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2007/06/13

『太陽の塔』 森見登美彦

太陽の塔 Book 太陽の塔

著者:森見 登美彦
販売元:新潮社
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何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。

なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。

『夜は短し歩けよ乙女』で本屋大賞2位を果たした、森見登美彦氏デビュー作。短編としての「夜は短し歩けよ乙女」は理解できなかったのですが(てへっ)この『太陽の塔』は愉しませてもらいましたよぉ。

なぜこの作品でファンタジーノベル大賞受賞なんだ!?

どこがファンタジー?それこそがファンタジー?

でも、絶妙な語り口にノックアウト寸前。「10ページでヤミツキになる独特のリズム」…まさに仰るとおり。先日レビューしました乙一氏『小生物語』に似て蝶。どう生きてきたら、こんな思考回路を形成できるのでしょうか、不思議。

履歴書の特技欄には“リアルのび太くん=どこでもいつでも寝れる”と書く私ですが、そろそろ“妄想”に衣替えしようと思ってたんです。思ってたんですが、こんなすごい妄想マスターに出逢ってしまっては、恥ずかしくってそんなこと書けない(というか、普通は“妄想”なんて「採用しないでください」と云っているようなもんで、書かない)。

どうしてここまで思考を飛躍させることができるのでしょうか。それがマイナス方向へと飛ばないのなら、彼はきっと世界一しあわせ。ストーキングだって、研究であると一刀両断。彼の理論では正しい行いなのです(でも、世間一般では犯罪です。まごうことなく)。

この作品をどんなカテゴリに分けたら良いのか悩む。恋愛小説…の割には水尾さんとの絡みは少ない(あったか?)、青春小説…の割りに爽やかさは皆無。生きることへの苦悶…そんなもの妄想マスターの敵ではない。やっぱりファンタジー小説で正しいのかもしれない、と思いました。

読了感は悪くなかったのですが、いざレビューを書く際に何を書いて良いものか悩む作品というのがあります。まさに『太陽の塔』がそれ。新緑アレルギーで眼と鼻がお釈迦になった私では、これ以上レビューできませぬ。悪しからず。

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コメント

こんにちは。

 >どこがファンタジー?

確かにこれはムサイ男子大学生の生活を描いた
リアリズム小説です。
でもこういう大学生のリアルな日常は、
一般市民から見ればファンタジーなのですね。

投稿: 木曽のあばら屋 | 2007/06/13 23:24

きつねの話で、やや今イチか...と思って本書を読んで、森見ファンになりました 妄想!だけど頭良さげだよな〜と 今や森ログより頻繁にチェックしている森見ブログですよ

投稿: きりり | 2007/06/14 02:30

☆木曽のあばら屋さん☆
コメントありがとうございます!
>でもこういう大学生のリアルな日常は、一般市民から見ればファンタジーなのですね。
という素敵コメントに爆笑させていただきました(笑)本当にリアリズム小説ですよ!著者近影とか見ちゃうと、さらにリアルに感じられるから不思議です。

投稿: まじょ→木曽のあばら屋さん | 2007/06/14 20:29

☆きりりさん☆
森見ブログ、さっそくチェックしてきました!ブログの“ナリ”が本当に普通のブログなので、スルーしてしまうところでした。危ない危ない。でも、日参してしまいそうな予感。
森見妄想ネタは立て続けよりも、野原に咲く一輪の花的にお付き合いするのが良いかもしれないと思います(意味わからん例えですね)

投稿: まじょ→きりりさん | 2007/06/14 20:34

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