『暗黒館の殺人』 綾辻行人
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暗黒館の殺人 (上) 著者:綾辻 行人 |
ひょんなことから“中村青司の館”に関する情報を入手した江南。
暗黒館と呼ばれる館で江南が遭遇するのは…恐ろしい罠。
物理的にも精神的にも重厚感あふれる、館シリーズ第七弾!
おんまたせいたしました!!
もうこのまま無かったことにしてしまおうか…という誘惑に何度かられたことか。有耶無耶なままエイプリルフールを迎えて、冗談オチにしてしまおうかと何度悩んだことか。そのくらい難産だった『暗黒館』。漸くレビューをお届けできることに感無量です。
この『暗黒館』を読了するために、私がとって作戦は…カフェで缶詰め作戦。『暗黒館』には睡眠薬が盛られていると信じて疑わない私ですが(この缶詰め作戦を取るまでは、1日30頁が限度だった)、ベッドで読むから眠くなる→眠れない環境に身を置けば良いんだ!と気付くまで○週間。暖冬とは云え、北海道の3月に屋外での読書は自殺行為ですので、カフェに『暗黒館』と煙草だけを持ち込み、ひたすら読む読め読むんだ。この週末にカフェで分厚い新書を手に、恨めしい顔をして読書している女を見かけた方、それは私だったかもしれません。
さて、肝心の『暗黒館』の内容に触れておりませんねぇ。正直なところ、内容云々よりも読了までの難産っぷりの方が印象強いんですよ。まぁ、そうも云っていられないので、ネタバレ全開レビュー(しかも毒舌)にすることで、なんとか書き上げちゃいましょう。
えーっと、中村青司の原点、ここにあり!!
もうこのネタバレだけで良いような気もしないではありませんね。この『暗黒館』は“(中原)中也”と呼ばれる青年の視点を取って描かれているのですが、この“中也”が実は若き日の中村青司だというトリックです(←さらーっと、すべてをバラしたNE!)このトリックにいつ気付くか…が『暗黒館』の唯一の楽しみ方だと思うのですが(つまり、暗黒館内で行われる殺人は特に重要視する必要も意味も無いという毒舌です)、このトリック、なんともアンフェアな描かれ方をしています。
中也=中村青司が暗黒館に滞在していた“過去”と“現在”とを結ぶのは、十角塔(十角!)から墜落した江南某という青年なのですが、同じ日同じ時刻同じタイミングで地震が起こり、同じ名字の同じような身なりをした青年が同じ塔から落ちるってどんな偶然やねん!同じが6回も出てきたよ。その偶然を起こせるのが中村青司の館だって云うんなら、そんな館はこっちから願い下げです。
というわけで、読者に誤認させよう感が満載で、興醒め。しかも唐突に挿入される“現在”を生きる江南の独白(?)がしつこい。同じような台詞を何度も何度も読まされて辟易してしまいます。あんな独白入れなければ、もっとスマートな(物理的にも精神的にも)作品になったと思います。
暗黒館に住まう浦登家の秘密はちょっと素敵でしたけれど…ミステリに有りがちな設定と云ってしまえばそれまでですね。その雰囲気を味わうには、『暗黒館』は厚過ぎるんですよ。せっかくの良い部分も、全体に横たわるダラダラ感と睡眠薬の所為で台無しです。そうそう、青屋敷で焼身自殺を遂げた中村青司ですが、彼の食した“ダリアの肉”はその不死性を発揮しなかったのでしょうか?実は檻の中で青司が惑っている…なんて設定が次のシリーズで当たり前のように出てきたら怒るけどね。
でも、ラストの征順の「家人に一人、優秀な医師がいるのです」には、若干ゾクッとしましたでしょうか。玄児よね?これって玄児のことよね?そして、檻へと向かう江南の耳に届いたピアノの調。これって美鳥よね?そんな“匂わせた”ラストは唯一素敵だったと思います。
さて、これで胸に痞えていた懸案事項も解決いたしました。これからはミステリブロ愚、通常営業です。リハビリも兼ね、薄くてさらっとした作品から読み始める予定。これからも当ブロ愚をどうぞよろしくお願いいたします。
20000HIT、本当にありがとうございました!!
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暗黒館の殺人 (下) 著者:綾辻 行人 |
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font color=redB九州の山深く、外界から隔絶された湖の小島に建つ異形の館―暗黒館。光沢のない黒一色に塗られたこの浦登家の屋敷を、当主の息子・玄児に招かれて訪れた学生・中也は、ダリアの日の奇妙な宴に参加する。その席上、怪しげな料理を饗された中也の身には何が?続発す..... [続きを読む]
受信: 2007年3月23日 (金) 16時46分
» 暗黒館の殺人(綾辻行人) [3.1step & coffee]
昨今よく耳にする言葉「心の闇」に対し、
「あれは闇というものに対して失礼だよね」
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受信: 2008年3月22日 (土) 17時56分




コメント
読了おめでとうございます! 読んでる姿をふすまの影から見たかった! 内容でネタバレを感じ途中で封印しました
私もまだなんですよ〜 なかなか手がでない 最近有栖川さんの方が気になるし...読み終わったら又来ます と中途半端なコメントすいません
投稿 きりり | 2007年3月20日 (火) 01時23分
おつかれさまでございました。
『暗黒館の読了』は「よくやった、Cozy!!」でした。内容はもうほとんど覚えていません。まじょ。さんの感想を読んで、昔の記憶を脳味噌から引っ張り出そうと思います。
久しぶりに、きっとここら辺のページには重要な内容はないだろうから、飛ばしちゃえと感じて、実際に実行した本でもあります。
本当におつかれさまでございました。
投稿 Cozy | 2007年3月21日 (水) 10時03分
☆きりりさん☆
漸く!漸くです!!
いやぁ、本当に企画レビュー自然消滅(罪の意識を感じるわけではないが、ブログも自然解散)するのではないかと、本気で焦りました。
レビューは本気でネタバレ(しかもそのネタしか楽しむところが無いにも関わらず)しておりますので、本当に読了後読んでください!あの殺人的厚さにネタバレまで加わったら、絶対にきりりさんの『暗黒館』への道程が遠ざかる…。
オススメできないのが辛いところですが(←陥れてる陥れてるから!)きりりさんのレビューを楽しみにしております♪
投稿 まじょ→きりりさん | 2007年3月21日 (水) 18時08分
☆Cozyさん☆
正直、最初から最後までナナメ読みだったにも関わらず、幾度となく襲い掛かる睡魔に勝てませんでした…ナナメ読みだったのに。
本当に「よくやった!!」と自分を褒め称えたい。そしてあのうっすい内容を(←あっ!)あそこまでの分量にしてしまった綾辻氏に逆の意味で拍手を。
上巻はプロローグだけ読めば事足りるかもしれませんね。“ダリアの宴”すら要らないかもしれない…なんて危険な本なんだ!!
次の「館シリーズ」をまっさらな気持ちで手に取るために、あと数年間は待てるような気がします…。
投稿 まじょ→Cozyさん | 2007年3月21日 (水) 18時30分
お疲れ様でございます。
いやあ、記事を拝見して思ったのですが、中也=青司っていうトリックがあったっけ・・・そこすら忘却の彼方。
といいますか、それに自分が気づいたかどうかすら覚えてない。
すべては記憶の暗黒の中に。。。
もう一度自分の目で確かめる・・・それはしないかな~^^;;;
投稿 たいりょう | 2007年3月23日 (金) 16時46分
☆たいりょうさん☆
漸く読了しました!本当にお待たせいたしまして。もうしばらく「館シリーズ」は良いと思えるくらい(色んな意味で)満喫しました。
『暗黒館』は本当にあのワントリックのみで、あそこまで引っ張れたものだと感心してしまいます。というか、中也=青司をやるなら、シリーズ最終巻でやれば良かったのに。青司の原点はこんな感じだったんですよ~、これですべての館の原型が示せたのでシリーズも終了しますよ~みたいに。なぜこの時点でこの作品を発表したのか…謎ですね、謎。
再再読は一生しないと思います、きっと。
投稿 まじょ→たいりょうさん | 2007年3月24日 (土) 12時53分