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2007/05/26

『八月は一夜限りの心霊探偵』 霧舎巧

八月は一夜限りの心霊探偵―私立霧舎学園ミステリ白書 Book 八月は一夜限りの心霊探偵―私立霧舎学園ミステリ白書

著者:霧舎 巧
販売元:講談社
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夏休みにいつものメンバと伊豆旅行を決行した琴葉。

当然事件がお出迎え。

八月のテーマはサイキック・ディテクティブ!

今週はまさに霧舎学園強化週間ですね。毎日更新毎日レビュー。前半かなり放置プレイだっため、頑張っております管理人。

さて、既刊の霧舎学園シリーズの中で個人的にベストだと思い込んでいるのが、この『八月』だったりします。作中で保少年が棚彦にしかける推理ゲームも上質で、1冊でふたつの謎が楽しめるという、おいしい一作。

しかも、もうお約束となりました“おまけ”もふたつ用意されております。ひとつは云うまでもなく、巻頭に収録されております琴葉のグラビアでございます。

いやぁ、よくやるよ、ホント。

西尾維新だって、ここまで無茶なことはやりません。ミステリと銘打たれた作品で、ここまでぶっ飛んでるのは初めてです。『ヤングマグナム』ってなんすか?タイトルに、なんとなくいやらしさを感じてしまう自分が厭です。

そして、もうひとつのおまけは本自体に仕掛けられております。最初は作中でも登場している“カバーは八月なのに、中身のタイトルが五月”って仕掛けかと思ったんですよ。でも、そんな確信犯的誤植は出版界的にタブーだろうと。カバーを外してそんな確認をしていた私が、ふと感じたのは…やけにこの本重たくない??これです。ふたつ目のおまけはこれでした。作中のトリックにも関連しているこのおまけ。

いやぁ、よくやるよ、ホント(2回目)

というか、こんなことも可能なんですね。講談社で決めたノベルスの型ってものがあるだろうに。でも、今回のおまけは実用的(というか作中としっかりリンクしていて)良かったです。栞にしかならないおまけはいらない…。

さて、内容について書かねば。八月は(他の月と比べてという但し書きが付くが)ミステリとして無理が無い。しかも、タイトルとの激しい乖離も無い。琴葉ママ&ひろみが仕掛ける叙述トリックも、左右が入れ替わるトンネルトリックも、殺人犯を突き止める過程にも、無理が無い。ちゃんと伏線の回収されてゆくミステリは好きです。霧舎作品特有のまわりくどさは相変わらずですけれど。

そして、ラブコメ部分。いやぁ、本当に琴葉が嫌いです。なぜあの場面で中込椎奈に肝試しのパートナー役を譲る?なんだ、本命(彼女)の余裕か?行動が終始貫徹してないんですよ。突き放してみたり、飛びつき抱きしめてみたり。そんなかけひきいらんっちゅーの。本当に苛々させてくれてありがとう。

そんな琴葉に対し、棚彦の株は急上昇。「あかずの扉シリーズ」リンクとして登場してくれた咲さんの不吉な予言を具現化するために、棚彦がとった行動…いいねぇ。しかし、咲さんの予言では「死んでいるようにみえた」らしいのですが、巻頭グラビアの笑顔を見るに死を前にした(?)笑顔には見えないっす。元気ハツラツです。だからこそ、棚彦の行動がイレギュラー(死を回避させた)だという証明になるのかもしれませんが。まぁ、咲さんの予言ですから(あかずの扉読者にはきっとわかってもらえると思う)。

そうそう、この『八月』は『七月』と2冊同時発売(しかも、クリアケース付の限定版まで発売され、プレミアもついているという奇跡)だったんですよね。霧舎氏、全盛期でしたもんねぇ。そんな勇敢な霧舎氏をまた見たいものです。

では、次回は九月編…ではなく、「ライアーゲーム#7」感想でお逢いしましょう!あぁ、待ち望んだよ土曜日!!

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