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2007/12/25

『螺鈿迷宮』 海堂尊

螺鈿迷宮 Book 螺鈿迷宮

著者:海堂 尊
販売元:角川書店
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-この病院は人が死にすぎる

終末期医療の最先端施設に絶えることなき“黒い噂”。

その噂の正体を確かめるために、似非医学生“アンラッキー・トルネード”とロジカルモンスターの“懐刀”が敵内部に侵入する!

『ナイチンゲールの沈黙』の出来がちょっとばかしアレだったもんで、あんまり期待せずに読んだのですが…

個人的に『バチスタ』より面白かった!

「医学なんてクソッタレ」の似非医学生・天馬大吉(別称 アンラッキー・トルネード)は幼馴染・葉子にまんまと嵌められ、終末期医療=ホスピス病院の潜入捜査に乗り出す羽目に。老人介護センター→ホスピス施設→寺院までを併設した“エスカレータ式だたし天国逝き”のその施設では、前触れもなく人が死んでゆく。似非医学生であっても「異常だ」と感じるほどの唐突な死には、どんな裏側が隠されているのか?

まぁ、こんな感じのストーリーなのですが、終末期医療や大学病院の有り方といった海堂氏お得意の問題提起にファンタジーとセンチメンタルを取り入れた意欲作となっております。施設が隠し持つ闇に光を当ててゆく(解決してゆく)手法も見事だし、そこにセンチメンタリズムを挿入する手法も素晴らしいと感じました。『バチスタ』には無く『ナイチンゲール』ではやり過ぎた部分が綺麗にカチッと物語に填められた印象。

しかも“ロジカル・モンスター”とその懐刀“氷姫”の使い方も良い。ロジカルモンスターのロジカルモンスターたる所以を垣間見ることはできませんでしたが(今回は完全裏方、でも良い仕事してますよ相変わらず)その懐刀“氷姫”は良い意味で期待を裏切ってくれました。私は厚生労働省役人ふたりが火傷治療の為にああだこうだ言い合っているシーンがすごく好き。『家庭の医学』まではカバーしきれていない氷姫データベースが欲しい。あとは火傷の程度「水胞つきのⅡ度に格上げされたのは、姫宮のスペシャル・サービス」の件もね。こういうのたまらねぇっす。

んで、肝心のミステリ部分も“運命の巡り合わせ(ミステリ読者はこれを伏線と呼ぶ)”が見事に作用していて、全てが繋がった(ミステリ読者はこれを伏線の回収されたと呼ぶ…ってくどい?)ときの爽快感は極上。ちょっとやり過ぎかな?と感じる部分もセンチメンタリズムの延長と思えば許容範囲かな?と。闇の部分を闇としてきちんと読ませてくれる作品は好きです。

番外編(なんですよね?)でこれだけのクオリティのものを読ませられては積読本に控えている『ジェネラル・ルージュの凱旋』が楽しみで仕様がない。グッチー&白鳥コンビでもう一花咲かせてもらいたいと思うのが人情じゃないですか。次は柄刀一の『密室キングダム』を読むつもりでしたが、予定変更じゃわい。

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