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2007/03/04

『ハンプティ・ダンプティは塀の中』 蒼井上鷹

ハンプティ・ダンプティは塀の中 Book ハンプティ・ダンプティは塀の中

著者:蒼井 上鷹
販売元:東京創元社
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塀の中で交わされる推理合戦が迎える笑劇の真実とは?

既に作風を確立した感もある蒼井上鷹、ついにミステリフロンティアから登場!

す、すみません!!

いきなり謝罪からスタートです。20000HIT御礼館レビューのラストを飾る『暗黒館の殺人』、未だに読了しておりません。もうね、遅々として進まないのです。重くて長時間継続して読むことができないという物理的な理由に、中身も大して面白くないという精神的障害まで。予想はしておりましたが、やっぱり難産だ。そんなわけで、今日は図書館返却エンド本である蒼井上鷹氏の『ハンプティ・ダンプティは塀の中』レビューでお茶を濁すわけです。

蒼井上鷹氏は『九杯目には早すぎる』でデビュー。その後も『出られない五人』や『二枚舌は極楽へ行く』(この作品は現在積読中)そして本書など、量産型とも云えるハイペースで作品を届けてくれております。その作風は…読者を選ぶ痛快コメディ・ミステリでしょうか?

蒼井氏の仕掛ける痛快さ愉快さが、私にはうまく掴めませんのが実際のところ。テンポを重視した登場人物たちの会話などが“ウリ”として紹介されているのですが、テンポを重視するあまり「誰が喋ってるのかよくわからない」状態に私を追い込んでくれます。本作『ハンプティ・ダンプティは塀の中』は塀の内側で繰り広げられるドタバタ(?)劇に伏線を散りばめて、ラストで謎に解答を与えるというタイプの連作短編集なのですが、どうもその伏線が充分に活かされてないような気がするんですね。

うまい伏線の張り方というのは、そこに伏線があったことすら読者に気付かせないものです。伊坂幸太郎氏や貫井徳郎氏はそのあたりが巧くって、いつも私たちを清々しい読了に導いてくれる。「騙された!」と地団駄を踏んで、あんなに嬉しいことは無いです。でも、蒼井氏の作品にはその“清々しさ”が欠けているような…読了後に「で?」って思っちゃうんですよね。

それはコメディの要素が強いからなのか、単に私と波長が合わないだけなのか。この思いは『九杯目には早すぎる』を読んだときから感じていたことなので、それでもついつい手を伸ばしてしまうことからも、「いつか化けるかもしれない」とどこかで感じてることは明瞭なのですが。未だに評価に困っている作家さんではあります。

現在積読中の『二枚舌は極楽へ行く』で、そのあたりのもやもやに解決が付けば良いなと個人的に期待しております。って、その前に『暗黒館の殺人』を読め、自分。

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