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2008/04/30

『塩の街』 有川浩

塩の街 Book 塩の街

著者:有川 浩
販売元:メディアワークス
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すべてが塩と化した世界で

常時なら出逢えなかったふたりが

愛する人が居る世界を救うために

立ち上がる

偶然にも新設された大学読書人大賞の候補作にも挙がっている本作。大学文芸部員が活字離れを止めるべく“大学生に読んでもらいたい本”を選ぶというコンセプトだそうで。うん、確かに読むに値する一作でございました。

すべてが塩化した世界で、いつ自分も塩となるかわからない世界で、それでも信じるべきものが有るとしたら…それは愛。自衛隊三部作の“陸”編でもある本作は、自衛隊出身の飛行機乗り秋庭と、秋庭に拾われた少女が織りなすラヴストーリーです。

秋庭の動機“世界の終焉なんて興味ない。ただ、自分の好きな女が塩になってしまうのを見たくない”は、あまりにストレート過ぎて、すとんと胸に落ち着きますよね。奇才(鬼才?)入江の動機“たかが塩の分際で人間様を滅ぼそうなんて生意気な”もエゴ丸出し過ぎて、これまたすとんと。登場人物全員が“世界の為に”なんて大義名分を振り翳さないところが非現実な世界に現実を見せてくれる。やっぱり有川氏、巧いです。

ただ、個人的にグッときたのは主人公カップル(秋庭♥真奈)よりも野坂夫妻なんですが!野坂旦那の「俺だって、お前を守るためならどんなずるいことでもする」には思わず胸キュンですよね♥単行本刊行時に追加された番外編でも、野坂夫妻の作品が一番好きです。話し掛ける契機をずーっと窺ってたって旦那!ずいぶん可愛いことしてくれるじゃねぇか!!カフェオレの嘘がバレたときに「ありがとう」って言葉が出てくるところが男前ですよ、旦那。こういう切り替えしができる男の人って素敵。現実世界で出逢ったことはないけれども。

また有川氏の自衛隊モノが読みたいです。もう書かないのかしら?とりあえず、小説新潮別冊の『Story Seller』を入手しなくてはっ!有川氏だけでなく、伊坂幸太郎氏、道尾秀介氏、米澤穂信氏…そして愛しの本多孝好氏が集い集まった雑誌って

もう読むしかないでしょ!?

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2008/04/26

『ソロモンの犬』 道尾秀介

ソロモンの犬 Book ソロモンの犬

著者:道尾 秀介
販売元:文藝春秋
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幼き友人を喪った夏

恋よりも友情よりも何よりも

俺はその死の真相を知りたいと思った

奇しくも似たようなテイストの作品が続くことに。友人の死の真相を解き明かすべく学生たる主人公が立ち上がる…って森博嗣『もえない』と設定同じじゃないですかっ!?でも、個人的にはこちらの『ソロモンの犬』の方が好みです。いや、突っ込みポイントはいっぱいあるんですけれどね。

まずは、ノックスの十戒に抵触気味の(というか抵触している)犯人ね。ノックスの十戒とはミステリを書く上でのお約束事のことなんですが(お知りになりたい方はググってみてください)とりあえず登場していれば良いってもんじゃないでしょ?と。読了後直ぐに二階堂黎人『猪苗代マジック』を思い出しました。お読みになられた方は察してくだされば…(って、ものすごい勢いでネタ割ってるけど!)

まぁ、友人の中に犯人が居てもアレだったんですけれどね。というか、本作に犯人なんて存在するのか?死の真相を知りたいという主題を描いた作品は得てして、犯人という存在をチラつかせ読者を期待させておいて終焉を迎えたりしますから。あれ?書いてるうちに『もえない』も『ソロモンの犬』も善し悪しそう変わらないような気がしてきました(毒)

バベルの神話はなかなか良かったと思うのですが。最後にあんな駄洒落に利用されなければね。あの最後の展開は本作を陥れていると思う。大団円で終わらせたかったのやもしれませんが、なんか無理矢理臭が漂うというか。この手の作品は盛り上げるのは容易だけれども、落とすのが酷なのでしょうね。最近読んだ作品(上記2冊に石持浅海『セリヌンティウスの舟』も追加できますわね)は、どれもこれもオチに難有りです。

過去と喫茶店のシーンが交互に挿入され、続きが気になるように仕向けられていたのはとても良かったと思います。あぁ、やっと褒めることができた。道尾氏の真備庄介シリーズが読みたい。それが例え鬼門の民俗学とミステリの融合モノであっても。

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2008/04/24

『もえない』 森博嗣

もえない―Incombustibles Book もえない―Incombustibles

著者:森 博嗣
販売元:角川書店
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自殺したクラスメイト

彼は単なるクラスメイトだったのに

何故?僕はこんなにも彼の死が気になるのだろう?

森先生の出版ペースにすっかり付いてゆけなくなりつつあります。この『もえない』もすっかりチェックを漏らしてまして。まぁ講談社ノベルスしかチェックできない、ざるチェックなんですけどね、元々。

本作は自殺したクラスメイトの死の真相を追う…というミステリ作品なのですが、いつの間にかミステリの主題が入れ替わるという「???????」作品で驚き。正直、そんな驚き方は要らなかったのですが…っていうのは、ラストの急展開に付いてゆけなかった駄目読者の毒吐きなんですけれどね。っていうか、本当にミステリ?という疑問が読書中に何度頭を過ぎったことか。

続々出てくる“いかにも怪しい”人間は、続々捨てられゆくし。結末がどう転んでも良き様にふわふわしちゃっているのは、連載という発表形態の所為なのでしょうか?でも、森先生は一気に書きますよね、作品。読者を煙に巻く森戦法は健在ですが、今回は煙が出過ぎて真っ白になっちゃった感じです。装丁のピンボケ具合が作品のピンボケ具合を表現していると云い換えても良いかと。

入口のミステリと出口のミステリ、どちらも魅力を持っているはずなのに。その間が巧く繋がっていないから、迷路で迷った感に襲われる読了後。本作は装丁が一番素敵だったかも…残念。

そういえば、ラストで辻褄合わない箇所ありましたよね?自殺した順番の件で。夢の世界に片足突っ込んでいた私のウッドフェアリーですかね?

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2008/04/23

『ホテルジューシー』 坂木司

ホテルジューシー Book ホテルジューシー

著者:坂木 司
販売元:角川書店
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碧い海、広い空、輝く太陽

夏のバイトは沖縄のホテルに決まり!

だと思ったのに…なんなの?このホテル!

個人的に坂木司氏のベストだと思っている『シンデレラ・ティース』の双子作品が本作『ホテルジューシー』です。第一話は既に『Sweet Blue Age』で既読なんですが…通して読んでみると『Sweet Blue Age』で感じた残念感が払拭され、数段良くなってました。

主人公のヒロちゃんは、大家族の長女属性。そんなヒロちゃんが派遣された沖縄の“ホテルジューシー”は、昼夜二重人格のオーナー代理に、客のビキニを広げてきゃっきゃと騒ぐお掃除おばさんズ、さらに問題までいっしょに宿泊させる客…と、しっかり者には過酷なお宿。ヒロちゃんの血管が切れるのが早いか、諦め慣れてしまうのが早いか、それとも新しいなにかを見つけ成長するのが早いか、という物語です(笑)

もちろん坂木作品ですから、ちょっとしたミステリも添えて。個人的には「越境者」が好きです。人は見かけじゃない…なんて云っても、なかなか固定概念を崩せないのが人間というもの。そんな人間の浅さを描いた一編です。本作で探偵役(?)を務める“不眠症→昼は眠たいから阿呆→夜は男前”というオーナー代理が恰好良いと思った記念すべき作品でもありますし(って、結局そんな理由かよ!?)

「≠(同じじゃない)」のオーナー代理も恰好良かったですけれどね。っていうか、オーナー代理って何者なんですか?ラストまでに明かされるに違いないと思ってたのに…もしかして続編予定ありですか?だって、“不眠症→昼は眠たいから阿呆→夜は男前”っていかにも秘密の過去があります!って感じじゃないですか。そこに踏み込んでくれればもっと満足度上がってたのに。

あっ、あと「嵐の中の旅人たち」はちょっとディープでしたね。後味も悪いですし。

というわけで、悪くないけれども個人的ベスト『シンデレラ・ティース』にはやはり負けるかしら。そういえば、アライクリーニングはシリーズ化しないんですかね?段々ミステリテイストが薄くなってゆく坂木作品ですが、次回作にももちろん期待しておりますよ。

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2008/04/22

『Ave Maria』 篠田真由美

Ave Maria (講談社ノベルス) Book Ave Maria (講談社ノベルス)

著者:篠田 真由美
販売元:講談社
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薬師寺家事件から早14年

蒼の元に届く「REMEMBER」とだけ書かれたカード

“響”と名乗る差出人…その狙いは?

蒼は薬師寺家事件の呪縛から逃れることはできるのだろうか?

今日という今日はさすがにウンザリしました、当家の本棚に。収納されている本を全部引っ張り出して、作者順シリーズ順大きさ順に並ばせたい。本を痛めたくないからと本棚をクローゼットに押し込んだのが敗因だな…クローゼットに這入るのが面倒臭くなる将来を見通せなかった自らの浅はかさが原因か?

というわけで、15分かけて発掘しました本作『Ave Maria』。念願叶って“過去に苦しむ蒼と自分の懐の狭さに山籠り修行まで考える翳”という美味しい切ない物語を堪能させていただきました。篠田女史の最高傑作だと個人的に信じて疑わない『原罪の庭』を出発点に、守られる側から守る側へ、蒼の脱皮と苦悩の時間を描いた素敵作です。

一応、ミステリ的要素も詰め込まれておるのですが、本日はスルーで。篠田女史もミステリを読ませたいわけではなかろうし。蒼が薬師寺家事件と向き合う契機、鍵が必要だったから挿入させただけだと思いますので。

しかし、蒼は本当に頑張りましたね。『原罪の庭』から蒼のめんさこにノックアウトされ続けたお姉さんは、とても嬉しい。その意味では、蒼の苦悩をきちんと昇華させるべく物語を綴ってくれた篠田女史に賞賛を。相変わらずあとがきは苛っとさせてくれますが。

物語冒頭に篠田女史よりの断りが挿入されておりますが、本作は『原罪の庭』を読まずには読めない仕様となっております。『原罪』の真相割りっぱなしなので、『原罪』を未読の方が装丁の素敵さに本作を手に取っても「なんのこっちゃい」ってな具合でまったく楽しめないかと。むしろ名作『原罪』を純粋に愉しむ機会まで失ってしまうので、損の上塗りかと存じます。お気をつけくださいまし。

というわけで、これまでダラダラどうでも良いことを書いて行を稼ぎましたので(えっ?)ここからは腐女子の時間です。ノーマルな皆様、ここまでのお付き合いをどうもありがとうございました。

ここで再確認ですが、篠田女史はBL的要素を嫌悪していらっしゃるんですよね?なのになぜ、

香澄(蒼)と翳はBL方面へまっしぐら

なんでしょうかね?私の腐女子の割りにBLは読まないので比較はできないのですが、「(クリスマス)にナンパが不首尾で良かった」と云われ顔を真っ赤にしワインに咽ぶ翳とか、眼を開けないのは自分を呼ぶ翳の声をもう少し聞いていたいからとか、香澄(蒼)のためなら“Ave Maria”をいつでも歌ってやるとか、ハグして愛の告白とか「君も僕の特別」宣言だとか、

これをBLと呼ばずしてなんと呼ぶ

って記述のオンパレードなんですが?まぁ、腐女子の私は充分愉しませていただいたわけですが。京介の行方不明を契機に(『一角獣の繭』参照)蒼と翳がもっといちゃいちゃすれば良いよ。妄想せずとも、もうお腹いっぱいです。ご馳走様でした。

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2008/04/21

『angels 天使たちの長い夜』 篠田真由美

angels―天使たちの長い夜 (講談社ノベルス) Book angels―天使たちの長い夜 (講談社ノベルス)

著者:篠田 真由美
販売元:講談社
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教師不在の高校で起こった殺人事件

犯人は校内に取り残された生徒の誰か

その誰かを助けるべく、生徒たちは事件の解明に挑む

建築探偵シリーズを再読したいのだけれど、ミステリとしては微妙かつ高確率で鬱になるあのシリーズを読む勇気はなく。小出し小出しでいこうかと。そのしょっぱなに本作を選んだのは、過去に悩み苦しむ蒼と嫉妬心丸出しの翳が読みたかったからなのですが…

チョイス間違ったようです

Ave Maria』でわだかまりが氷解したのはトリアタマ代表の私でも覚えておったのですが…その前にもこの問題を扱った作品ありましたよね?でも、蒼物語第一部『センチメンタル・ブルー』でそこまで突っ込んだ記述ありましたっけ?それとも、またやっちゃった?妄想膨らませ過ぎ?

というわけで、当初の目的は忘れ、青春を謳歌する彼等に感情移入するという正しい読み方をすれば良かったのですが…

移入しようにもできないですよあんなくそ生意気に奴等にっ!

いやぁ、篠田女史はなにを考えていらっしゃるのでしょうか?人生に悩むことは若さの特権ではありますが、今回集められた面子の悩みはやり過ぎでしょう?ひとりやふたりならまだしも、どいつもこいつもどいつもこいつも。ひとりひとりのキャラを立たせようとして、みんなで潰し合っちゃったって感じ。はっきり云って最後まで誰が誰だか覚えられませんでした。

しかも、ミステリ的にも微妙ですしね。どちらの問題を読者に考えさせたいのでしょうか?校内で起こった殺人事件ですか?蒼殺しを企むANGELの正体ですか?どちらも中途半端にした所為で失敗した感いっぱいなのですが。こういうのはどちらかに重きを置かないと…二兎追うものは一兎も得ずですよ。

とりあえず、この憤りを収めるためには『Ave Maria』を読むしかなさそうです。あの本の山から『Ave Maria』を見つけ出すことができればですけれども。

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2008/04/20

『星降り山荘の殺人』 倉知淳

星降り山荘の殺人 (講談社文庫) Book 星降り山荘の殺人 (講談社文庫)

著者:倉知 淳
販売元:講談社
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雪に閉ざされた山荘で起こる殺人事件

事件の起こったコテージに残された1筋の足跡

そして…ミステリーサークル

倉知淳氏の作品の中で、最も本格、最も好きな作品です。猫丸先輩も好きだけど、やっぱり「騙されたっ!あぁ、騙されちゃった!!」ってごろんごろんした作品というのは忘れられないものです。

というわけで、倉知氏にしては珍しい(?)バッキバキの本格ミステリが本作『星降り山荘の殺人』です。私が所有しているのはノベルス版なのですが、最終頁の最新巻お知らせには『笑わない数学者』や『コズミック』、新宿少年探偵団シリーズなんかが名を連ねております…講談社ノベルス全盛期じゃないですかっ!?これだけでも、その“本格度合”が解ろうってもんです(嘘です)

ますは、本格ミステリに必須のクローズドサークルですよ、皆様。奇しくもアフィリの帯が“真夏のミステリーズ”となっておりますが(笑)本作は閉ざされた雪の山荘ものですので悪しからず。んでもって、雪の山荘ものとセットと云っても過言ではない“足跡の問題”も当然登場します。ほら、ワクワクしてきたでしょ?そして、謎のミステリーサークルまでも登場。こういう奇天烈な現象がミステリに絡んでくると、肝心の結末をも奇天烈なものになりがちですが(笑)本作はその点もしっかりと克服してくれているのが嬉しい。

んでもって、ここからばっちりネタバレしますが、実は本作には叙述トリックまでもが仕掛けられております。これがね、巧いんですよ。シーン転換の枕に作者からの注釈(?)が入っているのですが(「本編の探偵役が登場する」とか「重要な伏線がいくつか張られているからである」とか)この注釈にすっかり騙された口ですね、私は。だって、まさか、

探偵役だと思わせといて、実は犯人ってどんだけっ!?

真相が指摘された瞬間にゾクゾクッときましたよ。しかも、直前に提示された真相がダミーだと読者に思わせといてですよ?ダミー真相はダミー真相でも違う方向へのダミーだっていうんだからっ!(読んだ人なら解ってくれるはず。このダミー連呼を)すっかり杉下くんといっしょにダミー真相を信じておりましたとも。真相は二転しましたが、心の中での一転を加えると三転したって感じです。

倉知氏の作品の中ではこれがベストだと本気で思います。真正面から「本格」に挑んだ本作という紹介文は嘘じゃない。本格ミステリスキーの方に是非読んで頂きたい一作です。

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2008/04/19

『果断 隠蔽捜査2』 今野敏

果断―隠蔽捜査2 Book 果断―隠蔽捜査2

著者:今野 敏
販売元:新潮社
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歩む道がキャリアの道でなくとも

自分の信じるものさえあれば、真っ直ぐ進むことができる

たとえそれが、混乱する現場の最中であっても

最高に愉しめました!

前作『隠蔽捜査』も良かったけれども、ちょっとだけ可愛くなった竜崎(そう思いません?)が最後まで愉しませてくれた素敵な一冊。もう、とにかくオススメしちゃう。

『隠蔽捜査』で家族の不祥事により左遷の道を選ばずにおれなかった竜崎。それは「東大以外は大学じゃない」と言い切り、キャリアの道を真っ直ぐに登ってきた竜崎の初めての挫折であったはずなのに。それでも竜崎の歩みは脇道に逸れることなく、自分の信念と合理性を信じ貫き、真っ直ぐとただ前へと。

竜崎の左遷先は因縁の大森署。署長としてただただ判を押すだけの非合理な仕事を繰り返す日々。そんな日々に一発、いや二発の弾丸が。署内で起こった飲食店立て籠もり事件と、妻の不調。混乱する立て籠もり事件現場で、指揮官としてひとつの決断、いや果断を下した竜崎。その果断によって人質は無事解放されたが…そこからが竜崎が足を踏み入れた獣道。苦難の始まりです。

とにかくもう、二度目の左遷決定おめでとう状態だった竜崎が下した果断には眼を見張るものがあります。物語後半のジェットコースター感は最高。頁を捲る手が止まりません。しかも、そんな竜崎を補佐すべく立ち回る大森署の面々がまた素敵なんですよ。能面副署長が破顔した瞬間なんて、ちょっと胸が熱くなりますよ。前作の問題児・戸高も良い仕事してくれましたし。SIT&SATのふたりも素敵、特にSITの下平が一言申し上げた瞬間なんて。

相変わらず伊丹の天然ずる賢さも光っておりましたが。そんな伊丹も方面本部長に一発食らわしてましたしね。あのシーンも好きです。副署長びっくりの判子押しながらトークなんて、『果断』の名シーンのひとつだと思っております。

名シーンといえば、竜崎が「何度目だナ○シカ」に感動したときのあの素直さったらなかったですね。息子ともうまくやれてるじゃないですか。娘にどのボタンを押せば風呂が炊き上がるのかを聞く竜崎も超めんこかったです。竜崎、絶対可愛さ増してるよ!

とにかく、竜崎がもの凄く良い方向に向かっていて嬉しかった&作品としてのクオリティも素晴らしかった一作。とにかくオススメしちゃう。ただ、『隠蔽捜査』を先に読まれることをオススメします。そうすると、竜崎の可愛さがわかるはず。どうでも良いんですが、竜崎は私の脳内で勝手に水○豊さんになります。『相棒』の見過ぎだってばよ!

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2008/04/18

『チョコレートビースト』 加藤実秋

インディゴの夜 チョコレートビースト (ミステリ・フロンティア) Book インディゴの夜 チョコレートビースト (ミステリ・フロンティア)

著者:加藤 実秋
販売元:東京創元社
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「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」

渋谷の街、異端ホストクラブとして同業者から疎まれるclub ingigo

けれど、トラブルに巻き込まれた瞬間…頼りたくなるのはclub ingigo

さっそく入手に成功しました『インディゴの夜』続編、『チョコレートビースト』。前作のレビューでも「2編目からはミステリでもなんでもなくなってるし」と毒を吐いた私ですが、今回ものっけから毒を吐かせていただきます。

ミステリでもなんでもないやんけ!

いや、薄々どころかマルッとお見通しだったんです。でもね「ミステリ・フロンティアから出版されてる本なんだし、そろそろミステリテイストの作品で来ても良いではないか良いではないか」って夢見ちゃったんです。マルッと脱がされた恰好だな、こりゃ。

トリアタマ標準装備の私の脳は、ミステリ以外の本については「記憶する」という機能をあっさり放棄してしまうので(ミステリ作品でも記憶できなくてひぃひぃ云ってるのに!)3日くらい前に読んだこの本の中身なんて、すっかり忘却の彼方です。とりあえず、ミステリでも無ければ、ホストがしゃしゃり出てくる必要もない事件ばかりを扱っていたようないなかったような。

無理矢理ホストたちを登場させました感でいっぱいだったんですよ、確か。「えっ?これってホスト使う意味なくないですか?」って何回かツッコミを入れたような気がするんですよ。「社内いざこざなら社内で解決くださいまし」って頭を下げた記憶があるようなないような。とにかく、ホストが探偵(というか小間遣い)になる必要の無い=そもそもの主題から外れた作品に出来上がっていたような気がします。既にうろ覚えで「気がします」とか「確か」とか曖昧表現毒吐きを連呼してまして申し訳ないですね。

とにかくミステリではない。じゃあドタバタコメディか…いや、どっこも笑えなかったような気がするな、という記憶に残らない一冊であったことは間違いないです。これだけは太鼓判を押します。さらに続編が出たとしても、このシリーズだけは読まないでしょう。だって、ミステリじゃないもん。

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2008/04/16

アニメ「図書館戦争」

『図書館戦争』公式サイト

北海道國では27日(日)から放送の始まるアニメ「図書館戦争」

待ってらんねぇ!!

ってことで、逝ってきました動画サイト。

とにかく原作に忠実、原画に忠実、脳内イメージに忠実(笑)な造りで大満足でございます。OP原作クレジットに『図書館戦争』『図書館内乱』『図書館危機』って書いてありましたが、いったいどこまでアニメ化するおつもり?『図書館革命』が無いのは何故に?まぁ、堂上♥郁がしっかり結ばれてくれればお姉さん文句は云いませんけれども。アニメオリジナルの結末なんかもオッケーですし。

と、ここまでなんとか自分を押さえ込んできましたが、どうやらもう無理みたいです。さっきから無意識に「小牧」「小牧」とキータッチしている自分が…だって!

小牧が石田彰ボイスなんですものっ!!!!!

最高♥もうこの要素だけで毎週悶えられる♥石田彰ボイスであの名台詞「もう子供に見えないから困ってるよ」が披露される日が来るんですよね♥悶え死にも本望です。いやぁ、小牧=石田彰とは盲点でしたね。ぴったりすぎて。ソフト腹黒(笑)やらせたら、石田彰の右に出れる声優は居ないでしょう。あぁ、しあわせ♥

「状況〇一」は堂上♥郁のゲロ甘はございませんが、図書館シリーズスキーなら愉しめること請け合い。あのふたりの身長差は客観視するとこうなるのかーとかメガネ柴崎とかキュンキュンしながら見てました。次回は手塚も登場しますしね…人間できてない(「いまだって空気読めてない」とか云わないの!そこっ!!)手塚を見るのも愉しみです♥

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『赤い指』 東野圭吾

赤い指 Book 赤い指

著者:東野 圭吾
販売元:講談社
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ねぇ、お化粧ごっこしようよ

認知症の母の指 真っ赤に染まった赤い指

すべてを詳らかにする赤い指

「遅っ!?貴女、それでも自称・加賀刑事スキー?」というお声が四方八方から聞こえてきそうな本日のレビュー。「図書館予約待ち800人にすっかり萎えて、そのまま忘れてました」なんて、口が裂けても云えない。

帯には直木賞受賞第一作とか書いてありますね…私はもう何年加賀刑事を放ったらかしにしてしまったのでしょうか?こんな家族想いの加賀刑事をっ!くぅぅぅぅ、もう本気で惚れました。加賀刑事、一生ついてゆきます。だから、中村○介さんあたりでドラマ化しませんか?(えっ?ってか、自己認識してるより中村○介さん好きね貴女)

本作は加賀刑事モノお馴染みの“犯人冷や汗たらたら加賀刑事がその鋭い眼差しでぐんぐん迫ってくるよー”モノです(どんなモンやねん)犯人からしたら怖いですよ。自分の思考が見事にトレースされて晒されるんですから。しかも、犯人が認識していない真実まで攫えて披露されちゃうんですから。怖いですよ~。

というわけで、加賀刑事だから見抜けた真相を私如きが見抜けたわけがございません。当然、パパといっしょにびっくりです。この仕掛けって、本筋(ミステリ)とは関係がない読者サービス(というか、警鐘?)なので、見抜けなくてもオッケーだとは思うのですが。ついでに申し上げると、事件としての難易度は大して難しくないので、加賀刑事がいなくてもこの事件自体は終息を迎えたでしょうね。1日か2日、エンドが伸びただけで。

しかし、捜査一課から加賀刑事への信認は厚いですねぇ…有望株じゃないですか。昔は加賀刑事モノ=ヒロインとの恋愛モノだったはずが、バレリーナとの恋愛がおじゃんになってから、そっち方面のお話は一切聞こえてきませんね。こんなに優秀で有望な男が居るのに…署の女性はなにをやっているのでしょうか?(余計なお世話だ)

そして、ラストの“父と子の約束”には胸がキュンとしました。将棋の件なんて、眼にうっすらと。ただ“切れる”だけじゃない、“優しさ”まで備えた加賀刑事…ほらっ、ここに優良物件があるわよっ!(だから余計なお世話だ)次回作では、独りになってしまった加賀刑事に素敵な恋が訪れることを期待しております。

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2008/04/15

二つ名メーカー

ブログお友達のきりりさんのブログで拝見してからずっと試してみたかった二つ名メーカーに挑戦してみました。
どんな悪い二つ名で命名されるのかとうっきうきしながら入力。

とりあえず、ブロ愚ネームのまじょ。で入力

アンバランスランチャー
空笑念慮

なかなか悪い♥念慮ってのは希死念慮の念慮ですから…精神に異常をきたして笑みが止まらない感じ?笑いながら相手をぼっこぼこ…悪っ♥これは殺し名でしょう。ランチャーだし。グレネードランチャーを四方八方にぶっ放しながらクツクツ微笑…って、どんだけ(笑)

ちなみにまじょ。を取ってみましたら

ゴシックペナルティ
贖罪関数

と相成りました。あら?こっちの方が素敵?贖罪ってのが良い♥すんごい悪事をはたらいておきながら、「すみませんすみません」って謝ってばっかりなの。ちなみに、私は数学はさぱーりなので、関数ってのはフェイクで。こっちは呪い名っぽいですね。黒幕を追い詰めてみたら「すみませんすみません」って謝ってばっかりの女…みたいな?しかし、自分で黒幕って…せめて捨て駒くらいにしておきなさい。

西尾維新スキーならきっと愉しめると思いますので、是非お試しください♥

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『交換殺人には向かない夜』 東川篤哉

交換殺人には向かない夜 (カッパノベルス) Book 交換殺人には向かない夜 (カッパノベルス)

著者:東川 篤哉
販売元:光文社
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烏賊川市に事務所を構えるいかがわしい探偵・鵜飼杜夫

今日もいかがわしい依頼をいかがわしく調査

その先にあったいかがしい真実とは?

この作品、ミステリ的にはかなり優秀だと思うのですが、その優秀さが伝わってこないのは作品に流れるいかがわしい雰囲気の所為なのでしょうか?ユーモアミステリとして独自の路線を貫く東川篤哉氏の『交換殺人には向かない夜』が本日のメニューです。

タイトルからも丸解り、本作の主題は“交換殺人”でございます。交換殺人モノの描き方といえば、①犯人側による“いかにして交換殺人を成立させるか”か、②捜査側による“いかにして交換殺人を立証するか”のどちらかなのですが、本作の優秀なところはメイントリックがそのどちらでも無いことなんですよね。

本作で描かれる死体は3つ。探偵役を努める鵜飼杜夫が遭遇した白骨死体、探偵弟子を努める戸村流平が遭遇したスコップ殴打死体、そしてへっぽこ刑事が遭遇した女性刺殺死体。烏賊川市を見舞った歴史的大雪の夜、現れた3つの死体が見事にリンクするんですが…侮れませんよ、本作は。

ただ、その侮れなさは東川氏によるユーモア(ジョーク?駄洒落?スベリっぱなしの漫才?)の嵐によってかなり薄まります。何度読んでも慣れないこの感じ。ユーモアミステリは決して嫌いではないのですが、ここまで畳み掛けんでも…といつ読んでも思う。もっと小出し小出しに、エッセンス的に披露できんのか、と。もう、地の文すべてがユーモアなんですよ。苦手な方はとことん駄目、途中で読めなくなるのでは無いかと心配してしまうほどの量でございます。

それでも、本作はラストに優秀などんでん返しが待っておりますので、最後まで挫折せずに読んでいただきたい、と。私はこの作品好きです。いつものように「探偵・鵜飼杜夫は必要なのか?」という議論は横に置いておいて。今回はちょっと素敵な女性が登場したりするので(和泉刑事、好きです)さらに影が薄くなってるなんて、本当のことは置いておいて。

ミステリスキーな方なら、ユーモアの先に待つ結末にきっと膝を叩いてくださると思っております。是非、召し上がれ。

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2008/04/14

『別冊 図書館戦争Ⅰ』 有川浩

別冊図書館戦争 1 (1) Book 別冊図書館戦争 1 (1)

著者:有川 浩
販売元:アスキー・メディアワークス
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待ってましたぁ♥

図書館シリーズスピンアウト第Ⅰ弾!

恋愛成分が苦手な方はご健康のために購入をお控えください

ゲロ甘を超える糖度表現をどうか私に授けてください

“恋愛成分が苦手な方はご健康のために購入をお控えください”という警告文が冗談になってない『別冊 図書館戦争Ⅰ』。いやもう、ご馳走様でした。

純粋培養乙女茨城産に翻弄され、「我慢。これ美徳」と書かれた旗印を背中に背負った可哀想な三十路男のピュアラヴストーリーが5編も収録された本作。無意識下ながらも散々いちゃつき続けたクマ殺しふたりを…誰が止められるっちゅーねん。“笑う正論”小牧はすぐ上戸入っちゃって役立たないだろうし(これは本当)、“頑な少年”手塚は空気読めないし(これも本当)、“情報屋”柴崎はここぞとばかりに売り飛ばしそうだし(これは嘘かな…多分)大丈夫か図書館隊?

というわけで、ゲロ甘ポイント以外を探すほうが難しい本作の中でも、管理人が特に戻しそうになった顔がにやけたポイントを個別解説することでレビューに代えさせていただこうかと思っておりますので…未読の方&恋愛成分が苦手な方はご健康のためにスクロールをお控えくださると幸いです。

「明日はときどき血の雨が降るでしょう」のにやけポイントは、クマ殺しに突き飛ばされた柴崎を片手で颯爽と助けた手塚でしょうかね?それとも、自分の肩にも届かない柴崎の歩みを「-覚えた」と独りごちる手塚ですか?あっ、でもやっぱり、郁の“いつか殺すリスト”に見事リストアップされた手塚の方が?って、

手塚ばっかりじゃねぇか!

いやぁ、スピンアウト第2弾まで待ってられないんですよ!(勝手に第Ⅱ弾は手塚♥柴崎の大人ラヴが読めるに違いないと思い込んでいる)『図書館革命』の担保のくだりから、管理人の中でこのふたりが熱くって仕方ないんですよ!!堂上♥郁のピュアラヴ具合は荒みきった管理人の心には堪えるんですよ…ぐはっ(吐血)。ってわけで、「明日はときどき血の雨が降るでしょう」のにやけポイントは副隊長の机に土足で上がる堂上ってことにしておいてください。

「一番欲しいものは何ですか?」のポイントはやっぱり郁の願い(欲しいもの)をしっかり敵えてくれる堂上ですよね!合間に呟く「そんで、その一番はこっちも思ってないとでも思ってるのか」って…盛りのついた中学生じゃあるまいしっ!!純粋培養乙女茨城産に感化されて、三十路男が中二病に(笑)ご馳走様です。しかし、堂上の妹が半端ないくらいぶっ飛んだキャラクタでしたね。あの妹が居て、あの世話焼き堂上が出来上がったのか…不憫だ、堂上。

「触りたい・触られたい二月」はこれまた直球なタイトル。個人的にやけポイントは人目憚る余裕なしで名前呼びの堂上なんですが(笑)、指揮権置忘れる様を俯瞰で眺められたら私も本望でございます♥堂上&小牧の大人トーク「お膳立てされたような機会なら一回あった。普通の女ならそのまま最後までいっているようなそんな流れだった」なんて、垂涎モノでしたしねっ!!それまで中二病・堂上ばかりを読まされていたので、大人の男・堂上が読めてお姉さん安心しちゃったよ。

「こらえる声」はさらに直球タイトルなんですが、にやけポイントもこれまた直球。「~やる気ありすぎだろう、それは」「そんな痴女みたいな真似~」のくだりでは、人目(同居人の)憚らず爆笑させていただきました♥小牧じゃなくても上戸入るでしょう、これは!記念すべき一夜もこのカップルにかかればコントです。「下向いて手ぇ伸ばせー。首すくめるなー」って、おいっ!ムードの欠片もあったもんじゃないな!それだもん、リネンじゃなくて肩噛まれるだろうさ…って、堂上も郁もいっぱいいっぱいだったんだろうなぁ…と思わせる心温まるエピソードでございました。

あとね、「あんまりかわいいこと書いてくれるな、バカ」って貴方も充分…バカ。

そして最終話「シアワセになりましょう」。この作品は図書館VS良化委員会ネタも盛り込まれていたので、糖度は比較的低め。でもまぁ、喧嘩も恋の華、指環でも指輪でもなんでもお好きにご購入くださいってことで。一番のにやけポイントは説諭役のなまはげってことにしておいてください(別冊Ⅱではなまはげ♥折口も読めますかね?)。

とにかく、どこを開いても胸やけ必至の劇薬ラヴストーリー。図書館シリーズが大好きな方も、ちょっと糖分足りなくって~という方も、必読の一冊でございます。

どうもご馳走様でした美味しゅうございました

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2008/04/12

『セリヌンティウスの舟』 石持浅海

セリヌンティウスの舟 (カッパノベルス) Book セリヌンティウスの舟 (カッパノベルス)

著者:石持 浅海
販売元:光文社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ひとつの舟となり、心を通わせ合った僕たち

そんな僕たちが遭遇した巨大な嵐

それは…心通い合ったはずの友人の死

本作『セリヌンティウスの舟』を以って“プチ石持浅海祭”は終了でございます。既読未レビュー作品を読みますレビューしますという主旨の祭ですので、本作もその対象となってしまうわけで…

読む価値あるのか?って出来ですけれど(ぼそり)

本作は『扉は閉ざされたまま』の次に発表された作品で、あの衝撃と感動と興奮がまた味わえる!と喜び勇んで頁を捲った私は、大変な肩透かしをくらったものです。だって「仲間と共に友人の死の真相を解き明かす。しかもディスカッションのみで」なんて主旨の作品、『扉は閉ざされたまま』を連想するなっていうほうが無理。

まぁ、その真相が度胆抜かれるほど上等なものだっていうのなら、話は別なのですが。本作も名作に成り得る資質は充分に有ったと思っています。「自殺だと思われていた友人の死が実は他殺だったとしたら?もしも他殺なら…犯人はこのメンバの中」だなんて、素敵なシチュエーションじゃないですか。ここからおもいっきりテレビネタバレレビューにします。ネタバレせすに毒吐くなんていう芸当は私には無理でした。

もし、本作の結末が「友人の死はやっぱり他殺だった」っていうものなら、名作になったと思うんですよね。読者もそれを望んでいたと思いますし。けれど、「やっぱり自殺でした。しかも、自殺後に仲間たちが再度結束できるかどうかジャッジする判定員まで用意した上での、覚悟の自殺でした」ってなんですか?ミステリ読者って、人間が書けてなくても構わないから超弩級の物理トリックか、思わず膝を叩くような叙述トリックをかまして欲しいと思っている人たちなんですよ(超偏見ですね!!)。そんな読者に「心の通い合い」ミステリを読ませてどうするんだ?と。

しかも、そんなシチュエーションで心の繋がりが深め合えるとは思えないのですが。一度疑ってしまった相手と、その後もうまくやってゆけるものでしょうか?しかも、登場人物たちは結局議論を投げ出そうとしたわけで。投げ出して得た結末というのは、心にしこりを残すのでは無いかと?

この世に壊れないものなんて無いと思います。それが人と人の繋がりであるなら尚更。だったら、その壊れゆくものに思いを馳せれば良い。「自分は死ぬけれど、残す人たちにはずっと壊れないままいて欲しい」なんて、どれだけ自己満足?

『走れメロス』とのリンクも巧くないですしね。取って付けたような印象。個人的にあのメロス解釈が、一番不要だったと思っております。超無理矢理感満載!素材が悪くないだけに、残念な結末になってしまった一作。だから、同じ趣向の作品で名作を生み出して欲しいと個人的に期待していたりします。

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2008/04/11

『扉は閉ざされたまま』 石持浅海

扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル) Book 扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)

著者:石持 浅海
販売元:祥伝社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

閑静な住宅街、豪華なペンション、完璧な密室

何故、彼はそれほど強固に扉を閉ざさねばならなかったのか?

その秘密が明かされたとき、彼女は扉を押し開ける

カレーを作りました。指をそれはそれは見事に切りました。今も尋常ならざる量の血が流れております。「テキトーキータッチマンセー!」を信条とする私にとって、左手人差し指がお釈迦なのは辛い。それでもレビューせずにはいられない。だって、今日の作品はまたもや名作『扉は閉ざされたまま』だから。

先日W○W○Wでドラマ化もされました本作。どこかに動画が落ちてないもんかと探しておるのですが、私の拙い検索手腕では見つけられませんで。中村○介坊ちゃんの伏見は見たい。私が“プチ石持浅海祭”を始めたのも、この中村○介の伏見が見たい欲求から始まったものではないかと思料してみたり。

なんかもう、レビューの必要有るのか?ってくらいあちこちのブログで素敵レビューが書かれている本作。倒叙のスタイルを取り、“犯人VS探偵”の形式をストイックなまでに追求した作品です。正直に申し上げると、犯人の動機には「?」と思わないでもなかったり。動機なんてものは十人十色、ある人にとっては殺人を犯すに充分な理由も、ある人にとっては取るに足らない事象であったりしますから。だから、動機の面から犯人を特定するタイプのミステリは好きでは無いのですが。まぁ、それは個人的趣向。たったいま語ったテーマと同じことが云えるわけで。

まぁ、動機なんてどうでも良くなっちゃうくらい“犯人VS探偵”の頭脳戦が素晴らしいわけで。探偵役の彼女については『君の望む死に方』レビューで散々毒を吐きましたので、今回は自粛しますが、この事件をネタに強請りをかけ男を捕まえておいて(笑)もう殺人なんて見たくないとかなんとかぬかす彼女は素晴らしい人間だと思います。なんかもう、「えっ?根拠ですか?そんなものありませんよ。だって、私が間違うわけないですもの」とか云いそうだ。彼女なら。

とにかく頭脳と頭脳のぶつかり合いを愉しんでもらいたい一作。いつ扉が開くのか、いつ扉を開けるべきか、を犯人である彼といっしょに手に汗しながら読んでもらいたい一作。扉が開かれた後の描写が一切無いのも、本作を名作たらしめている所以だと思います。扉が開いたとき、それは作品が終わるときというストイックさが素敵です。

『月の扉』『扉は閉ざされたまま』という石持氏名作コンボを決められて、すっかりノックダウン気味の私。でも、次回のレビューは問題作『セリヌンティウスの舟』ですから…毒が吐けます。毒を吐きます。

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逆転の発想

「逆転検事」はいつ買えますか?

どこで買えますか?

情報が入ってきたとき、震えと笑みが止まりませんでした。
もういまから愉しみで愉しみで仕方ありません。

愛しのみっちゃん♥カタカタカタカタカタカタカタカタ…

動くみっちゃん(公式HP)はこちら

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2008/04/10

『月の扉』 石持浅海

月の扉 (光文社文庫) Book 月の扉 (光文社文庫)

著者:石持 浅海
販売元:光文社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

乳幼児を人質に取ったハイジャック犯の要求は唯ひとつ

警察署に留置されている石嶺孝志を指定した時刻までに連れて来ること

さぁ、いっしょに行こう

名作!!!!!!!!!

何度読んでも素晴らしいと感じることのできる作品。惜しまずに使います“名作”という言葉を。

本作は『心臓と左手』で再登場を果たした座間味くんが登場した記念すべき1冊。まだ独身だった座間味くんが彼女(後の嫁)と乗り込んだ飛行機で起こったハイジャック事件。彼女(後の嫁)を守ることだけを考えていたはずなのに、ハイジャック犯にあれよあれよと担ぎ出され、いつの間にか機内で起こった殺人事件の真相を究明することに。

正直に申し上げれば、ミステリとしての難易度は低いです。座間味くん、初めて扱う事件だから勝手が分からないのかな?なんて余計な心配をしちゃうくらいです。でも、本作の主題はそこではないんですよね。殺人の裏に必ず存在する“憎悪”や“悪意”という醜い感情を、正反対の“美しさ”でもって描く。文庫版帯に書かれている「かつて、こんなに美しいミステリーがあっただろうか」なんて、名紹介文だと思います。名作には名紹介文を。美しい。

しかも、殺人事件が解決された後にも怒涛の急展開が。本作が名作たる所以はここだと思っておるのですが、頁を捲る手を止めて「マジで?」って呟かずにはいられません。「えっ?えっええっ??」って云ってる間に終焉を迎えてしまうのですが、その余韻にしばらく浸れます。素晴らしい。

作品ラストの一文には、もうゾゾゾッとしますよ。座間味くんの最後の一言にちょっとだけ眼を潤ませてしまう私は、すっかり『月の扉』の世界にのめり込んでしまっていたようです。座間味くんを変えた何かが、私をも変えてしまったかのような。

石持氏お得意のクローズド・サークル。クローズド・サークルだからこそ起こりうる探偵と犯人(ハイジャック犯をも含む)の心の交流がとにかく美しい。最後のあの瞬間、座間味くんが感じたのは絶望か羨望か。

とにかく読んでもらいたい1作。惜しげもなく使います“名作”という言葉を。

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2008/04/09

『アイルランドの薔薇』 石持浅海

アイルランドの薔薇 (光文社文庫) Book アイルランドの薔薇 (光文社文庫)

著者:石持 浅海
販売元:光文社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

レイクサイドハウスで起こった不可解な殺人

すべてはあの日の爆破テロから

すべてはアイルランドの統一のため

唐突に“石持浅海ブーム”が私に到来しまして、既読未レビュー作品を片っ端から読み漁っております。しばらく“プチ石持浅海祭”が開催されることとなりましたので、皆様お付き合いくださると幸い。

“プチ石持浅海祭”第1作目の作品は石持氏のデビュー作でもある『アイルランドの薔薇』。歴史スキーを自称しております私ですが、そのベクトルは全面的に日本史方面に向いているため世界史には明るくありませんで。アイルランド問題についても本作で初めて知ったくらいの駄目人間です。本作はそんな駄目人間な私でも充分理解できるようアイルランド問題の歴史や背景をしっかり描写しつつ、ミステリ(しかも石持氏お得意のクローズド・サークル!)まで拵えてしまうという意欲作。

殺害されたのはアイルランド統一に尽力する武力勢力NCFの副議長(つまりお偉いさん)。犯人候補はレイクサイドハウス宿泊客8名。しかもその8名のなかには正体不明の殺し屋まで紛れ込んでいて…と、犯人当てでも愉しめる、殺し屋当てでも愉しめるという、1冊で2度美味しい作りになっております。

個人的には犯人究明の契機が動機方面からだったのが残念なのですが(って、それが本作のウリじゃないですかっ!?)物理的な理由付けもなされていた(伏線もしっかり張られていたしね)から及第点にしましょうか。本格ミステリは(西澤保彦氏が本作を「いまここに鮮やかに咲きほこる“本格”という名の美しい薔薇」と評しております)ロジックロジックロジックで詰め詰めして欲しいものですから。個人的好みですけどね。

さらに個人的好みを申し上げるならば、もう少し殺し屋のターンが多くても良かったかな、と。探偵役VS殺し屋の頭脳対決みたいな展開も読みたかったかも。まぁ、表舞台に登場してしまっては“正体不明の殺し屋”では無くなってしまうんですけれども。殺し屋という特殊過ぎる職業の方を登場させた割に…活かしきれていなかったように思います。個人的好みですけどね。

でも、やっぱり石持氏は長編の方がイイッ!と再認識。次回は超名作『月の扉』のレビューでお逢いしましょう。

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2008/04/08

『遠まわりする雛』 米澤穂信

遠まわりする雛 Book 遠まわりする雛

著者:米澤 穂信
販売元:角川書店
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省エネ主義・折木奉太郎が省エネを放棄し、謎解きに挑む

それもこれも千反田えるのあの一言のせいなのだ

「わたし、気になります」

久しぶりの古典部シリーズ。もちろん「あれ?古典部シリーズって省エネだっけ?小市民だっけ?」という事前準備が必要です。痴呆症気味のこの脳が恨めしい!

というわけで、省エネだった本作『遠まわりする雛』。古典部メンバの1年間が7編の短編で描かれております。若干、「あれ?古典部のメンバってこんな射に構えた奴等ばっかりだった?」という戸惑いはありましたが、すべて鳥頭の所為にしました。きっと既出作品も捻くれ&こしゃまっくれた物言いであーでもないこーでもないやってたんだと思います。覚えてないだけで。

さて、収録作のうちもっとも好みだったのは「心あたりのある者は」でしょうか。自分とは全く関係無い事象について、想像だけであれやこれやと議論する…そのシチュエーションが超愉しいですよね。私もよくやります。どっちかっていうと想像というより妄想ですが。この「心あたりのある者は」は最終的にホータローの想像が正しいことが証明されるのですが、正しさの証明に何頁も費やす自慰小説が多いなか、数行でそれを示してくれた本作には好感を覚えます。

あとは「あきましておめでとう」のラストの台詞。「やあ。あけましておめでとう」「よお。あきましておめでとう」には思わず「巧い!」と膝を叩きました。こういうジョーク大好き。こういう言葉を返せるような素晴らしい脳が欲しいものです。でも、作品の主題である閉鎖空間からの脱出については、堂々と声を上げれば良かったのだと思います。まわりくど過ぎる。

本作は古典部1年間を描くという主題の他に、もうひとつ主題がありましたね。それは恋。いやぁ、高校生らしい主題で恨めしい…もとい羨ましいです。作品タイトルの『遠まわりする雛』がホータローの遠まわり具合と絶妙にマッチしていて良い。次からの古典部シリーズには恋愛要素がさらっと挿入されるのでしょうか。恨めしい清々しいですね。ホータローが如何にして省エネを脱却するのか…これからのシリーズに期待。

って、これからの古典部シリーズの予定が米澤氏の公式HPに記載されてないじゃない!?

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2008/04/07

『インディゴの夜』 加藤実秋

インディゴの夜 (ミステリ・フロンティア) Book インディゴの夜 (ミステリ・フロンティア)

著者:加藤 実秋
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」

そんな何気ない一言で生まれたclub ingigo

一風変わったホストたちが、夜の街に起こるトラブルを解決する

『犬はどこだ』文庫版の横に平積みしてあった本作。創元推理短編賞受賞作だというので購入。読み終わって気がつく…これって『モップガール』の原作書いた方の本じゃないですか。

テイストは作品紹介欄に書いた通りなのですが、読了前個人的イメージは“ホストが店に来店した女性の悩み・トラブルを安楽椅子探偵よろしく解決する”でした。では、実際はどうだったかというと…独自の情報網を活かして駆けて駆けて駆け巡るドタバタミステリ。どこが安楽椅子やねん。

しかも、「DJやダンサーみたいな男の子」がホストであるため、サークルの学生たちが事件解決に挑んでいるような錯覚を覚えるんですよね。ホストという設定にする必要はあるのか?と。その割りに扱う事件は殺人に誘拐事件にと本格的。このギャップを狙った作品だったのでしょうか?それとも渋谷の街ではそんな事件も茶飯事なんでしょうか?

ミステリの難易度はかなり低めです。というか、低過ぎるくらい。「あぁ、それについては10頁くらい前に気がついてたよ!」とか当たり前です。しかも、2編目からはミステリでもなんでもなくなってるし。

では、キャラ萌え作品なのかと聞かれればそうでもなく。1編毎に活躍するホストが異なるのでキャラ萌えも難しく。そもそもホストたちに魅力もないし(個人的趣向に合わないだけやもしれませんが)。個人的には王道ホスト・空也と組合会長・なぎさママには魅かれるけれども。

続編が出ているとのことなので、ある程度の需要・人気はあった模様ですが。とりあえず、続編も入手でき次第読んでみるつもりですが、そちらはもっとミステリミステリした作品だと嬉しいです(ミステリ・フロンティアで出版しているわけだし!)

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2008/04/06

『温かな手』 石持浅海

温かな手 Book 温かな手

著者:石持 浅海
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

人間の生命力を糧としていきる種

パニックに陥った人間の余分なエネルギーを吸い上げて

彼らは謎を解き明かす

石持氏は本当に精力的な執筆活動をされていらっしゃるなぁ、と思います。ただ、執筆速度と傑作とが安直に結びつかないのが小説家というお仕事。はてさて、本作『温かな手』はいかがだったのでしょうか?

以前から申し上げております通り、私は石持氏の魅力は長編でこそ発揮されると思っておるのですよ。練りに練り上げられたプロット、計算され散りばめられた伏線、そういったミステリスキーをゾクゾクさせる作品が書けるミステリ作家だと。なので、短編という枚数の制約がかかったコースでは、結末へのドライビングが強引になってしまうのです。

そんなわけで、本作『温かな手』も強気なドライビング。どの作品も正しい所に落ち着くのですが、そこまでの道筋が障害物のない一本道なんですよね。次から次へと都合の良い状況や証言が飛び出してきて、「そりゃ、その結末に落ち着くだろうさ」と感じてしまう。作中の登場人物の言葉を引用するならば、

「実はわたし、あの場で謎を解こうなんて、まったく考えてなかったの」

まさにそんな感じなんですよ。この引用方法はちょっとアンフェアなんですが(前後の文章を抜いているので、探偵役がただの阿呆であるかのようだ)でも、作品が持つ全体の雰囲気を巧い具合に表現している言葉だと思います。謎を解こうだなんて思ってなかったけど、ちょっと頭を働かせたらいつの間にか解いちゃってた、みたいな。というわけで、ミステリ目線オススメ作品は特段無かったりします。

でも、ラストに収録されていた表題作「温かな手」は良かったですね。正直なところ「なんで“ギンちゃん”と“ムーちゃん”という2人の探偵役を用意する必要があるのか?」と思っていたのですが、すべてあの結末に帰着させるためだったとは。互いのパートナーに触れ「任せられる」と思ったからこそ選択されたラスト。喪失感が充分に巧く表現されていたと思います。あの作品がラストに有ったから、この作品が好きになった。そう思わせる秀作。

でも、やっぱり『君の望む死に方』には敵わないので、石持氏にはこれからも長編を書いてもらいたい、と。時間がかかっても長編を!と願って已まないのです。

あっ、探偵役が人間以外の謎の生物であることは特に気になりませんでしたのよ!

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2008/04/05

『凶鳥の如き忌むもの』 三津田信三

凶鳥の如き忌むもの (講談社ノベルス) Book 凶鳥の如き忌むもの (講談社ノベルス)

著者:三津田 信三
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

怪異譚を愛して已まない小説家・刀城言耶

今日も怪異を求めて東奔西走

そして出遭った怪異は…人間消失

「更新は1週間ほど滞ります」と宣言しておきながら、2週間滞らせていただきました当ブロ愚。この2週間のうちに関東方面に2回遠征に行ったり、友人夫婦にこのブロ愚の存在がバレてみたり、風邪を召してみたりと色々遭ったわけです。

さて、再開第1弾レビューは厭魅の如き憑くものに続く刀城言耶シリーズ第3弾でございます…えっ?第3弾!?

『九つ岩石塔殺人事件』ってなんですかっ!?

迷宮社なんて、いかにも胡散臭い出版社から発行されておりますが(実存していたらすみません)…これはどんなトリックに分類したら良いのだろう。叙述トリック?(笑)

そんなわけで刀城言耶シリーズ第3弾『凶鳥の如き忌むもの』は、瀬戸内海に浮かぶ嵐の小島を舞台に描かれる人間消失モノミステリでございます。『厭魅の如き~』では民俗学&ミステリのタッグにKOを赦した私ですが、本作はミステリ色が強くてグイグイ読めました。人間消失の謎をカテゴライズして、ひとつひとつ潰してゆく過程なんてゾクゾクしましたね…本格だ、と。

「全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」とは愛しのホームズ様の弁ですが、本作はそれに真正面から挑んだ作品ではなかろうかと。さもなくば、

あんなバカミス的結末は提示できません

あれ?私ってば、またもや毒吐いた?とにかく、あのカテゴライズ作業がなければ、あのトンデモ結末は許容できなかったと思います。あの工程が有ったからこそ許容できるぎりっぎりのラインで落としたかな、と。いや、どう読んだって許容できない方も多かろうと思いますが…。

とにかく、伏線がしっかり張られていて読ませる作品に出来上がっておりました。個人的には『厭魅の如き~』より好きですね。ホラー&民俗学がタッグを組むと、途端に睡魔にやられる体質に生まれてしまったものですから。

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