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2007/04/07

『密室殺人ゲーム王手飛車取り』 歌野晶午

密室殺人ゲーム王手飛車取り Book 密室殺人ゲーム王手飛車取り

著者:歌野 晶午
販売元:講談社
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ネット上で行われる推理ゲーム。

普通の推理ゲームと違うのは…出題者が本当の殺人犯だということ。

貴方はこの問題が解けますか?

“ミステリブロ愚”の看板を下ろす日も近いな…と勘繰られるほど(誰に?←自分にだ!)ミステリから遠ざかっておりました当ブロ愚。お待たせしました、“ミステリブロ愚”再開でございます。しかも、再開一発目作品に…

祝・当たりが来ました!!

歌野晶午氏は先日『女王様と私』を読了したばかり、立て続け。でも、そんなことはさらさら気にせず、読んで良かった『密室殺人ゲーム王手飛車取り』!!

アタリ作品ハズレ作品に限らず、ミステリ読んでる時は本当に至福。初めまして!作家消化週間とかやってましたが、あのゆる~い作品群(←週間対象作家さんに失礼ですから!)の後だから、本作がより新鮮に感じられた感は否めないかも…アリガトウゴザイマス。でも、私は本当にミステリが好きなんだなぁとこの数日で実感致しました。

本作は実際に起こした(これ、ポイント)殺人事件をミステリゲームとして出題し、ネット仲間に真相を推理させるという趣向。「犯人は誰か?」を推理させるのが通常の推理ゲームですが、本作は犯人=出題者ですので「どうやって犯行を行ったか?=アリバイ崩し」「どうやって殺人現場を作ったか?=密室」「被害者の共通点はなにか?=ミッシングリンク」などが出題範囲。

このトンデモ設定がかなりツボ。ツボ入りました~ってなもんです。

ひとつひとつの事件レベルも合格レベルで、しっかりミステリファンを愉しませてくれる上に、事件毎に関係性関連性があり(例えば、チャットに参加していたはずの時間に次の出題殺人が行われていたり)「だからあの時、こいつはこうだったのか!!」と2倍愉しませてくれる出来です。

バーチャルの世界が現実世界とリンクし出した辺りからも読ませる。コロンボ(登場人物のひとり)が消えた辺りから明かされてゆく、メンバの素性。これまでのチャットの様子を覗き見ていた読者は、彼等に騙された感でいっぱいになるでしょう。カ・イ・カ・ン。

ラストの爆弾の件は「あぁ、そうくるか~」という感じで、ちょっと蛇足感ありますが、これまで挿入されてきたベイダー卿(これまた登場人物のひとり)の心情を振り返れば…頷けるかも。残されたメンバがどういう決断を下すのか…は読者に委ねましたしね。このクラスの名作は続かないからこそ素敵なのです。

もっとネタバレレビューを書きたい気持ちは抑えて。オススメ作品はネタバレせずに読んでもらうと信条とする当ブロ愚。オススメする価値ある一作。年末のミステリ商戦に、必ずや喰い込んでくる作品だと信じてオススメします。是非、どうぞ~。

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