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2007/06/08

『君に届け』 椎名軽穂

君に届け 1 (1) Book 君に届け 1 (1)

著者:椎名 軽穂
販売元:集英社
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主に現実逃避の手段としてやってしまう“漫画大人買い”。私生活でちょっと我慢できないことがあったので、前から気になっていた『君に届け』を大人買い…って云うほどの巻数じゃないんですが(現在4巻まで発行)。

買ってよかった、『君に届け』!

マーガレットより発売される作品を買ったのなんて何年ぶりだろう。二桁ぶりくらい?少女漫画で満足できるほど初心な女じゃない…と自己分析していたのですが、こんなに愉しませてもらえるとは、一安心。

“貞子”と呼ばれ、皆からいじめ一歩手前(というか、いじめだあれは)の扱いを受ける黒沼爽子。そんな爽子の前に現れた爽やか100%少年・風早翔太。そんなふたりのピュア・ラヴを主題にした作品かと思いきやそれだけじゃないんだなぁ、『君に届け』。

クラスに広がった(というか、悪ふざけの)誤解を解くために自分を犠牲にする爽子。誤解は解けたけれど、風早と元のような関係には戻れないと涙する爽子。爽子にとって風早は太陽なのに。太陽に照らされて、これまで日陰に甘んじていた爽子がようやく芽を出そうとしていたのに。

そんな爽子の想いが・境遇が、あまりに可哀想でしゃっぱなから眼を潤ませる私。そしてやっぱり登場する太陽に、風早がかける言葉に思わず涙が零れる。

いやぁ、少女漫画で泣ける心が私にあったとはっ!!

トイレで地蔵へと変身する爽子と、「ひとりじめ」と微笑む風早に最早ノックアウト寸前の1巻。

そして、問題の2巻。もうねぇ、号泣。

何度読んだって号泣ですよ!皆さん!!

風早の助けもあって、ようやく愉しいと思える時間、愉しいと思える場所を手に入れかけた爽子。そんな爽子に襲い掛かる黒い噂。自分と居るとこんなに素敵な人たちが、こんなに優しい人たちが悪く云われてしまう…と自ら身を引く爽子。そんな爽子の態度に不信感を募らせるちづ&あやめ。

そんなときも、やっぱり爽子に力を与えてくれるのは風早なのです。風早の励ましを心の支えに、噂に立ち向かう爽子。口下手な爽子には巧い言葉は見つからないけれど、でも大好きな人たちのために負けない爽子。自分が悪く云われるのは良い、でも自分の大好きな人たちを悪く云わないで。そんな爽子の想いがちづ&あやめに届いた瞬間、眼から涙が止まらない。

前が見えないよぉ!!

ちづ&あやめ、大好きです。学生時代、絶対にお近づきにはならなかったタイプだけれど(ボーダーに留まるのが好きな学生でした)人は見かけじゃないことを教えてくれるふたり。あんな良い子たち、なかなか居ないよ!ちづのあの豪快な笑い声が好きです。義理人情仁義で出来てるちづと、自分の信念は決めたことは決して曲げないであろうあやめ。爽子は本当に良い友達ができました。えがったえがった。

そして、3人が本当に友達になったことを確認させてくれるシーンからスタートする3巻。私、龍の部屋でみんながワイワイやっているあのシーンが大好き。あやめの「やっべ、すげー楽しいの発見!!」と、むくれてる風早王子が大好き。

おっ、このふたり、このままいっちゃう?なんて希望が叶うはずも無く。やっぱり登場しました恋のライヴァル、くるみ。前からチラチラとは登場してましたが…

やっぱり性悪女でしたか。

居た居た居たわよ、こんな女。万が一の確立でも振られるなんて耐えられなくって、相手から告白させるように仕向けるタイプの女です。そんな玄人(?)たるくるみの攻撃に、恋愛(どころか人と関わるのすらも)若葉マークの爽子がどう立ち向かうか。

くすぐられて「ひょっ!ひょーっ!!」と奇声を上げる爽子と、「呼んだはいいけどキンチョーする」とタオルで赤らんだ顔を隠す風早にどっきゅんな3巻。

そして最新巻。ようやく風早に対する気分の気持ちが“恋”であると自覚した爽子。爽子と風早の関係をなんとか崩そうと画策するくるみ。爽子の応援団、ちづ&あやめもくるみの企みを阻止すべく暗躍。一気に物語が動き出しましたね。

そんな4巻で私が一番萌えたのは龍の「俺は千鶴ひとすじ」宣言だったわけなんですがっ!

だよね、そうだよね!!でも、龍も一生懸命な爽子にだから云えたんだろうなぁ。『君に届け』のオーバーキルドレッドとも云える(笑)ちづには、何度も笑かしてもらいました。ちづ&龍なんて、お似合いすぎてお姉さん鼻血。3巻の“ツーカーぶり”も微笑ましかったもんなぁ。ちづは「にぶくて単純」だから、龍頑張れよ!!

そして、爽子がそんなノロケ話(?)を聞かされているとは知らずに「我慢できなくなった」風早が取った行動は…

拉致!!

あんなことされて、風早の気持ちに気付かないのは爽子くらいのもんですが(合掌)これも青春。それも青春。そして、そんな風早に萌える私も青春。

しかし、爽子は本当に良い子。くるみの元に戻り、友達だからこの想いをくるみの伝えたかったと、素直にぶつかる爽子。本当に爽子は良い子だ。瞬間移動もできるし。このふたりの関係がこれからどうなってゆくのか…も『君に届け』の読みどころですね。

というわけで、粗々ではありますが1~4巻までのレビューでございました。要約すると

風早のフェロモ~ンにやられちゃったアイタタタな大人がひとり

ということなんですが(そうか?そんなレビューだったか?)。続きが愉しみな作品がまたひとつ。今回の“大人買い”も(だから、そうでもないって)成功で余は満足じゃ。

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受信: 2007/06/10 18:24

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 さて、ここまで私のややこしい議論に付き合わされて、みなさんとても退屈しておられることだと思います。  私自身、書けば書くほど『君に届け』をはじめて読んだときの感動から遠ざかっていくようで、とても歯がゆく思っています。  みなさんには「こうい...... [続きを読む]

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