« 2007年5月 | トップページ | 2007年7月 »

2007/06/19

『のだめカンタービレ #18』

のだめカンタービレ #18 (18) Book のだめカンタービレ #18 (18)

著者:二ノ宮 知子
販売元:講談社
発売日:2007/06/13
Amazon.co.jpで詳細を確認する

Ruiの巻だった18巻。

物足りない(ぼそっ)

やっぱり千秋と問題児オケが好きなんだ。あとクロキンが好きなんだ。クロキンの登場が一切無くって(リッピ死亡のニュースと最後の青緑百句だけって…)おいら、哀しい。

そんな18巻で唯一と云って良い楽しませポイントは「祝!のだめ初サロンコンサト!夏のサン・マロで掴んだのだめの初仕事!」デス。

執事さんサイコー!!

あんな忠実で親切な執事さんが欲しい…というか、忠実と親切は執事の基本スキルなのか。私がお付き合いするようなゲームや書物に登場する執事さんって、妖しさのつきまとう頑なな連中が多くって。主にハゲのガリで。

「Lesson106」の扉でのだめのお化けメイクを落とす執事さんの、あの優しげな眼が好きです。のだめドレス破壊の為、安全ピンを追い求める執事さんも好き。「むんっ!」でドレス破壊にも笑かしてもらいました(むしろ爆笑?)

そんなのだめ初サロンコンサトですが、のだめが漫画であることをここまで残念に思ったのは久しぶり。うぉぉ、のだめの演奏聴きてぇ!ドラマもアニメも悪くないのですが、やっぱり漫画(原作)の良さには負ける…と思っちゃった私。ヨーダの元で、のだめは一皮も二皮も剥けたんだろうなぁ。ベーベちゃん脱却?しかし、ヨーダはのだめをどんな風に育てようというのか。サロンのおばさまも、ヨーダがそう云うなら…とどっか行っちゃったし。うーむ。

そして、「千秋真一のひとりやふたり。どうってことないでス」の千秋は敬愛する師・ヴィエラと再会。

ぱ・る・ど~ん

のヴィエラ先生にも笑かしてもらいました(ここもむしろ爆笑)。こ、子どもだ!ここに“体は大人、頭脳は子ども”が居るよ!!ヴィエラ先生との奇跡的な邂逅に涙ぐむ千秋がかわゆい。千秋、本当にヴィエラ先生が好きなんだなぁと思いました。良かったね、千秋。

しかし、のだめの初サロンコンサトをキャンセルとは…千秋も悪い男ね。

やっぱり千秋がオケに苦悩する様が読みたい、私。本誌を読む限り19巻もオケの登場は薄そうだ…残念。しっかし、Ruiについてこれっぽっちも書かないままこのレビューを終えようとしている自分もどうかと…それでは!チャオ!!

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2007/06/18

『毒草師』 高田崇史

毒草師 Book 毒草師

著者:高田 崇史
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

旧家に伝わる一つ目鬼の伝承と、人間が消える離れ。

『伊勢物語』に隠された秘密が謎を解く鍵に。

その鍵を開けるのは…毒草師・御名形史紋。

高田さんとこのちょっとキテるお兄ちゃんの話です。このワード検索で(高田さんとこのちょっとキテるお兄ちゃんというワードでは無い)当ブロ愚にご来場くださる方が案外多くて申し訳ない気持ち一杯だったのですが、漸くレビューをupすることができました。お愉しみいただければ幸い。

さて『毒草師』ですが、「QEDシリーズ」初期のかほりが漂っておりました。嬉々。

テーマは『伊勢物語』。昔、男ありけりで有名な在原業平を主人公に据えた古典。在原業平という言葉を聞くと、自然と火野○平→IS○Aという連想ゲームを成立させてしまうこの脳を誰か破壊してください。というわけで、『伊勢物語』に収録されている「鬼一口」の高子を主題に物語は進みます(「ポンツーン」に連載されていた時の作品タイトルがまさに『鬼一口』でした)。

さて、一つ目鬼と云えば「QEDシリーズ」読者にはもうお馴染み、タタラです。後期QEDシリーズには、タタラ関連の話題が登場しない巻は無いと云えるほど。本作でもタタラに関する記述が続きましたが、あっさりななめ読みさせていただきました。アリガトウゴザイマス。そして、セクハラ発言もありましたねぇ。高田崇史氏の中でセクハラ発言がブームなんでしょうか?だってあの話、無くても物語は成立するじゃないですか?まぁ、それだと歴史を正しく伝えてないってことになるんですけれど。

そうそう、史紋ちゃんですが(笑)予想通りにキテました。白シャツに肩までの黒髪なびかせて、手には真っ赤なグローブ…充分に変質者です。グローブが特に。なんだ?いまから誰か殺しに行くのか?タタルか?ってな具合で。赤グローブについて説明された記述がQED本編に有ったかもしれませんが、最近のQEDは全編ながし読みなんで…。

そんな史紋ちゃんですが、タタルへの挑戦状をこんなところでも突きつけていようとは。『古今和歌集』のような歌集は句と句が繋がってゆくように作られているというお話の中で

「そんな(句を繋げてゆくというような)ことは暇を持て余している人間にやってもらえば良いことだ。」

という暴言を!!あの作業に寝食を忘れて取り組んでいた暇人・タタルの存在意義って。まぁ、あの場面で史紋ちゃんが「よ~し、いまから全部並べるぞぉ!」とか云い出したら全力で30頁くらいワープするところでしたけれども。

あら。今頃ミステリ部分について全く触れていないことに気付きました。ミステリ的にもまぁまぁおもしろかったです、本作。ラストに色仕掛けで毒殺を試みようとした件だけは蛇足感ありましたけれども(だって、彼女があの会社に入ってあの一家への復讐を果たそうとしたってところに無理を感じるんだもの。遠すぎる)史紋ちゃんが突然現れてバッサバッサと快刀乱麻に謎を解決してゆく様は快感。タタル氏よりも探偵らしいと思います。社交性もタタル氏よりあるようですし。タタル氏の社交性は奈々方面でしか発揮されないから。間違ってもオリジナル調合の漢方薬を隣人に配ったりはしないね。

とうわけで、初期QEDを彷彿とさせるストーリーに満足。シリーズ化してくれたらまた読みたいと思わせる作品でした。正倉院の消えた毒薬についても「ゾクッ」とさせてくれる素敵さ。でも、やっぱり史紋ちゃんよりはタタル氏に魅力を感じる駄目な仔なのでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/06/17

『ライアーゲーム #10』感想

ライアーゲーム DVD BOX DVD ライアーゲーム DVD BOX

販売元:ポニーキャニオン
発売日:2007/10/03
Amazon.co.jpで詳細を確認する

今週もとにかく愉しませてくれました、ライアーゲーム。もう書くこと有り過ぎてどうしたら良いかわかりません。ビデオ撮っておくんだった…後悔してももう遅い。猫の額ほどしかない灰色の脳細胞をフル活用して、今日も感想更新に勤しみます。どうぞお付き合いください。

先ずは、チビキノコの支配者宣言。もう、我らがキノコ様(フクナガ)はこれまでの好敵手っぷりが嘘のように雑魚キャラです。チビキノコに跪く姿が似合い過ぎてて…笑えません。キノコが調子に乗る様が大好き(?)だっただけに、哀しい。秋山VSヨコヤの構図の前では、キノコ様も無力ですか。キノコ様、諸行無常。合掌。

って、いつの間にかキノコ様へのメッセージにすり替わってしまったチビキノコ関白宣言。まぁ、チビキノコに真っ当な策など有る訳ないと思っておりましたが、やっぱり。あのチビキノコ&ヨコヤの協力作戦に気付いたときの、秋山の“悪魔の微笑み”がセクシィでお姉さん萌え。今日の放送、一番の萌えポイントでした。

そして、秋山に策を見破られたヨコヤの取った行動。

きぃぃ、ヨコヤをここに連れて来なさい!
お姉さんが成敗してくれる!!

ヨコヤが自分の追い求めていた、自分の母親を自殺に追い込んだ“敵”であると知ったときの秋山の錯乱と涙。お姉さんの心はキュンとなりました。ちょっと狂気が行過ぎてて(松田翔太くんの演技がすごくて)ドン引きしてしまう場面も有ったことは…内緒。

これまで視聴者に見せなかった秋山の内面。「正直であれば、人間しあわせになれる」という母の教えを自ら捨てなくてはならなかった秋山の苦悩。あの発狂は秋山にとってひとつの“儀式”であったのだと思います。母の死をきっかけに自ら封印した“良心”を取り戻す“儀式”。ただ、その“良心”を取り戻すのはヨコヤを倒した後。それまで待ってて欲しいと母に誓った“儀式”。

その“儀式”をも自らの策に利用した秋山。20ゲーム終了時の中間結果は、これまで見てきたゲームの流れとはかけ離れたものでした。秋山が説明してくれたのですが、展開早くて理解できなかったので(馬鹿)、公式サイトのあらすじを引用させていただきます。

結果は、負け続けていたはずの「水の国」が逆転をしていた。唖然とするヨコヤに、冷静さを取り戻し笑顔を浮かべている秋山が説明を始める。
秋山の狼狽は演技で、つかみかかるフリで「火の国」のメンバー3人にある作戦を持ちかけていた。3人が密輸したお金は「火の国」のATMから秋山の持っていた「水の国」のカードでおろしたもので、秋山がわざとダウトさせたお金もまた「火の国」の銀行でおろしたもの。そうやって3人に大金を獲得させ、その代わりにヨコヤを潰すための協力を約束させたのだ。

あれ?なんかおかしくね?「火の国」メンバ3人に大金を獲得させたとして(各々に7億だったような気がする)、ヨコヤが持ってる4億9004萬足した段階で「火の国」の合計金額が全体の半額である25億を越えているような気がするんですけれど。あぁ、ビデオ撮ってなかったのが悔やまれる。

あぁ、そうか。「火の国」内のお金を「火の国」内で処理したってことか。ってことは、最終的に(密輸を阻止した段階で)手に入るはずだったお金を先に与えた(確約を与えた)ってこと?要するに、ヨコヤと既に脱落を表明しているツチダを除く8名で50億を分けようってことね。そうすると各々の獲得賞金が6億2500萬になるから、全員でゲームを抜け出せるって寸法?

なんだかよくわからない(お馬鹿)けれど、とにかく秋山の策が成功したことだけは確かなようです。そして、不適に微笑む秋山がヨコヤに最大のダメージを。

「そのトランクの中は空だ」

それは既にヨコヤがナオに対して行った心理戦。そのときナオはヨコヤの言葉を信じて「パス」を宣言し、まんまと1億円奪取された。しかし、ヨコヤのコールは「ダウト1億」。そしてトランクの中は本当に空。秋山は慰謝料としてヨコヤのマネーを減少させることに成功。

ここに秋山とヨコヤの違いが。嘘で騙すヨコヤと、真実で騙す秋山。本当にこのドラマはおもしろい。

来週は3時間スペシャル。本当に楽しみ。猫の額脳細胞ではすべてを記憶することは不可能ですので、ビデオ録画は必至。来週のレビューも全力でお送りすることをここにお約束しましょう。それまではニコ動に投稿されている「キノコ様の名台詞・名シーン詰め合わせ」でテンションをキープしなくては。これ、最高。爆笑必至。キノコ様の過去の栄光。

今日のゲームのおさらいもしときなさいよ、自分。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007/06/15

『王国は星空の下』 篠田真由美

王国は星空の下 Book 王国は星空の下

著者:篠田 真由美
販売元:理論社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

深い森に囲まれた北斗学園。

北斗学園七不思議を探ろうと決意した3人の前に立ちはだかる事件。

北斗学園校章に描かれた8つの星の意味とは?

先日『風信子の家』レビューをお送りしたばかりの篠田真由美女史、再び登場です。講談社ノベルス新刊『一角獣の繭』レビューも近日中に更新できると…いいな(慌てて眼を逸らす)。

本作『王国は星空の下』は理論社より若年層向け(?)ミステリシリーズとして創刊された“ミステリーYA!”第一回配本。この“ミステリーYA!”について、なんの知識も持ち合わせていないのですが、講談社の“ミステリーランド”みたいなものと理解してよろしいのでしょうか?対象はもうちょっと上、中高生向けだと思われますが。

しかし、この“中高生向け”という縛りは作品の難易度をかなり上げますよね。本作読了後の感想は登場人物たち(中学2年生3人組)のキャラクタと、作中で起こる事件との感度が合わない、ということ。性質が違う?彼等が扱う(出逢う)事件としては、ちょっと重過ぎる気がします。

中学生が学校の七不思議に興味を持つ…というのがそもそも古い(篠田女史の作品らしいと云えば、らしい)上に、その七不思議探求が国会議員の汚職事件に繋がり、暗殺者は登場するは、人死には出るはで。しかもサブタイトルの「北斗学園七不思議①」…

①ってなんすかっ!?

まさか⑦までシリーズ化しようっていう魂胆じゃなかろうね?このキャラクタ(語り手としてのオレ=アキ)で、読者の興味を引っ張るのは難しいと思います。ダッテ、アタマワルスギル。読んでて正直苛っとしました。

若さ故、わからないことが多いのは良いんです。頭で考えるよりも先に体が動いてしまうのも良いんです。でも、彼には主人公たる何かが足りない気がしました。少なくとも、汚職事件とか殺人事件とか、そういう類の事件とは関われない人種ではないかと思います。その点でハルやタモツは優秀。ミステリ的登場人物だと思います。

正直、シリーズが続いたとしても読むかどうかは微妙。シリーズ2作目で主人公がチェンジしているようなら…読むかも。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/06/14

『十月は二人三脚の消去法推理』 霧舎巧

十月は二人三脚の消去法推理 私立霧舎学園ミステリ白書 Book 十月は二人三脚の消去法推理 私立霧舎学園ミステリ白書

著者:霧舎 巧
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

“晴れの特異日”に行われるは…

体育祭?それとも殺人?

レギュラメンバ勢揃いの十月編。ようやく登場。

講談社ノベルス6月の新刊は事前準備バッチリ☆の「霧舎学園シリーズ」十月編。どんと来~い!超常現象!!

まずは恒例となりつつある“おまけ”紹介から。今回は霧舎学園体育祭プログラム(ついにフルカラーでは無くなったか…)と体育祭実行委員である琴葉の名刺。いつものツッコミからゆきますか?

この名刺、栞以外にどう使えっちゅーねん。

嗚呼、すっきり。この名刺がどれだけ事件解決に関わるのかと思ったら…

さっぱり。

嗚呼、すっきり。最近「ライアーゲーム」にゾッコンな私は、カードを見ると側面にキズが付いていないか確かめる癖ができました。そんな仕様にはなっていないようで一安心(なにが?ねぇ、なにが?)

さて、十月のミステリテーマは“消去法推理”とのことですが…

どこに消去法推理があったよ??

あれ?私、30頁くらい読み飛ばした?あれれ??消去法と云えば、神・ホームズ曰く「全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」ですので、どんな奇天烈な結末もどんと来~い!と覚悟してたのに…ワクワク損だ。ワクワク詐欺だ。

まぁ、霧舎氏お得意の読者を煙に巻こうと物語まで煙に巻いてしまう作戦が功を奏したと云うことで。アリガトウゴザイマス。

さて、十月はこれまた「あかずの扉シリーズ」とのリンクが少なくって。「あかずの扉シリーズ」の時間経過を飛び越してしまった?(でも、カケル&ユイのラヴ話舞台はクリスマスだったような)とりあえず、保少年がご存知の大学生が

英国に行く

らしいので、次の「あかずの扉シリーズ」舞台はイギリスでしょうか?ホームズ様とのコラボでしょうか?た、愉しみです(←きっと妄想に終わる)

というわけで、まったくレビューになってませんが、消去法推理というタイトルに惹かれて手に取ると痛い目をみると思います(悪だね、貴女)。あっ、おかえりなさい○○ちゃん。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007/06/13

『太陽の塔』 森見登美彦

太陽の塔 Book 太陽の塔

著者:森見 登美彦
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。

なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。

『夜は短し歩けよ乙女』で本屋大賞2位を果たした、森見登美彦氏デビュー作。短編としての「夜は短し歩けよ乙女」は理解できなかったのですが(てへっ)この『太陽の塔』は愉しませてもらいましたよぉ。

なぜこの作品でファンタジーノベル大賞受賞なんだ!?

どこがファンタジー?それこそがファンタジー?

でも、絶妙な語り口にノックアウト寸前。「10ページでヤミツキになる独特のリズム」…まさに仰るとおり。先日レビューしました乙一氏『小生物語』に似て蝶。どう生きてきたら、こんな思考回路を形成できるのでしょうか、不思議。

履歴書の特技欄には“リアルのび太くん=どこでもいつでも寝れる”と書く私ですが、そろそろ“妄想”に衣替えしようと思ってたんです。思ってたんですが、こんなすごい妄想マスターに出逢ってしまっては、恥ずかしくってそんなこと書けない(というか、普通は“妄想”なんて「採用しないでください」と云っているようなもんで、書かない)。

どうしてここまで思考を飛躍させることができるのでしょうか。それがマイナス方向へと飛ばないのなら、彼はきっと世界一しあわせ。ストーキングだって、研究であると一刀両断。彼の理論では正しい行いなのです(でも、世間一般では犯罪です。まごうことなく)。

この作品をどんなカテゴリに分けたら良いのか悩む。恋愛小説…の割には水尾さんとの絡みは少ない(あったか?)、青春小説…の割りに爽やかさは皆無。生きることへの苦悶…そんなもの妄想マスターの敵ではない。やっぱりファンタジー小説で正しいのかもしれない、と思いました。

読了感は悪くなかったのですが、いざレビューを書く際に何を書いて良いものか悩む作品というのがあります。まさに『太陽の塔』がそれ。新緑アレルギーで眼と鼻がお釈迦になった私では、これ以上レビューできませぬ。悪しからず。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2007/06/11

『少年検閲官』 北山猛邦

少年検閲官 Book 少年検閲官

著者:北山 猛邦
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

森に行ってはいけないよ。

森には恐ろしい『探偵』が居るんだ。

『探偵』に殺されたくなかったら、森に行ってはいけないよ。

この作品をどう評価したら良いかわからん。いろんな意味で、

北山猛邦氏らしい作品でした。

この言葉をどの方向性で受け取るかはアズユーライクで。

書物が追放された世界。何人も書物の類を所有してはならない。書物を隠し持っていることが判明すれば…焚書。それも家屋もろとも。

そんな書物の失われた世界=ミステリの失われた世界で、ミステリに焦がれる少年・クリス。クリスがミステリを求めて辿り着いた街で行われる『探偵』による殺戮。ミステリを知らない=殺人を知らない住民にとって、その殺戮は自然死と同義。ミステリとは?探偵とは?殺人とは?

うーむ。あらすじを追ってみましたが、やっぱり評価し難い。タイトルでもある少年検閲官が登場してからの物語の加速感は良し。やっぱり物語を動かすのは探偵なんだと実感。でもね、少年検閲官=名探偵登場までが序章だとするならば、3分の2が序章ではないですか!そんな長い序章読まされても!!

ミステリとは?探偵とは?といった哲学的なものに殆ど興味のない私。ミステリとは純粋なエンタテイメントだと想ってますので。序章が長すぎるおかげでエンタテイメント性に欠ける本作。

いきなりネタバレしますが、犯人である『探偵』が殺戮を行う理由は、失われた書物を再生させるため。書物に欠かせない“紙”を手に入れる為、不可解な十字架を描き続ける犯人。そんな、殺人を犯してまで手に入れたかった“紙”が自分の眼の前にある、自分が今まさに手にしていると思ったときに、若干背筋に冷たいものが奔りました。でも、でも、それだけなんだよなぁ。

父親の形見たるチョーカーがガジェットってな結末も、そのガジェットを前にしたクリスとエノの友情ってのも良かったんだけど、長すぎる序章がすべてを台無しに。冒頭で訴えた北山猛邦氏らしい作品ってのは、本当に云い得て妙だわ。北山氏の作品って、いつも思わせぶりなままラストまでゆくんだもの。

そうそう、北山氏=メフィスト賞繋がりで一言。いよいよミステリ・フロンティアから満を持して石崎幸二氏の作品が発売されますね!!何年ぶりだ、石崎氏!待った、待ったよ石崎氏!!もう、すんごい愉しみなんです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007/06/10

「ライアーゲーム #9」感想

ライアーゲーム DVD BOX DVD ライアーゲーム DVD BOX

販売元:ポニーキャニオン
発売日:2007/10/03
Amazon.co.jpで詳細を確認する

昨晩は持病の偏頭痛がまじょ。脳内で破壊活動を行っていたため、ライアーゲームをリアルタイムで観ることができず。無念。寝癖が前衛的なまじょ。が朝イチで行ったのは洗顔でも歯磨きでもなく、ニコ動にライアーゲームが更新されているかの確認でございます。高速更新アリガトウゴザイマス。

物語はついに3回戦へ。敵対するふたつの国から自分たちの財産を移動し合う“密輸ゲーム”が3回戦の趣向。いかに検査官を欺いて自国に財産を持ち込むか。目の前に置かれたトランクにいくらのマネーが入っているのか。そして、30ゲームという限られたゲーム数の中でどう駆け引きするのか。

なんか地味なゲームね?と思ったのも束の間。ナオが開始早々「このゲームには必勝法がある」という決め台詞を。密輸しなければ(トランクにマネーを入れなければ)財産が減ることもないし、検査官が判断を誤れば慰謝料をふんだくれるから勝てるという、ノーリスクハイリターンな必勝法…ナオ、やっぱり甘いよ!

密輸が一度も成功しなければ相手の国にそのまま財産を置いてくる(プレゼントする)ことになるから密輸をしないわけにはいかない。たとえ相手の密輸をすべて阻止して、全額ふんだくったとしても、結果はイーコール。勝てないわけです。いかに密輸するか、がこのゲームの鍵になると個人的に思ったのですが…どうでしょう?

そんなわけで、守りに入った水の国チーム(ナオ、秋山、キノコという豪華メンバ)と攻めに転じた火の国(モブと謎の白髪・ヨコヤ)。結果は…火の国優勢!慰謝料が怖くて「ダウト」を宣言できない水の国チーム。どんどん密輸されてゆきます。我等がキノコですらも判断を誤る。というか、

強敵だったはずなのに、仲間になった途端に雑魚なキノコに爆笑!

あるある。RPGとかでよくある。敵だったときに散々苦しめられた技が、仲間になった途端に「覚えてね」どころか使えなくなってるみたいな!さっきまで使ってたアレはなんだったんじゃあ!!と思わずコントローラーの遠投にチャレンジしたくなることってよくある。

そんな弱小キノコと…

チビキノコ(大爆笑)!!!!!

そうかそうか、オオノにはそんなあだ名が。確かにキャラ被ってるけどね。そんなチビキノコがこれからゲームを支配してゆきそうな予感。正真正銘の必勝法を見つけたチビキノコ。当然、そんな美味しい必勝法をペラペラ喋るはずもなく(喋るのはナオくらいのもんだ)。

透視能力がある(という眉唾発言の)ヨコヤとチビキノコの攻防…

そんなのつまらないから止めて頂戴!!

秋山を!秋山を出して頂戴!!第9話の見所って、「ダウト、1億円」をコールする度胸を見せたあのポイントだけだったではないですか!!あとはなにか考えている(風を装っている?)ご様子でお喋りしてくれないし!それだけこのゲームが過酷であり、必勝法なぞ見当たらないということなのかもしれませんが…秋山の悪い笑顔が見たい!!

しかも公式サイトによれば、次回はかなりのピンチを迎えるようですし。壁に寄りかかりうなだれる秋山も格好良いのですが…お姉さん心配です。

3回戦でライアーゲームは最終回を迎えそうな予感。きっとヨコヤがライアーゲーム事務局のボスにして黒幕なんだろうなぁ。ヨコヤをどう倒すか。ヨコヤを倒すことで秋山とナオがどう救われるか。最終回目前の次週がまたもや待ち遠しい。

そして、キノコ様の復活も是非!!

| | コメント (2) | トラックバック (2)

2007/06/08

『君に届け』 椎名軽穂

君に届け 1 (1) Book 君に届け 1 (1)

著者:椎名 軽穂
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

主に現実逃避の手段としてやってしまう“漫画大人買い”。私生活でちょっと我慢できないことがあったので、前から気になっていた『君に届け』を大人買い…って云うほどの巻数じゃないんですが(現在4巻まで発行)。

買ってよかった、『君に届け』!

マーガレットより発売される作品を買ったのなんて何年ぶりだろう。二桁ぶりくらい?少女漫画で満足できるほど初心な女じゃない…と自己分析していたのですが、こんなに愉しませてもらえるとは、一安心。

“貞子”と呼ばれ、皆からいじめ一歩手前(というか、いじめだあれは)の扱いを受ける黒沼爽子。そんな爽子の前に現れた爽やか100%少年・風早翔太。そんなふたりのピュア・ラヴを主題にした作品かと思いきやそれだけじゃないんだなぁ、『君に届け』。

クラスに広がった(というか、悪ふざけの)誤解を解くために自分を犠牲にする爽子。誤解は解けたけれど、風早と元のような関係には戻れないと涙する爽子。爽子にとって風早は太陽なのに。太陽に照らされて、これまで日陰に甘んじていた爽子がようやく芽を出そうとしていたのに。

そんな爽子の想いが・境遇が、あまりに可哀想でしゃっぱなから眼を潤ませる私。そしてやっぱり登場する太陽に、風早がかける言葉に思わず涙が零れる。

いやぁ、少女漫画で泣ける心が私にあったとはっ!!

トイレで地蔵へと変身する爽子と、「ひとりじめ」と微笑む風早に最早ノックアウト寸前の1巻。

そして、問題の2巻。もうねぇ、号泣。

何度読んだって号泣ですよ!皆さん!!

風早の助けもあって、ようやく愉しいと思える時間、愉しいと思える場所を手に入れかけた爽子。そんな爽子に襲い掛かる黒い噂。自分と居るとこんなに素敵な人たちが、こんなに優しい人たちが悪く云われてしまう…と自ら身を引く爽子。そんな爽子の態度に不信感を募らせるちづ&あやめ。

そんなときも、やっぱり爽子に力を与えてくれるのは風早なのです。風早の励ましを心の支えに、噂に立ち向かう爽子。口下手な爽子には巧い言葉は見つからないけれど、でも大好きな人たちのために負けない爽子。自分が悪く云われるのは良い、でも自分の大好きな人たちを悪く云わないで。そんな爽子の想いがちづ&あやめに届いた瞬間、眼から涙が止まらない。

前が見えないよぉ!!

ちづ&あやめ、大好きです。学生時代、絶対にお近づきにはならなかったタイプだけれど(ボーダーに留まるのが好きな学生でした)人は見かけじゃないことを教えてくれるふたり。あんな良い子たち、なかなか居ないよ!ちづのあの豪快な笑い声が好きです。義理人情仁義で出来てるちづと、自分の信念は決めたことは決して曲げないであろうあやめ。爽子は本当に良い友達ができました。えがったえがった。

そして、3人が本当に友達になったことを確認させてくれるシーンからスタートする3巻。私、龍の部屋でみんながワイワイやっているあのシーンが大好き。あやめの「やっべ、すげー楽しいの発見!!」と、むくれてる風早王子が大好き。

おっ、このふたり、このままいっちゃう?なんて希望が叶うはずも無く。やっぱり登場しました恋のライヴァル、くるみ。前からチラチラとは登場してましたが…

やっぱり性悪女でしたか。

居た居た居たわよ、こんな女。万が一の確立でも振られるなんて耐えられなくって、相手から告白させるように仕向けるタイプの女です。そんな玄人(?)たるくるみの攻撃に、恋愛(どころか人と関わるのすらも)若葉マークの爽子がどう立ち向かうか。

くすぐられて「ひょっ!ひょーっ!!」と奇声を上げる爽子と、「呼んだはいいけどキンチョーする」とタオルで赤らんだ顔を隠す風早にどっきゅんな3巻。

そして最新巻。ようやく風早に対する気分の気持ちが“恋”であると自覚した爽子。爽子と風早の関係をなんとか崩そうと画策するくるみ。爽子の応援団、ちづ&あやめもくるみの企みを阻止すべく暗躍。一気に物語が動き出しましたね。

そんな4巻で私が一番萌えたのは龍の「俺は千鶴ひとすじ」宣言だったわけなんですがっ!

だよね、そうだよね!!でも、龍も一生懸命な爽子にだから云えたんだろうなぁ。『君に届け』のオーバーキルドレッドとも云える(笑)ちづには、何度も笑かしてもらいました。ちづ&龍なんて、お似合いすぎてお姉さん鼻血。3巻の“ツーカーぶり”も微笑ましかったもんなぁ。ちづは「にぶくて単純」だから、龍頑張れよ!!

そして、爽子がそんなノロケ話(?)を聞かされているとは知らずに「我慢できなくなった」風早が取った行動は…

拉致!!

あんなことされて、風早の気持ちに気付かないのは爽子くらいのもんですが(合掌)これも青春。それも青春。そして、そんな風早に萌える私も青春。

しかし、爽子は本当に良い子。くるみの元に戻り、友達だからこの想いをくるみの伝えたかったと、素直にぶつかる爽子。本当に爽子は良い子だ。瞬間移動もできるし。このふたりの関係がこれからどうなってゆくのか…も『君に届け』の読みどころですね。

というわけで、粗々ではありますが1~4巻までのレビューでございました。要約すると

風早のフェロモ~ンにやられちゃったアイタタタな大人がひとり

ということなんですが(そうか?そんなレビューだったか?)。続きが愉しみな作品がまたひとつ。今回の“大人買い”も(だから、そうでもないって)成功で余は満足じゃ。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2007/06/06

『風信子の家』 篠田真由美

風信子の家―神代教授の日常と謎 Book 風信子の家―神代教授の日常と謎

著者:篠田 真由美
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

-この謎が君に解けるかな?

それだけ書かれた手紙と共に送られてきた家屋模型。

建築探偵シリーズでお馴染み・神代宗教授、スピンオフ作品。

最近では作品の内容云々ではなく、HPでの傍若無人な振る舞いが話題の篠田真由美女史。6月には建築探偵シリーズの新作が発売されるようで(密林にて予約完了!)篠田女史、ハイペース執筆ですね。

そして、本作は建築探偵シリーズより神代教授をスピンオフ。副題の「神代教授の日常と謎」の「と」にゴミが付いてるなぁと思ったら、背表紙の「と」にも付いていたので意図的に付けた模様。なんとなく素人臭いものを感じるのは私だけ?

さて、くどいようですが本作は建築探偵シリーズから神代教授をスピンオフ…のはずなのに、神代教授が探偵役を果たした作品なんてあったか?あれ?元祖ヒッキーとも云える(バブルの頃から引き籠ってました)桜井京介がでしゃっばってきたり、旧友が「探偵」と自称しちゃったり、めんこくて堪らない蒼が探偵を果たしたりした作品は読んだ記憶があるのですが…あれ?気のせい?

しっかし、この『風信子の家』(そうそう、風信子はヒアシンスと読むんです)を読んで良かったと思うのは、

蒼がめんこくてめんこくて仕方が無いから!!

あぁ、この蒼のめんこさは『原罪の庭』を越えたかも!『桜闇』の深春を迎えに行った蒼に匹敵するね!!くぅぅぅぅ、蒼大好き、蒼にはしあわせになってもらいたい(だから京介には死なないでもらいたい)私としては、堪らない一作。

「クリスマスは嫌い」で神代教授とともに星を眺める蒼なんて最高!まさにお父さんと愛息子。本当に神代教授の養子になれば良かったのに。いや、蒼が決めたことならなにも云わないけどさ。そして、「悪魔の目覚める夜」で蒼から届けられたメッセージなんて悶絶モノです。深春、その小型レコーダを可及的速やかに寄越しなさい!!!と本気で思ふ。蒼、めんこい。

蒼好きなら読むべき一冊。ミステリとしては…どうなんでしょうね?篠田女史の作品に本格ミステリ的なものを求めなくなって久しい。6月新刊ももちろん期待なんてしないさ。蒼&翳が読めれば良いのさ。

それでもラストに収録されている「思いは雪のように降りつもる」の中原中也の引用は良かったと思います。久しぶりに中原中也を読みたくなってきました。同じく中也を扱った『暗黒館の殺人』では、そんなことこれっぽっちも思わなかったので、きっと巧い使い方だったのだと思います。

あぁ、蒼に逢いたくなってきました。いまから蒼のスピンオフ作品でも読もうかしら。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/06/05

『模倣の殺意』 中町信

模倣の殺意 Book 模倣の殺意

著者:中町 信
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

七夕の夜、命を絶ったひとりの青年。その死に疑問をもったふたりの人物。

それぞれが異なる角度から事件の真相に挑む。

そして、読者の前に提示される驚愕の真相とは?

ソラチさんのブログで絶賛されていたので、手に取ってみた一作。中町信氏とは初めてのお付き合い。

練りこまれたプロット。「あれ?」と感じた時にはもう手遅れ。貴方は既に騙されている。もう、こういう作品大好きです。どんどんカモン!

本作は何度も改訂版が発行されており、私が手にとったのはアフィリで表示されている其れではなく、かなり古い版だったものですから(なんてたって改題される前の『新人文学賞殺人事件』ですから)どうやらミステリとしての難易度はグッと下げられている模様。

■ここからはネタバレ必至レビュー

本作最大のポイントである“時間軸の相違”ですが、古い版ではかなり露骨に描かれております。時間軸がずれていることは、かなり早いうちから看破できましたが、まさかそれぞれが違う事件を追っていようとは。死亡した青年が同姓同名であった…という奇跡(これを奇跡としてしまっては、なにも始まらないのですが)に起因するのですが、ここをどうオブラートに包むか。

見えるようで見えない、解りそうで解らない。如何に読者を煙に巻くか、如何に読者を物語に惹き込むか。それこそが作者の力量。素敵な読書タイムを中町氏に頂戴しました。ありがとうございます。

この手の作品はすべての謎が氷解したときに、眼から鱗。本格ミステリ読んできて良かったと思わせてくれる。この瞬間が大好きで、この瞬間に出逢ったときの快感が、次の作品を読むエネルギィになる。ミステリは本当に不思議で、良作に出逢ったときの「なんじゃこりゃぁ!」と駄作に出逢ったときの「なんじゃやこりゃぁ!」は同じくらいのポテンシャルを私にもたらしてくれます。

いまの私はミステリモード全開。本格の名作をどんどん読むぞぉ!という素敵な気持ちにさせてくれた一作。願わくば、最新改訂版で『模倣の殺意』に出逢っておきたかったという後悔。事前のチェックは念入りに。そして、一気読みの時間を確保して。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007/06/04

『推理小説』 秦建日子

推理小説 Book 推理小説

著者:秦 建日子
販売元:河出書房新社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

アンフェアなのは、誰か?

検挙率ナンバー1の女刑事・雪平夏見が推理小説に存在するルールに挑む。

映画化もされた超有名作品、原作。

基本的にテレビドラマは観てない私。当然「アンフェア」も観ておりませんで、映画公開直前に放送されていた総集編と特別編をチラ見した程度の知識しか持ち合わせておりません。

本作『推理小説』はキャラクタや設定の“原作”であって、ドラマ「アンフェア」の原作ではないのだと思われますが(ドラマの犯人は○○だったように記憶している)、推理小説=ミステリとしての完成度は低めでしょうか?

「アンフェアなのは、誰だ?」と宣戦布告しつつも、常にフェアな姿勢を築こうとする犯人。これだけ「アンフェア」「アンフェア」宣言されると、結末もアンフェアだろうと思ってしまうのが人情。叙述トリックの解説まで挿入されていて、「それは叙述トリックを疑えというミスリードか?」と思ったり思わなかったり。それがもう、ストレートなフェア作品(?)で肩透かし。

文章は読み易い。ちょっと文字が大きすぎるかしら。1時間ちょっとで読了。若干の物足りなさが残る。もうちょっと深く掘り下げることが可能だった箇所もあっただろうに。

でも、ラストで雪平と犯人が心を通わせる場面はなんだか素敵でした。雪平を“女”だと思った最初で最後の瞬間。子どもの前でも雪平は女になりきれなかったのに。犯人はラストで正直に罪を告白しなくてはならない…なんてご冗談を。刑事では無い“女”の前では、犯人もまた唯の“男”でしか無いのでしょう。

死体が最後に見た風景を疑似体験する…という雪平の行為があまり活かされていなかったように思いますが、ガチガチに伏線を張り巡らした作品には無いスピード感があったように思います。機会があったらドラマも観てみましょう。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007/06/03

『ロング・グッドバイ』 レイモンド・チャンドラー

ロング・グッドバイ Book ロング・グッドバイ

著者:レイモンド・チャンドラー
販売元:早川書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

私立探偵フィリップ・マーロウ。

シニカルな思考と飛躍するカンバゼイション。

あの『長いお別れ』を村上春樹訳で読めるしあわせを。

「最近、洋モノ(笑)読んでないなぁ」ということで、話題の春樹プレゼンツ『ロング・グッドバイ』をチョイスしてみました。

『ロング・グッドバイ』と私の出逢いは高校生のとき。まだまだ“おこちゃま”だった私はマーロウの魅力の一片も、ハードボイルドがなんたるかも理解できず、

ただの皮肉屋さん

という認識しか持てなかった…アイタタタな過去。それから時を経て、四捨五入したら三十路という妙齢に達した私が、この『ロング・グッドバイ』をどう読むか。

やっぱり皮肉屋さん(笑)

でも、“ただの”は取れました。そして、マーロウの魅力もちょっとだけ、ちょっとだけ解ってきました。マーロウにとってシニカルは欠かせない要素。シニカルさのないマーロウなんて、ただのニートか?ってなもんで(それは俺の仕事じゃない、とか)

ひょんなことから知り合った駄目男・レノックス。とびきりの厄介事を持ち込んでくれた彼に、できる限りの友情を示すマーロウ。様々な表現で「この事件から手を引け」と忠告&脅迫を受けるマーロウであるが、彼は彼の信念の赴くまま。そんな中、マーロウに持ち込まれる新しい依頼。美女とのロマンス。意図したわけでも無いのに、軌道は自然とレノックス事件へと修正され。マーロウが最後に出逢う真実とは?

まじょ。的『ロング・グッドバイ』要約はこんな感じ。随所に“彩り”として配置されるハードボイルドの色合いが作品をさらに高めます。ミステリ作品としての『ロング・グッドバイ』は「だろうね」的結末。あそこで○○○○○が登場しなかったら詐欺だろ!と思うのは、世にミステリが溢れる今だからであって、本作の初出は1953年ですから。驚き。そして、不要とも思える描写たち。これこそが準古典に分類される本作の贅沢さ、なのでしょうか。物語に関係ない伏線や描写はいらないぜ!という、最近のコンパクトミステリには見られない姿勢かと。

本当にどうしてこんな云い回しができるのか…とうっとりすること数回。物語よりも、その美しい台詞に恍惚とさせられます。でも、やっぱりまだすべてを理解するには至らない。若いな、まだまだ。またいくつか歳を重ねたら再挑戦したい一作。素敵です。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007/06/02

「ライアーゲーム #8」感想

ライアーゲーム DVD BOX DVD ライアーゲーム DVD BOX

販売元:ポニーキャニオン
発売日:2007/10/03
Amazon.co.jpで詳細を確認する

今週もライアーゲームの時間がやって参りました。つべこべ云うのはもう止めましょう。さっそく感想更新です。

「高すぎる高すぎる絶対高すぎる!!」と地団駄を踏むキノコ。キノコを鑑賞することが楽しみになりつつある自分…ヤヴァイネ!

秋山の云い値で次々と買われゆく票。キノコの立てた作戦に乗り、ナオを騙そうとしていた奴等に情けをかけることない…と云い放つデビル・秋山。いくらナオをゲームから棄権させる為とはいえ、ちょっと悪魔的すぎるような。秋山の基本属性はお母さん想いの優しい青年だったはずでは?事務局の挑発(黒幕はまだ捕まってない、秋山が3年前に倒したのはダミーだというアレ)で、どこかの性悪スイッチ入っちゃいました?

そして、10回目の結果発表。ナオが最終的にリストラしたのは…豹柄(エトウ)!いや、ナオの考えてることなんて丸判りなので、豹柄がリストラされるだろうと思っておりましたが。

“みんなが争うことなく、自分の私利私欲に走ることなく、協力し合うことができれば、誰も損をすることなくしあわせに過ごせる”というナオの主張。確かにね、確かにそうなんだけど、それは決して叶うことのない夢。

性善説・性悪説なんて説くまでも無く(私は普段から性悪説の立場をとります)、世の中は悪が蔓延るようにできているのです。性善説をとるなら、悪が蔓延っているから人間は悪に染まってゆくわけだし、性悪説をとるなら人は生来“悪”を抱えて生まれてくるわけだし。まぁ、私の中途半端な戯言には興味無かろうかと思いますので、多くは語りませんが、悪をこの世から撤廃するなんて無理。それなら、性悪で生まれてくる人間が生きてゆく中で“善”を獲得する…という方が素敵だと想う。そして、その“善”の要としてナオが存在できれば良いね、というお話。

しかし、そんな“善”たるナオを見つめる秋山の胸中は?基本は“善”たる人間なのに、デビル・秋山と化けなくてはならなかった彼。自分が捨てた捨てなくてはならなかったものを、未だに持ち続けているナオを見て、秋山はなにを想うか。それは羨望か?憎悪か?

独り占めした賞金をメンバに支払い、秋山に駆け寄るナオ。見つめ合うふたり。あそこでナオが期待したようなチューは無いまでも、秋山が破顔一笑でもしてくれればお姉さん満足だったのに。これから始まるであろう試練に、もう頭は一杯ですか?

そして登場する金歯いっけい。敗者復活戦会場から着の身着のまま、地獄の3回戦会場へと輸送されます。そこで始まるゲームは…

団体戦!密輸ゲーム!!

確かに濃い~メンバばかりが残っておりますものね。公式サイトによれば、現メンバ9名+鈴木一真が2チームに分かれて争うとのこと。もちろんナオ&秋山は同じチームでしょうが…

我らがキノコ様がどちらに分けられるのかが気になるところ!

ついにキノコにも“様”が…大丈夫か、自分?To be continuedのバックに流れた「フクナガ、超嬉しいですけど~」に爆笑しちゃいました。

そして、6月23日最終回3時間ぶち抜きスペシャル!!!嬉しい悲鳴。最近、ここまでやってくれたドラマは無いように思います。それだけ注目度高し?通常放送があと2回、そしてラストは3時間。まだまだ私の心を掴んで離さないライアーゲーム。来週の新ゲームが楽しみです!

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007/06/01

みんなの読書癖○皐月編

皆様、いかがお過ごしでしょうか?まじょ。です。

今月もなんとか忘れずにいられたこの企画。今月はなんとか“ミステリ”ブロ愚としての面目を保てたような…やっぱり保てなかったような。とにかく御覧くださいまし。

○ACRWEBランキング○

1 『イナイ×イナイ』 森博嗣 349
2 「ライアーゲーム #5」感想 270
3 逆転裁判4 プレイ日記5 188
4 「ライアーゲーム #6」感想 108
5 逆転裁判4 プレイ日記4 95
6 『ηなのに夢のよう』 森博嗣 92
7 逆転裁判4 プレイ日記2 88
8 名探偵コナン「紺碧の棺」 84
9 逆転裁判4 プレイ日記3 79
10 ●森博嗣 75

卯月の変で予想した通り、1位は森博嗣氏『イナイ×イナイ』でしたが、あとはもうライアーゲームか逆転裁判4かというランキングぶり。試しに、10位までの各カテゴリ合計数をもとめてみましょうか。

森博嗣:349+92+75=516
ライアーゲーム:270+108=378
逆転裁判4:188+95+88+79=450

今日から晴れて当ブロ愚は“ミステリブロ愚”を名乗っても良いことと相成りました!

あ、危なかったですねぇ。もし森博嗣が合計トップじゃなかったら、11位の71票も足そうと思ってたんですよ。そんなズルっこいことしなくても、ミステリブロ愚になれて良かった。しかし、6月出版予定ミステリ作品に「これだっ!」という決め手作品が無いので、またもや唯のブロ愚に格下げとなるのでしょう。ライアーゲームブロ愚になるかも…。

○track wordランキング○

 1. ライアーゲーム(338)
 2. 逆転裁判(258)
 3. イナイ×イナイ(202)
 4. 森博嗣(125)
 5. 辻村深月(56)
 6. 名探偵コナン(47)
 7. イナイ(42)
 7. リストラゲーム(42)
 9. 零崎曲識の人間人間(30)
10.  西尾維新(22)

悪夢再来!?

今度はどうこねくりまわしても、ライアーゲームの方が多い…これはあれですか?来月“ライアーゲームブロ愚になるよ”という、布石ですか?ガクガクブルブル。

でも、この記事を書いていて思うのは、本当に沢山の方が来てくださるブロ愚になったなぁということ。1年前にトップをとったカウントでは、現在の10位にも食い込めないもの。長く続けると(一応、管理人のブログ最長記録を更新中)良いこともあるなぁとしみじみ。

これからも頑張って(月イチで逃亡しますが)更新してゆきますので、どうぞお付き合いくださいませ。よろしくお願いいたします!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年5月 | トップページ | 2007年7月 »