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2007/05/21

『フィッシュストーリー』 伊坂幸太郎

フィッシュストーリー Book フィッシュストーリー

著者:伊坂 幸太郎
販売元:新潮社
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「私は正義の味方になりたかったんですよ」

売れないロックバンドのラストアルバムが起こした奇跡の表題作。

そんなささやかな奇跡を集めた伊坂幸太郎短編集。

漸く読了できました伊坂氏最新作。デビュー間もない2001年の作品から、書き下ろしまで4編を収録。私が最もグッときたのは、「やっぱりか…」と思われたって良い、表題作の「フィッシュストーリー」。

いきなりネタバレしますが(伊坂作品はネタバレしてようがしていまいが、その良さに変わりは無いと個人的に思っている)ラストの「お礼は、その人のお父さんに」が良いですよねぇ。ハイジャック犯に立ち向かう息子(瀬川さん)が云う、「礼なら、父に」も最高。そのお父さんですが、冒頭のうだつの上がらないお父さんを読む限り、息子を正義の味方にしようとは思えないのですが…まぁ、気にしない気にしない。お母さんとの出逢いをきっかけになにかのスイッチが入っちゃったのでしょう。

「フィッシュストーリー」読書中の私の妄想だと、麻美(ハイジャック飛行機に乗り合わせた女性)は結婚直前になって瀬川さんと出逢い、破局→瀬川さんとビビビ婚をやらかすかと思ったのですが、さすがに飛躍のし過ぎだったようです。ついでに、あのハイジャック犯たちは売れないロックバンドのメンバたちでは?という妄想もしてみたのですが、さすがにさすがに跳躍のし過ぎだった模様。まぁ、私の妄想なんてそんなもんさ。

そんなお気に入りの「フィッシュストーリー」ではありますが、肝心の売れないロックバンドたちの件は「いらねぇなぁ…」とか思っちゃった悪い私。あの場面では切なくなれなかった悪い女。伊坂氏、ごめんなさい。

そうそう、「動物園のエンジン」も好きですね。河原崎のキャラがまさに伊坂節。「ポテチ」の今村もそうなんですが、どうしてあんな破天荒なキャラ造詣が可能なのか、本当に不思議。絶対に考えられませんが、間違って私が創作作品を生み出すことになったとしても、あんなキャラクタを創り出すことは絶対に不可能。まぁ、実際自分の周りにこんな人たち居たら、うっとうしくて嫌になるんだと思いますが。類は友を呼ぶ。超現実主義(趣味が妄想なだけ)の私の周りに、そういうキャラを持った人が居ないだけなのだと思います。

あぁ、肝心の作品内容について全然書いていないから驚き。「サクリファイス」なんてミステリ的なのに、まったく印象に残っていない罠。でも、やっぱり素敵な伊坂作品たち。こっ人的な伊坂ベストに変動はございませんでしたが、本作も愉しい時間をくれました。

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コメント

こんにちは。
面白くて読後感も良い本でした。
今までの伊坂さんの小説に出てきたキャラが
あちこちに顔を出していると聞いていたのですが、
わかったのは「黒澤」のみ・・・。
伊坂作品、それなりに読んできたんですが・・・。
鳥のような脳がうらめしい。

投稿: 木曽のあばら屋 | 2007/05/21 23:15

あ〜私もバンドに共感できなかったんですよ いらないなって思っちゃったりしたんですよ! 人でなしかと思って書かなかったんですけど、まじょ。さんも人でなしで嬉しいです

投稿: きりり | 2007/05/22 00:51

☆木曽のあばら屋さん☆
こんにちは!
私も他作品登場キャラで、わかったのは「黒澤」のみでした!あれ、伊坂作品全部読んでいるはずなのに…おかしいですね?あれ?同じく鳥頭?
伊坂お得意の練りこまれた連作短編集も良いですが、こういう短編集もまた良いですね。一作一作で気持ちも時間もリセットできるってのは、大切なことだと思いました。

投稿: まじょ→木曽のあばら屋さん | 2007/05/22 21:09

☆きりりさん☆
あっさり「いらない」とか切り捨てちゃう、人でなしクイーンとは私のことです(笑)
「フィッシュストーリー」はバンド以外のところが妙にツボだったので、余計そう感じたのだと思いたい。でも、きりりさんもそう思ったということは、やっぱりいらなかったんだと思います(断言)

投稿: まじょ→きりりさん | 2007/05/22 21:12

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