『密室キングダム』 柄刀一
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密室キングダム 著者:柄刀 一 |
密室×密室×密室。三重密室の先にあるのは天才奇術師の死。
壇上のメフィストの死をファンファーレに、始まった密室展覧会。
貴方はこの密室から這い出ることができるか?
「すわっ、また逃亡か?」と皆様お思いだったことでしょう。漸く2008年最初のレビューをお送りすることができます。それもこれもこの『密室キングダム』のお陰。なんですか?あれですか?『密室キングダム』には
睡眠薬かなにかが盛られておったのですか??
ただでさえ厚い本作。ほう、923頁ですか…1日100頁読んだって9日間かかる計算…人が殺せますね。密室大好きっ子の私としては「どすこい!超常現象!!(by TRICK)」の構えで挑んだはずだったのですが、図解なし解説の物理トリックに頭を使ったり、事件発生時の登場人物アリバイ整理に気を取られているうちに、夢の世界にどっぷり居住していたわけです。
個人的趣向として、謎が出揃って“謎の品評会”みたいな状態になってしまってから、探偵役がズイっと登場して、それらを一刀両断する…みたいな手法のミステリが好きなので、本作のように事件が起こるたびにチマチマと謎解きされるとモチベーションが下がるんですよ。そうやってチマチマやることで、犯人のランク付けも下がるというか。「あぁ、結局すぐに解決されちゃうようなトリックなわけね」みたいな。まぁ、900頁超の作品で一刀両断解決方式を取ると、「えっ?そんな事件(トリック)あったっけ?」「えっ?そんな怪しい描写あったっけ?」的な読者(私が筆頭)が出るに違いないので、致し方無いといえば致し方無いのですが。
しかも本作には睡眠薬が盛られてるしね…(ぼそり)
あと、もうちょっと図解を含めた親切設計にして欲しかったですね。特に密室モノには欠かせない鍵の関係をすっきりさせて欲しかった。ぶっちゃけ、「鍵が掛かっている」ことしか解らない箇所もいくつかありました。まぁ、私の文章読解力&知識不足なのでしょうが。
でも、柄刀一氏がここまで密室にこだわった作品を書いたという事実には「Bravo!」の一言。密室を主題にした900頁超の作品が今という時代に出た、ということがなによりも嬉しい。
なので、ノックスの十戎“犯人は作品の冒頭から登場していなくてはならない”に若干抵触しそうな件については眼をつぶりたいと思います。
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