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2007/03/21

『後宮小説』 酒見賢一

Book 後宮小説

著者:酒見 賢一
販売元:新潮社
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三食昼寝付き贅沢三昧…そんな偽情報に惑わされて宮女に志願した銀河。

そんな銀河が若き皇帝の正妃に!?

後宮哲学と果敢なく幼い恋愛を描いた傑作。

『暗黒館の殺人』を読了できたら、自分へのご褒美として絶対読むと決めた『後宮小説』。ちゃんと読めたことに感無量。

『後宮小説』は私のオールタイムベスト10にグイっと喰い込んでくる一作。その出逢いはこの『後宮小説』を原作としたアニメ「雲のように風のように」です。1990年に放送されたそのアニメをリアルタイムで見た当時○才(なんと一桁だ!)の私に、グサッとなにかが刺さりました。未だに大好きなアニメ。アニメの好き好き度なら「カウボーイビバップ」に並ぶかもしれません(いつかこのブロ愚で「カウボーイビバップ」について恍惚と語ってやるんだ…決めてるんだ…)。

というわけで、原作を読んでいるときに私の脳内で動いているのは、アニメの銀河やコリューンたちです。アニメと原作という関係はこの作品に限ることなく、大筋に変更はなくとも(時々「原作でもなんでもありゃしねぇ!」という作品に出逢うこともありますが)細部に違いが出てくるものですが、この『後宮小説』においてはコリューンのラストに大きな違いがあります。私は断然アニメ版のラストの方が好きなのですが…如何でしょう?アニメがあんなに心に残ったのも、コリューンのあの決断があったからだと未だに思います。それくらい、あのラストと銀河の泣きじゃくる姿が好き(←なんか残酷な物云いですが、感動必至)。

原作『後宮小説』では、角先生の後宮哲学がメイン(イリューダ達の進軍模様も厚く書かれてますね)なのですが、これもまたおもしろいです。なにがおもしろいって、角先生のどうでも良い後宮理論を(あぁ、角先生ごめんなさい。でも、コリューンも結局どうでも良いって云ってたし…)酒見賢一氏が堅っ苦しく真面目に解説してくれることが楽しい。まさに酒見節。普通なら読み飛ばし上等!なのに、読んでしまう読ませてくれる。酒見節、好きだなぁ。

でも、『後宮小説』の良さはやっぱりラストにある、と。銀河が道女となりコリューンと心通わせる(それを角先生に報告する)部分なんて、何度読んだって胸熱くなりますからね!(でもやっぱりコリューンの最期はアニメの方が好き)タミューンの最期も哀しくて好き。タミューンにとってあの最期はコミューンと漸く(心で)ひとつになれて、至極だったのだと思います。

派手さは無いけれど心に残る作品として、オールタイムベストに喰い込む一作。無性にアニメが見たくなってしまいました。

雲のように風のように DVD 雲のように風のように

販売元:バップ
発売日:2002/06/21
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コメント

まじょさんのブログで紹介されていて、わたしも久々に「後宮小説」読みました!!これもっと長く読みたいですね。1冊じゃ物足りないです。特に後宮教育のための勉強の中、同室の3人とだんだん仲良くなっていったり角先生から教えられる哲学だったり、もっともっと読みたいと思いました。アニメだったら1クールくらいできそうな。アニメ版はラストが違うんですか??それはそれで非常に楽しみです。やっぱりこの物足りなさを補うのはアニメ版なのですねー。

投稿: ソラチ | 2007/04/22 01:15

☆ソラチさん☆
アニメは名作ですよ!とか云いつつ、自分もDVD持ってなかったりするのですが…そんなに高くないし、私も買っちゃおうかなぁ。
アニメ版ラストは本当にドラマティック。ハッピーエンドよりもバッドエンドを好む日本人らしい(フランダースの犬?)出来です。原作とアニメと足し合わせて、足しっぱなし!がベストだと思ってます。
これって史実?それともファンタジー?という、ラインギリギリの世界観が本当に素敵で、その雰囲気に酔わされる一冊ですよね~。

投稿: まじょ→ソラチさん | 2007/04/22 22:44

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