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2007/06/04

『推理小説』 秦建日子

推理小説 Book 推理小説

著者:秦 建日子
販売元:河出書房新社
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アンフェアなのは、誰か?

検挙率ナンバー1の女刑事・雪平夏見が推理小説に存在するルールに挑む。

映画化もされた超有名作品、原作。

基本的にテレビドラマは観てない私。当然「アンフェア」も観ておりませんで、映画公開直前に放送されていた総集編と特別編をチラ見した程度の知識しか持ち合わせておりません。

本作『推理小説』はキャラクタや設定の“原作”であって、ドラマ「アンフェア」の原作ではないのだと思われますが(ドラマの犯人は○○だったように記憶している)、推理小説=ミステリとしての完成度は低めでしょうか?

「アンフェアなのは、誰だ?」と宣戦布告しつつも、常にフェアな姿勢を築こうとする犯人。これだけ「アンフェア」「アンフェア」宣言されると、結末もアンフェアだろうと思ってしまうのが人情。叙述トリックの解説まで挿入されていて、「それは叙述トリックを疑えというミスリードか?」と思ったり思わなかったり。それがもう、ストレートなフェア作品(?)で肩透かし。

文章は読み易い。ちょっと文字が大きすぎるかしら。1時間ちょっとで読了。若干の物足りなさが残る。もうちょっと深く掘り下げることが可能だった箇所もあっただろうに。

でも、ラストで雪平と犯人が心を通わせる場面はなんだか素敵でした。雪平を“女”だと思った最初で最後の瞬間。子どもの前でも雪平は女になりきれなかったのに。犯人はラストで正直に罪を告白しなくてはならない…なんてご冗談を。刑事では無い“女”の前では、犯人もまた唯の“男”でしか無いのでしょう。

死体が最後に見た風景を疑似体験する…という雪平の行為があまり活かされていなかったように思いますが、ガチガチに伏線を張り巡らした作品には無いスピード感があったように思います。機会があったらドラマも観てみましょう。

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コメント

本作ドラマにハマりまくりました.... 間違いなく暎太にハマりますよ 是非見て下さい!!! アンフェリーなジョリーの映画をまねての行平の行動は、たしかにあまり意味ないかも 小説じたいは今イチなんですね

投稿: きりり | 2007/06/05 02:24

☆きりりさん☆
確かにあのスーツ瑛太はイイッ!大学生役の彼よりも、ちょっと背伸び(?)した姿の彼の方が素敵だと思います。ドラマ、チェックしなきゃ…。
原作でゴミ屋敷と化していた雪平の部屋が、どんな風に映像化されているのか気になります。まさか裸で御就寝まで再現されては…いないだろうな、やっぱり。

投稿: まじょ→きりりさん | 2007/06/05 22:09

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