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2007/02/23

『時計館の殺人』 綾辻行人

時計館の殺人 Book 時計館の殺人

著者:綾辻 行人
販売元:講談社
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108個の時計が時を刻む時計館。

時計の針が進むにつれ、死体となってゆく仲間たち。

殺人犯は時計館の亡霊か?館シリーズ第五弾!!

『人形館の殺人』レビューがあまりにもアレなもんでTOPに置くのは忍びない…と畳み掛けるように『時計館の殺人』レビューをupです。この『時計館の殺人』は、

館シリーズNO.1との呼び声高い名作

『十角館』『水車館』でかましたあの5分間フリーズをこの作品でももちろんかましました。だって、だって、旧館と新館で○○の○○が違うだなんて!鹿谷氏(この作品からはこの名称が定着)の最初の指摘を受けて、残りのページを貪るように読んだおもひでがあります。一瞬、なんのこちゃい?状態だった私。

作中で鹿谷氏が何度か語る“時間の概念”。こういう哲学的なことは難しい上に建設的じゃないから苦手なんだよ~とナナメ読みを決め込んでいた私は、どっさり後悔することとなります。見事に確信じゃんか!?

わかる人にはきっとわかるのだろう、このトリック。でも、鹿谷氏の解決編まで気付かずに読むことができたら…きっとこの『時計館の殺人』を最適な形で楽しむことができるのではないかと、今回の再読で確信しました。この『時計館』トリックは、その衝撃度から決して忘れることのできないトリック。一度読んでしまったら「あれ?この作品のトリックってどんなのだっけ?」だなんて呆けることは不可能です。そのため、再読時にはそのトリックがずっと頭の中を駆け巡る…この作業、結構頭使います。物語に入り込むことが出来なかった。これが叙述トリックと物理トリックの楽しみ方の相違なのか、と妙に感慨深い。やっぱり、私は叙述をふんだんに駆使した作品の方が好きだな。

でも、『時計館の殺人』が名作であることに変わりは無く。鳴る為の機能を所持していない鐘の音が聞こえたとき…ぞぞぞっと鳥肌が立ちます。再登場を果たした瞬間に悲劇に巻き込まれる形となった江南くんには、皆で哀れみの合掌を。中村青司の設計した館で怪事件が起こる…というよりは、その館に鹿谷氏が介入した瞬間に最後のスイッチが入ってしまうといった方が正確だな…と思ったり。

とにかく、この作品はトリックを知らぬまま、できれば推理なんてうっちゃって、物語の重圧感を存分に楽しんだ後、いっしょに仰天して欲しい。そんな思いを込めて、お勧め。『時計館』に仕掛けられたトリックは、まさに天からの授かりもの。そんな至福の思いを皆様も是非。

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コメント

好み云々を置いたとしたら、やっぱりこの作品が一番完成度が高いですよね~。
何かあるとは思いましたが、そこまで大掛かりとは。
真相が分かっても、再検証はしませんでした(笑)。
でもなにより、あのラストの崩壊のシーンが美しかったですね。
ちなみにこの小説の縁で谷山浩子さんのCDを聞くようになりましたね~。まさかあの頃にはジブリアニメの主題歌「テルーの歌」を作曲するような大物になるとは^^;;

投稿: たいりょう | 2007/02/23 18:07

実はこの本が古本屋の100円コーナーにあって買ったのが綾辻氏との出会いです レジでお客さん2冊で100円ですといわれ選ぶ本がなく海と毒薬を買った思い出が..... そして積読
素直に館の最後のシーンが一番印象的な本でした

投稿: きりり | 2007/02/25 01:02

☆たいりょうさん☆
完成度は文句無しですよね!でも、一回騙されたら良いかも感が付き纏うのは…あの厚さの所為とも云い切れないような気がします。完成された作品よりも荒削りな方が愛されるという、世の中の常でしょうか。
でも、あのラストは何度読んでも衝撃&感動的。鳴らない鐘が鳴るとき…あのラストだけは未だに鳥肌が立ちます。

投稿: まじょ→たいりょうさん | 2007/02/26 21:36

☆きりりさん☆
ありますよね!冊数合わせるためにテキトーに選んで積読状態の本って!いま、貫井徳郎氏の『天使の屍』が私をじっと見つめています…こわひっ!
この作品で綾辻デビューですか!『時計館』は中村青司設計の館の中で、最もドラマティックで洗練されているイメージ。終焉の時まで演出する建築家…自分の家は決して頼みたくないけれど、一度潜入したくはありますね。

投稿: まじょ→きりりさん | 2007/02/26 21:47

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受信: 2007/02/23 18:07

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