« 『螺鈿迷宮』 海堂尊 | トップページ | 『隠蔽捜査』 今野敏 »

2007/12/26

『ジェネラル・ルージュの凱旋』 海堂尊

ジェネラル・ルージュの凱旋 Book ジェネラル・ルージュの凱旋

著者:海堂 尊
販売元:宝島社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

救命救急センター部長、通称“ジェネラル・ルージュ”。

ドクターヘリ導入を悲願とする“血まみれ将軍”にかかった収賄疑惑。

リスクマネジメント委員長・白鳥は同期の危機を救うことができるのか?

いやぁ、『螺鈿迷宮』に続き傑作きました!決してミステリではない本作ですが、続きが気になって気になって、結局寝たのは4時…キョウノシゴトハツラカッタ…。『ナイチンゲールの沈黙』の表で進められていた(後出作品ではありますが、間違いなく本作が表だ)グッチー・ミッションは同じ窯の飯を喰った同期=ジェネラル・ルージュの収賄疑惑を晴らすこと。今回も腹黒たぬき・高階病院長に巧いこと丸め込まれて、それでも「私が速水を告発することはあり得ない、と確信しています」と言い切ったグッチーはちょっと素敵でした。本作はグッチー&ジュネラル・ルージュ&ガンガントンネル魔人の友情の物語。

本作は正当なるグッチー&白鳥シリーズではございますが、白鳥の活躍はちょっと薄め。でも、エシックス・コミティでAi導入検討が行われた際のロジカル・モンスターっぷりはゾクゾクきましたね!(なんてたって、唯一の魅せ場)エシックスの面々を相手取り、お得意のロジックで彼等をバッサバッサと切り捨ててゆく白鳥。痛快なんだけど…白鳥とは絶対にディベートでご一緒したくないわ。

あとは、読書中に「この件は絶対にブロ愚に書く」と心に決めた黒崎教授。

ちょっと、すんごい恰好良いオヤジ発見!!

「神の指図で動くことが、あれほどの愉悦を伴うものだということを…」「ワシのプライドや肩書きなんて、そうした瞬間には、すべてすっ飛んでしまうくらい、ささやかで他愛もないものなんだ」の素敵台詞は5回は読み返しました。将軍の救命救急センターに対する想いにもかなりグッときましたが、やっぱり本作の功労賞は黒崎教授じゃないかと。この一件で物語がキュッと締まりましたよね?あぁ、やっぱり将軍は東城大学に必要な人材なんだと改めて思い知らされたというか…そして将軍とは決して交わることのない道を行く黒崎教授も必要なんだと思い知らされたというか。いろんな人間が居て、いろんな想いがあるからこそ、人間の“生と死”を司る場として病院があるのだと感じました。

本作はミステリではないので「やれトリックが…」とか書けないのですが、とりあえず読んで損の無い作品だと思います。『ナイチンゲール』も「この作品の裏だと思えば読む価値あったかな」とまで思わせる、他作品の評価にまで影響を与える素敵作品。うん、愉しい読書タイムでございました。

どうでも良いのですが、本作『ジェネラル・ルージュ』と『ナイチンゲール』は元々ひとつの物語であったのを分割させられたのでは?と思ったり思わなかったり。もしこのふたつが同時に語られていたら…それはそれで破綻した物語だったんじゃないかと。分割して良かったね!(って、その前提自体が妄想だよ)

|

« 『螺鈿迷宮』 海堂尊 | トップページ | 『隠蔽捜査』 今野敏 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/38084/9586071

この記事へのトラックバック一覧です: 『ジェネラル・ルージュの凱旋』 海堂尊:

« 『螺鈿迷宮』 海堂尊 | トップページ | 『隠蔽捜査』 今野敏 »