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2007/04/14

『信長の棺』 加藤廣

信長の棺 Book 信長の棺

著者:加藤 廣
販売元:日本経済新聞社
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1582年、明智光秀の謀反によって、本能寺で倒れた織田信長。

焼失した本能寺から信長の遺体は見つかることなく。

消失した遺体の謎に挑むのは、太田牛一。

前首相が絶賛したことで知られる『信長の棺』。その話題性のため図書館で入手することが難しく、戦国スキーの私もすっかり忘れておりました一作です。本作は歴史とミステリの融合という形でも話題となりましたので、今回のレビューはミステリ読者視点で挑戦してみましょうか。

『信長公記』の著者として知られる太田牛一が『信長記』執筆を決意し、信長の一生を追い求めてゆくうちに、信長遺体消失の謎に取り付かれてゆく…というストーリー。謎に取り組むきっかけとしては上々。

その謎解きの過程に登場するのが、謀反の知らせを受け、奇跡的とも云える中国大返しをみせ、信長の後継者として全国統一を果たした豊臣秀吉。死期が刻々と近づく秀吉と、その周囲に蔓延する不穏な空気。牛一の執筆した『信長記』にあれやこれやと注文を出し、桶狭間での合戦を記した箇所では異常なまでの反応を示した秀吉に、秘密を見て取った牛一。

秘密があることを知ってしまったら、暴かずにはいられないのが探偵の心情。秀吉の秘密と、突然自分の元へと送り込まれてきた飯炊き女・沙耶の秘密が交差するとき、新たに開かれた真相への道。そして見つけた“秘密を知る者”。かの者に出逢ったとき、牛一が16年追い求めた本能寺の変の真相と、信長の遺体の行方が明かされる…。

という物語。そうねぇ、ミステリ読者視点から突っ込ませていただくと、推理っちゅー推理してないやんか!でしょうか。秘密を解き明かす過程がほとんど伝聞だし、秘密を知る者に矢の如く突き刺さる指摘をして口を割らせるのかと思いきや、拷問的行為、あるいは牛一の人となりに相手が感動して勝手に喋りだす…ってな寸法だし。あれ?自動自白装置か牛一って?

そして、推理の材料となる“光秀、謀反の動機”“秀吉、中国大返しの謎”“本能寺の隠し通路”の全てが自明の事実だということ!目新しいことないじゃないですか!?本作のメインの謎が“遺体の行方=埋葬場所”だとは云え、そんなこと本気で知りたがっている読者はそう多くないはず…殆どがあの本能寺の変の裏にあった新事実を知りたい読者ではないでしょうか?本作で明らかにされた埋葬場所は真実であったとしても、いまからそれを掘り起こそうってな人は居ないに違いない。たぶんきっともう無いし。

まぁ、学術書でなく、小説で新事実を知りたい…だなんて、なまぐさかつ横着者な私が悪いんですけれども。でも、やっぱり戦国は良いなぁ、愉しいなぁ。戦国無双と戦国BASARAの再プレイがしたくなってしまいました。その前に到着ほやほやの逆転裁判に手を付けちゃうんですけれどね!

というわけで、明日から当ブロ愚はミステリブロ愚から逆転裁判プレイ日記ブロ愚に生れ変わります。ご容赦ください。

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