女。男の名は秋庭、少女の名は真奈。静かに暮らす二人の前を、さまざまな人々が行き過ぎる。あるときは穏やかに、あるときは烈しく、あるときは浅ましく。それ... [続きを読む]

受信: 2008/05/20 10:08

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