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2007/07/07

『一角獣の繭』 篠田真由美

一角獣の繭  建築探偵桜井京介の事件簿 Book 一角獣の繭 建築探偵桜井京介の事件簿

著者:篠田 真由美
販売元:講談社
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異なる地で異なる時を刻み始めた京介と蒼の時計。

すべてを終わらせるために。

終末に向けて加速を続ける建築探偵シリーズ最新巻。

無告知放置期間と告知放置期間を併せて、半月にも及ぶ大々的放置プレイはいかがだったでしょうか?

本当にごめんなさい。

まじょ。のなにがメインなのかよくわからないブロ愚、再開でございます。

再開第1作目レビューは篠田真由美女史の『一角獣の繭』。「少女と蒼の宿命的な恋」という帯に衝撃を受けて怖くて読むことができなかった…というのが無告知放置最大の理由(冗談でもなんでも無く本気)だというんだから自分でも笑えない。復帰早々、ネタバレ全開破滅的レビューです。今日は荒れます。

とりあえず、

京介の失踪(行方不明)は置いておくとして(ちゃんと後でじっくり触れます)

「蒼の宿命的な恋」とやらから。

前作『聖女の塔』から続いていると云っても過言ではない本作。いきなり京介・深春・門野という蒼の保護者サミットから物語は始まります。京介に最大の苦痛を与える手段として蒼を亡き者にせんとする松浦窮から、蒼を守護する為に門野の息のかかった会員制リゾートに閉じ込めてしまうことに決めた彼等。その会員制リゾートで蒼が出逢ったユニコーン。それが家族惨殺事件の生き残りとして好奇の眼に晒される少女。あまりにも似通ったふたりの境遇。

京介が自分にしてくれたように、閉塞世界から彼女を連れ出そうとする蒼。その原動力は…恋?

読んでてものすごい違和感を感じずにはいられなかった。世界に見捨てられ小さく弱かった蒼を知っているから、恋や愛に惚ける蒼など見たくないという気持ちが私の中で働いていたことは認めます。でも、やっぱり蒼が感じたそれは恋では無かったと思う。蒼自身が作中で語っていたことではありますが、蒼の京介に対する気持ちは恋と解釈しても良いと思う(篠田女史はどうしてキャラクタ自身にこんな告白させるかな…とは正直思った。私は腐女子だけど聖典の中にBL的要素を介入させて欲しくは無かったです。妄想で充分!!)けど、彼女に感じた蒼の気持ちはそうじゃない。ユニコーンに逢ったんだ…って、精神状態普通じゃないです蒼。

しかも、その出逢いすらも松浦氏の謀ったものだったわけですし。松浦氏のマリオネットとして蒼の殺害を試みた彼女。結局、蒼を殺めることは思い留まったのだけれど、その要素が恋の力であったかどうかは疑問。綾乃がそうだったように、松浦に操られるしかない自分に嫌気が差し、我に還ったのでは?

しっかし、蒼は翳という恋人がいながら他の女性に(翳は女性じゃないから“他の女性”という表現はおかしいのか?)キスしたり胸タッチしたりと…いつからそんな伊達男に!?誰?誰の影響なの?京介がこっそり隠し持っていた(に違いない)官能小説の影響ね!!(こんな冗談でも云っていないと、レビューを続けられないんです。でも、翳にとって蒼は恋愛の対象だと思うという意見だけは曲げません)

さて、問題の331頁について。

以来、桜井京介の消息は杳として知れない。

なんじゃそりゃぁ!!

京介は死なないと断言している篠田女史。でも、こんな展開死んだも同然じゃないですか!?桜井京介は神代教授や深春、なによりも蒼といっしょに居ることで桜井京介で在ることができていたのに。その場所を京介から奪いますか。シリーズ序盤から匂わされつつも明かされなかった京介の過去。一体“桜井京介”とは何者なのか?次巻、遂に明かされる??ここまで引っ張ってきて(しかも発売は来年って!?いますぐ出版して頂戴、講談社!)『原罪の庭』を越える名作じゃなくっちゃ、許さなくてよ!!!(かなりハードル高いな。でも、篠田女子自らハードル上げてるからさ…)

京介を必ず見つけ出すと誓った蒼。最終巻は蒼が京介の過去と向き合い、桜井京介を取り戻す作品になるのでしょうね。楽しみだけれど、それは建築探偵シリーズの本当の終わりを意味しているわけで。サ○エさん方式のミステリシリーズも良いけれど、キャラクタたちの成長を通してなにかを伝えようとするシリーズに終わりはつきものなわけで。キャラクタたちが成長しないシリーズだったなら『原罪の庭』も生まれてこなかったわけで。本当に複雑な想いです。どうしよう、建築探偵シリーズの新刊が出る度に覚悟を決めるべくブロ愚を放置プレイしなくてはならないのか(何故!?)

とにかく問題作だった『一角獣の繭』。レビューも気が付けば超大作。ミステリ部分について一切触れておりませんが、作中ミステリ部分自体がおまけみたいなものだったから、まぁ良いか。

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