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2007/05/19

『骸の爪』 道尾秀介

Book 骸の爪

著者:道尾 秀介
販売元:幻冬舎
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割れた頭から血を流す仏像。

奇妙な心霊写真を再び撮影してしまったホラー作家・道尾が頼るのは?

霊現象探求所シリーズ、第二弾ここに開幕。

またもや逃亡、すみません。最近当ブロ愚を来訪してくださる方の殆どが『イナイ×イナイ』目当てなんだから、トップに置いておくのが親切ってもんじゃない?とか開き直っちゃったまじょ。です。すみません、自分を律することができなくて。

さて、本日のレビュー作品は『背の眼』に続く霊現象探求所(真備)シリーズ第二弾『骸の爪』です。『背の眼』レビューの際に、民俗学とミステリの融合!とか騒いでおりました私ですが、本作は民俗学テイストは弱め。バキバキの本格ミステリに仕上がっておりました。嬉しい悲鳴。

事件が起こるは山中にある仏所・瑞祥房。仏師(仏様を彫る職人)たちがむくろ(=もぐら)となって仏作りに勤しむ中、巻き起こる連続仏師失踪事件。失踪事件の裏には20年前の悲劇が潜んでおり、死んだと思われていた男が実は…?という素敵物語。

『背の眼』では真備の妖しいコネクションが事件解決に大きく貢献致しましたが、本作は推理が推理を生み出す、バリバリの本格。「名探偵、皆を集めてさてと云い」の標語(?)通りの展開に満足。伏線が次々に回収されてゆく様が快感。真備は前作で睨んだ通り、名探偵としての素質たっぷりです。でも、前作には真備の哀しい過去とリンクした切ないエピローグがついておりましたが、本作に霊の介入する余地は無かったため、その点がおざなりになっているのが残念。

犯人を改心(?)させる所作に某京極堂が見え隠れしましたが、“いきなり真実を突きつけても死者に憑かれている(と想い込んでいる)犯人を崩壊させてしまうかもしれない、少しばかり大仰な憑き物落としが必要だと思った”という真備の機転にはナルホドくん。そういう心遣いは民俗学的…というか都会的な名探偵には無い発想です。聖ヤヌアリウスの血とはよく云ったものです。このシリーズのこういうところが、好きよ。

というわけで、本作も満足させてくれました道尾秀介氏。このシリーズは続編が出ていないようですが、是非さらなる作品を!まだ読んでいないノンシリーズが概ね好評なので、これからの読書生活も期待できる。とりあえず『シャドウ』を早く読みたいものです。

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