« 『心臓と左手』 石持浅海 | トップページ | 『図書館革命』 有川浩 »

2007/12/16

『ダナエ』 藤原伊織

ダナエ Book ダナエ

著者:藤原 伊織
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

画家にとって自作にナイフを突き立てられることは、自分の子供を傷つけられるのと同義?

男と女の悲哀をミステリ仕立てで描く、心揺さぶられる作品集。

「このミス!2008」にもランクインした、故・藤原伊織氏の作品集。お恥ずかしながら、藤原氏の作品は『テロリストのパラソル』しか読んだことない…でも、『テロリストのパラソル』は素晴らしかった!!未だに私のフェイヴァリット十指に入ります。そんな藤原氏とのセカンド・インパクト『ダナエ』。

「ダナエ」をすっかり長編だと思っておった私は、「こんな素敵展開が冒頭から続々登場しちゃって…もしかして傑作じゃない!?」とかなんとか、要らん心配をしながら読み進めたものです。その分、100頁ちょっとで終わったときの虚無感ったら無かったですが。私は男女の愛憎劇とかあんまり興味無い(ぶっちゃけ、ミステリしか興味無い)ので、そのあたりのレビューは省かせていただきますが…ミステリとして素晴らしかった表題作「ダナエ」。

画家であり、自作を傷つけられた被害者でもある宇佐美が、その犯人を特定するあたりはまさしくミステリ。その洞察力、画家じゃないっす。まさに名探偵のそれ。ギリシャ神話をモチーフに据えることで読者(私)を完全にミスリードし、あっと驚かせてくれる。『テロリストのパラソル』を読んだときのことを少し思い出しました。あの展開で、真犯人へと辿り着けた方を私は尊敬します。そして、藤原氏も。

同時収録の「まぼろしの虹」と「水母」はミステリ的要素が無かったので(「まぼろしの虹」で警察に出頭すると仰っていた彼の事情は気になりますが…)レビューは割愛いたしますが、男女の悲哀を描くという作品集の主旨に合った2作だったように思います。ごめんなさい、私がそういう類の作品に興味の無い読者だったばっかりに。

藤原氏がお亡くなりになられたのが5月。もう新たな作品が産み出されることが無いのがとにかく残念です。『テロリストのパラソル』再読しなくては。

|

« 『心臓と左手』 石持浅海 | トップページ | 『図書館革命』 有川浩 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/38084/9417357

この記事へのトラックバック一覧です: 『ダナエ』 藤原伊織:

» 【藤原伊織】についてのお得なブログリンク集(旬なキーワードでお得なブログのリンク集) [旬なキーワードでお得なブログのリンク集]
藤原伊織 に関する最新のブログ検索の結果をまとめて、口コミや評判、ショッピング情報を集めてみると… [続きを読む]

受信: 2007/12/18 01:53

« 『心臓と左手』 石持浅海 | トップページ | 『図書館革命』 有川浩 »