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2008/01/24

『首鳴き鬼の島』 石崎幸二

首鳴き鬼の島 (ミステリ・フロンティア 35) Book 首鳴き鬼の島 (ミステリ・フロンティア 35)

著者:石崎 幸二
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斬り落とされた首が、オーンオーンと胴体を呼ぶ

胴体は海を越え、首を取り戻すべくやってくる

首鳴き島で焼かれた鬼は、いまもまだ首を求めて彷徨っている

石崎幸二氏の作品を堪能できる日が、再びやって来るとは思っておりませんでした!だってほら、3年くらいミステリ・フロンティアで次回予告扱いだったではないですか(苦笑)『日曜日の沈黙』で第18回メフィスト賞を受賞した石崎氏。お馴染みのヘタレサラリーマン&最強女子高生というトリオを捨てて(?)、新たな探偵コンビが活躍する石崎氏の意欲作が本作『首鳴き鬼の島』でございます。

本作の舞台は“首鳴き鬼”という怪奇伝承(都市伝説)が残る頚木島。台風の接近で脱出不可能な頚木島で発生する“見立て”連続殺人事件。伝承と同じく右腕を斬られ、左腕を落とされ、両腕と首を無残にも斬り離される被害者たち。“見立て”は美しく、死体を流用(?)することなく、犯人の手によって完璧に遂行される。1体また1対と増えゆく死体に恐れ戦く生存者たち。うわぁ、バリッバリの本格設定ではなかとですかっ!?

解決はもちろん「名探偵、皆を集めてさてと言い」方式。二段階に分けられた解決編には少し蛇足感のあるものの(病室での解決が不発に終わった後、「やっぱりお前は詰めが甘い」とかなんとか言いながら真相を明かして欲しかった)その内容には満足度100%。冒頭で披露されるDNA関係の知識が、解決に巧いこと(巧いことどころか絶妙に)活かされる様は、ミステリ好きにとって堪らないものがあります。

そして、新たな探偵コンビの登場!ホームズと見せかけてワトソンだった、ワトソンと見せかけてホームズだった、の典型とも言える本作。まぁ、世界は理系が廻してますから探偵役も理系が努めるべきなのでしょう(笑)文系の私は、理系の皆様が魅せてくれる世界でせこせこ働かせていただきたいと思います。そんな理系&文系コンビの掛け合いに、石崎幸二氏の風合(作風)を色濃く感じることができたのが、なにより嬉しかったかもしれない本作。またこのコンビの作品を読ませてください、石崎氏。

もちろん石崎幸二&ミリア&ユリのアホ丸出し掛け合いも大好きなので、そちらが先になっても全く構わないので!!

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