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2008/01/28

『オートフィクション』 金原ひとみ

オートフィクション Book オートフィクション

著者:金原 ひとみ
販売元:集英社
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オートフィクション=自伝的小説を書けば書くほど解らなくなる

人を愛するって、どうしてこんなに苦しいのだろう?

ねぇ、どうして解ってくれないの?

文句を言いつつも読んでしまう、何故か気が付くと手に取っている。そんな不思議な魅力を備えた作家だと思う、金原ひとみ嬢。

この『オートフィクション』は自伝的小説という意。この作品を読んで「あぁ、半分くらいは金原嬢の体験談なのかな?」と思ってしまった私は、まんまと金原嬢の策略に嵌まってしまったのでしょう。

この作品を“小説”として評価するならば“性描写や汚い言葉を羅列した取るに足らない作品”になるのかもしれない。けれど、金原嬢が故意に、自分と重なるように、主人公たるリンを描いたのならば…意外と傑作かもしれない。それが金原嬢の“筆力”であったならば、ね。

22歳の冬をスタートとし、18歳・夏→16歳・夏→15歳・冬と時代が遡ってゆく形式が面白かった。自伝の形式を取るならば、頁と共に主人公が歳を経てゆくのが通常、当たり前。けれど、主人公の狂気を見せ付けられて、その狂気が育ってゆく過程を逆打ちで魅せ付けられる手法が新鮮。『アッシュベイビー』のレビューでも書きましたが、私は“狂気”を孕んだ作品が嫌い。なので、15歳・冬が一番楽しめたかな。

狂気の含まない作品を書いてくれたら、きっともっと楽しめるだろうに。でも、次の作品も手に取ってしまうだろう、そんな気がする。

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コメント

え〜じゃ狂気を孕んだ殺人犯とかもダメですか! このオートフィクションはまだ企画ものと言うか良かったと思うんですが、アッシュベイビーとかは、なんだろうな〜と思ってしまいます

投稿: きりり | 2008/01/28 01:31

☆きりりさん☆
狂気は狂気でも、狂者は狂者でも、そこに筋の通った理論が欲しいですね~。狂っていることを自覚しているか否かではなくて、それを正しいと本人が思っているかどうか。「このままじゃ駄目だ」と本人が自覚しているなら「直せよ!」と思っちゃうんですよ。
なので、ミステリの犯人は自分の行為を正しいと思っているナルシスト系が多いのでOKだったりしますねっ。

投稿: まじょ→きりりさん | 2008/01/30 01:29

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