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2007/04/04

『ありふれた風景画』 あさのあつこ

ありふれた風景画 Book ありふれた風景画

著者:あさの あつこ
販売元:文藝春秋
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少女と少女の出逢い。

誰にも理解してもらえないと思ってた。誰にも理解されなくたって平気だと思ってた。

でも、貴女だけは理解してくれたね。だから、きっとゴールなんて無いよ。

初めまして!作家、強化週間第3弾はあさのあつこ氏です。あさの氏と云えば『バッテリー』なのですが…この強化週間では代表作は敢えて外すようにセレクトしております。代表作を読めば愉しい時間が過ごせることは確実なのですが(だからこその代表作)、代表作を読んでその作家を好きになって…他の既刊作品が合わなかったときの哀しみって大きいじゃないですか?どんどんその作家への興味関心が失われてゆくのが寂しい。だから新規開拓をするときは敢えて代表作を外して、惹かれるか惹かれないかを大まかにチェックするようにしております。

というわけで、あさのあつこ氏。想像していたよりも文章が綺麗。児童文学出身ということで、児童文学らしい平坦な(うまい表現が見つからなかったのですが、イメージ伝わるでしょうか?)文章なのかな?と勝手に想像していたのですが、甘かったようです。

少女たちの甘く儚い1年を綴った青春小説という煽り帯となっておりますが、まさか百合モノがくるとは…でも、清々しく瑞々しい百合モノでした。なんだろう、少女の内面がリアル。あぁ、自分もこんな風に世の中を斜めに見てたことあったなぁ…という懐かしさ。いまだって斜めどころか邪に世の中を眺める自分が居るのですけれども。

“ウリ”をやっていると噂される少女と、動植物の声が聞こえる魔女みたいな少女。自分をどう表現したら良いのか判らず、殻に閉じこもり外部との接触を極力避けようと試みるふたりの少女。噂ばかりが先行しているのに、それを覆そうともせずに受け入れる彼女たち。ふたりは自然に惹かれあい、運命だって変えようとする。

もやもやっとした青春小説は苦手なのですが、文章の綺麗さとリアルさでラストまであっという間に読めました。ふたりの少女は普通じゃないけれど、彼女たちの抱える悩みは思春期特有の普通の悩み。普通じゃないものを普通に見せるテクニックって、高度なのに。あさの氏、やります。

『バッテリー』はちょっと長いので、余裕があるときに読みたい。時間的にも心にも。でも、口約束じゃなくてちゃんと読むんだろうなと思わせる、あさの氏の魅力。うん、愉しみです。

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