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2007/02/26

『空の中』 有川浩

空の中 Book 空の中

著者:有川 浩
販売元:メディアワークス
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高度2万メートルで起こった謎の航空機事故。

事故の原因究明のため乗り出した青年と航空機乗り。

事故の傷を癒そうともがく少年と少女。

彼らが見た空の中の真実とは?

20000HIT御礼館シリーズ一気読みレビューの最中ではありますが、ド嵌り中の有川浩氏の作品が入手できたとあっては読まずにはいられません。明日はどんな中村青司の呪いが私を襲うのか(洗濯物干しは買い替えました)

さて、本作は有川氏初のハードカバー作品『空の中』。まず、装丁がキレイ。波打つ雲にすっと走る高度計。『図書館戦争』シリーズの徒花スクモ氏のイラストも可愛らしくて素敵ですが、『海の底』とも通ずるこの装丁も良か良か。装丁だけで読んでみたいと思わせる力を持つことも必要よね。

それでは、肝心の物語ですが…

またもた巨大生物登場!?

私は有川作品を逆打ちで読んでるので(新→古)またもやとなります。っていうか、今回は生物ですら無いのか…怪獣!?でもないやね。白鯨って、どういうカテゴライズを望むのでしょうか?むしろカテゴライズという概念自体を嫌うでしょうね。でも、瞬&佳江コンビがUMAだといってフェイクを持ち帰ったときには、本気で気持ち悪いと思いました。よくそんなもの素手で掴もうと思うな、本当に。

そんなフェイクと対照的なのがディック。なんでしょうか?大きいとちょっと平気になるのでしょうか。ディックは比較的冷静な目で見ることができました。知能レベルの差もあるのかもしれませんが。ブツ切れかつ瞬に盲目なフェイクは、やっぱり怖いんですよ。フェイク&瞬に一国を任せて良いと思うことは決してできない。やはりセーブ・ザ・セーフの方向性は間違っているという証拠ですね。

本作の主人公はやはり瞬なのでしょうが、一番私を捕らえて離さなかったのは高巳です。高巳は『クジラの彼』で既にお知り合いだったのですが、「ファイターパイロットの君」とはまた別人な高巳がここには居ました。絶対に『空の中』で描かれる高巳に胸キュン!笑顔で毒舌という、私のストライクゾーンを用意してくれておりましたか。光稀にお願いされて頑張っちゃう高巳なんて、素敵すぎて鼻血が出そうです。ディックとの会話がうまく成り立たなくて(ディックの一戦構えるもやぶさかでない発言の時)の、あの慌て方も素敵。って、とにかく素敵なんだね、自分。

でもやっぱり、今の有川作品に比べるとラブロマ要素もギャグ要素も少なくって、物足りなく感じてしまうのも事実。ただ、それは未来の作品にどんどん期待ができるという意味で、明るいニュースに違いない。有川氏の既刊作品は残すところ『塩の街』だけですか…寂しい。『塩の街』はいざというときのために残しておいて、これからの発売を今か今かと待ち望むことに致します。

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コメント

こんにちは。
私もまじょ。さんと同じで、「クジラの彼」を先読みしてました。
なので、高巳と光稀のなれ初めを知りたくなって読んでみたのですが、宮じいがとっても素敵でした。
高巳の「笑顔で毒舌」よかったですよね~。
光稀じゃなくても惚れるわ(笑)、と思いました。
TBさせていただきました。
今度は届くと思います…。

投稿: 藍色 | 2007/03/13 14:44

☆藍色さん☆
コメントありがとうございます!
『クジラの彼』を読むと、あのふたりがどんな出逢い方をしたのかとっても気になりますよね!妄想していたものよりも、数段素敵な出逢いで「やっぱり有川浩はラブロマの教祖だ!」と確信しました。
高巳の優しさが不器用な光稀に届いた場面が好きです。不器用な光稀の優しさが、ストレートに高巳に届く場面も。
でも、『空の中』の功労賞は云うこと為すことズバッと響く宮じいだと私も思います!

投稿: まじょ→藍色さん | 2007/03/13 20:02

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